金プラチナ短期相場観

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米FRB議長の「6ヶ月」発言をめぐる温度差と市場の温度差

更新日:2014年3月26日(水)

米FRBのイエレン議長が緩和縮小完了の6ヶ月後に利上げ開始の可能性を示唆ことに関して、失言とかフライングだとか、市場とのコミュニケーションに失敗、他のFRB要人による火消しが行われるだろう、といった否定的な見方も多いようです。そんななか、タカ派で知られるフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は「間違いではない」と発言しています。しかも、政策金利を2015年末に3%、2016年末までに4%へと引き上げるべきとの極論も。
もちろん6ヶ月程度という期間にも、さらにQE終了までの期間でも、経済指標が順調に回復基調を示すことが前提条件としてある訳で、2015年春に自動的に利上げフェーズに突入する訳ではないことなどは市場も理解しているはずです。これまでの異常な金融政策から、通常の金融政策へと戻そうとするFRB内部でも若干の温度差はあるようです。

市場の動きにも温度差が見られるようです。
近い将来の利上げフェースを織り込もうとしている金相場は3月17日の1,392.6ドルからFOMCをはさんで1,311.4ドルへ。5.8%もの下落となっています。
米ドルの利上げがサポート材料となるはずのドル円相場は3月18日の101.43円からFOMCを経て102.25円。わずか0.8%の上昇。
また、長期トレンドの目安となる200日移動平均線との関係を見ると、NY金は3月14日に+5.88%あった乖離率が+0.87%まで急縮小しているのに対し、ドル円は年末の+6.03%からゆっくりと縮小傾向にあり、3月14日時点で+1.07%まで縮小、現在は+1.74と小幅に持ち直した状態。
ちなみにNYダウが+4%程度を維持しているのに対し日経平均は-0.60%へと既に下回る状態となっています。

量的緩和の縮小開始決定時にはドル買い金売りが鮮明となったのに対し、利上げ時期がささやかれ始めた今回は、金は売られたものの、ドルはそれほど買われていません。
異常時から通常時への過渡期を迎えようとしているFRBの金融政策と同様、市場の潮目も変わりつつあるのかもしれません。

NY金・日足チャート 2014/2/26 - 3/25NY市場、金相場は0.02%の小反発。プロッサー発言を受けて一時1,306ドルまで急落して反発、それでも値動きは限定的。2日連続で1,300ドル台の安値をつけて目標水準1,300ドル近辺にほぼ到達。1,300ドル台では底堅さも見られたものの、これで即反発に転じるような地合いでもなく、むしろ多少の行き過ぎで1,300ドル割れとなっても不思議ではない。4月第1週に向けては様子見の色合いも強まる状況か。

NYプラチナ・日足チャート 2014/2/26 - 3/25プラチナ相場は0.72%の続落で2月20日以来、1ヶ月ぶりの安値水準。下落基調継続で、90日移動平均線の位置する1,409ドル付近が目先のサポートラインとなる可能性も。目標水準はここを抜けて1,400ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2014/2/26 - 3/25ドル円は横ばい推移で102円台前半での小動きが継続。プロッサー発言でも102円50銭も超えられず。101.30-103.30円のレンジから102.00-102.50円のレンジへと値幅を縮小中。方向感はニュートラル。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/25終値とチャート

国内金価格は0.24%の小反発。下値目標水準4,490円近辺到達による一服感。ここからは新たな展開を探る状況。多少下方向へと引っ張られる可能性も高そうな状況ながら、居心地の良さそうな水準に位置し、少し保ち合い形成の可能性も。

プラチナは0.63%下げて3日続落。プラチナの特徴である一方的な流れが続く展開となった結果、2月末からの1ヶ月間で急騰、急落の行って来いで4,870円の節目割れ。4,850円台のサポートライン候補の水準にあり、いったん減速か反発の余地もあるものの、下値余地は4,750円近辺まで拡大。
※参考:金プラチナ国内価格3/26とチャート

2014年3月26日(水)時点の相場
国内金4,507 円 3/26(水) ▲11(0.24%)
国内プラチナ4,856 円 3/26(水) ▼31(0.63%)
NY金1,311.4 ドル 3/25(火) ▲0.2(0.02%)
NYプラチナ1,420.9 ドル 3/25(火) ▼10.3(0.72%)
ドル円102.25 円 3/25(火) ▲0.01(0.01%)

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