金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

不透明感続く緩和縮小開始への思惑

更新日:2013年9月7日(土)

三角保ち合い上抜けによる円安加速への思惑と金の上昇トレンド終了への兆しに待ったをかける結果となった8月分の米雇用統計。非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の18万人増に対して16.9万人増と誤差は-1.1万人。これ自体は、それ程懸念するような数字ではないものの、6-7月分の数字も下方修正され、特に7月分は16.2万人増から10.4万人増へと大幅修正。なお、失業率が7.3%へと1ポイント低下したのは労働参加率が63.2%へと1978年8月以来の低水準となった結果であり、決して改善した訳ではない模様。

2ヶ月連続でNFPが市場予想を下回り、過去分の下方修正も2ヶ月連続となったことでマイナスイメージは強く、6ヶ月移動平均で見た場合、今年2-4月には縮小開始へのメドとも言われた20万人増以上が続いたのに対し、それ以降は緩やかに低下、8月時点の6ヶ月移動平均は16.03万人増。この数字は昨年9月にQE3導入決定から2ヶ月後、11月時点の15.83万人増とほぼ同レベル。
今月の緩和縮小開始に向けての不透明感は依然、払拭されません。開始はするものの、その規模を小幅にする、または開始時期を11-12月へ、という見通しもかなり有力に。

なお、NFPの過去分修正に伴い、ADP雇用との相関係数は、8月分までの1年間で0.41台へと低下しています。この数字も昨年12月時点では0.83台とかなり強めの相関関係を示していましたが、ここへ来て相関性もかなり薄れてきています。
ADPの信頼性の問題か、もしくはNFP自体の誤差も?
1億5千万人を超える米国の労働力人口の実態を把握するのも、そう簡単なことではないのかもしれません。

NY金・日足チャート 2013/8/16-9/6NY市場、金相場は0.98%の大幅反発。前日までの下落基調が続き、一時1,360ドル割れまで下げた後には米雇用統計の結果に買いで反応。1,390ドル台まで急騰して終了。この付近はサポートにもレジスタンスにもなり易い壁が存在する水準。短期的には下向きの流れで1,330ドル台辺りまで下落の可能性。
この1週間では-9.6ドル(-0.69%)で5週間ぶりの反落。

プラチナも0.92%の反発。一時1,500ドル台まで上昇する場面もあったものの、やはりこの大台ラインは節目となり易い水準で、ここをしっかりと超えて反発する程の勢いは今のプラチナにはなく、下落トレンド中の戻り局面。当面の下落メド1,420ドル付近を目指す展開継続へ。
週間ベースでは-31.4ドル(-2.06%)となり、2週続落。

ドル円はほぼ1%の反落。雇用統計を待たずして昼間から日経平均とともに軟調推移が続き、早々と大台割れ。週末の波乱を前に手仕舞いが進み始めていたようで、しかも、その手仕舞い売りが正解に。NYダウも瞬間的に1%の急落となったもののすぐに反発し、小幅下落で終えたのに対して、ドル円の急落後の反発は限定的。緩和縮小開始に伴う相場への影響度の違いと、この後の週末イベントへの警戒感もあったのかもしれません。
それでも方向性はまだ上向きで100円80銭台辺りを目指します。
週間では+95銭(+0.96%)の反発。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場9/6終値とチャート

2013年9月7日(土)時点の相場
国内金4,584 円 9/6(金) ▼65(1.40%)
国内プラチナ4,953 円 9/6(金) ▼42(0.84%)
NY金1,386.5 ドル 9/6(金) ▲13.5(0.98%)
NYプラチナ1,495.7 ドル 9/6(金) ▲13.6(0.92%)
ドル円99.11 円 9/6(金) ▼0.99(0.99%)

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