金プラチナ短期相場観

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製造業PMI・景況指数が示す米ドル全面高地合い

更新日:2014年9月3日(水)

昨日発表された8月の米ISM製造業景況指数は59.0。この数値は、市場予想を上回り2011年3月以来、3年5ヶ月ぶりの高水準となり、2007年以降でも最高レベルの水準に達しています。特に、新規受注の数値は66.7となり、2004年4月以来10年ぶりの高水準へと上昇し、米国の製造業の好調さが鮮明となっています。
なお、米国での製造業購買担当者景気指数(製造業PMI)としては、このISMの数値が最も注目度は高いですが、世界各国の製造業PMIを発表するマークイット(Markit)社からもこの数値が発表され、8月は57.9となり、こちらも2010年4月以来、4年4ヶ月ぶりの高水準となっています。

一方、そのマークイット社がHSBCなどと連携して発表している世界各国の製造業PMIも1日に発表されています。
米国以外の主要国の状況は、軒並み低調ぶりがうかがえます。
昨年夏以降、ずば抜けた高水準が続いていた英国は足元2カ月間で急落し、8月は52.5。団子状態を形成する、その他主要国集団に吸収されています。

やはり昨年後半以降、比較的好調が続いていたユーロ圏も、ウクライナ・ロシア情勢をめぐる経済制裁などの影響もあり、今年は軟調推移が続きます。内訳としては、ドイツは51.4と節目の50を上回る水準で持ち堪え、スペイン(52.8)やオランダ(51.7)も比較的好調を維持しているのに対し、ユーロ圏内経済規模2位フランスが46.9と足を引っ張り、リセッション入りした3位のイタリアも49.8と低調。

そのユーロ圏の数値(50.7)を上回ったのは、モディノミクスへの期待が高まるインド。昨年末からのゆるやかな上昇基調が続き、8月には若干低下したものの英国との差0.1ポイントに迫る52.4と好調を維持。
さらには、ユーロ圏の下落に関わる当事者とも言えるロシアが横ばい推移で51.0を維持。
ユーロ圏よりも低水準となったのは、8月に急落した中国と5ヶ月ぶりに50を上回ったブラジルが50.2で並びます。

数字を比較するだけでも、英国(52.5)以下の水準と、米国(Markit:57.9、ISM:59.0)の水準との差は歴然。
なお、JPモルガンからは世界製造業PMIが発表され、52.6。
米国が世界の製造業を牽引する状況が鮮明となり、ドル全面高の流れを裏付けます。

NY金・日足チャート 2014/8/5 - 9/23連休明けの2日、NY金相場は1.74%の大幅続落。為替のドル高進行に伴う軟調推移が続き、NY時間の米ISM製造業景況指数上振れ確認後には売り疲れからの買戻し状態へ。それでも結局、7月14日の2.3%下落以来となる下げ幅となり、6月11日以来の安値水準へ。夏場の下落トレンドからの脱却を目指し、じわじわと上昇していた流れは遮られ、元のトレンドへと押し戻された形。1,250ドル近辺までの下落リスクを払拭し切れなかったことが要因。上値抵抗線も1,290ドル台へと切り下げ。

NYプラチナ・日足チャート 2014/8/5 - 9/2プラチナ相場も1.11%の続落。最大レベルの売られ過ぎ状態からの解消が進まない状態のまま、金に連れ安となり4月23日以来4ヶ月ぶりの安値水準へ。目標水準1,400ドル近辺にも急接近。レジスタンスラインも1,420ドル台へ切り下げ。移動平均線も上から降順に90-21-9と並ぶパーフェクトオーダーを完成し、売り圧力もMAXの状態。しかし、今年ここまでの流れなら、この状態は長くは続かない・・・はず。

ドル円・日足チャート 2014/8/6 - 9/2ドル円は0.71%上昇し、3日続伸。終値ベースでの105円台は昨年末12月31日の105.30円以来。今年最高値、1月2日の105.44円も意識される水準に達したことで、ここから上にはやや抵抗感も。前日比上昇率では8月20日の0.82%以来の大幅上昇でボラティリティ拡大傾向も顕著に。やや一本調子での買われ過ぎ傾向も強まり、調整余地も見込まれるものの、目標水準105円70銭近辺まではこのままドル高傾向が続く可能性も。サポートラインは103円700銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/2終値とチャート

3日の国内金価格は0.78%の大幅安で4日ぶりの反落。警戒された変動率の上昇に伴い、いきなり振り回される展開。短期上昇トレンドへの兆しは打ち消され、4,680円近辺までの上値余地もいったん解消。レンジ状態から抜け出せず、流れもやや下方向へ。当面は4,570円から4,630円までのレンジを中心に、乱高下に伴う多少の行き過ぎの可能性も抱えつつ、揉み合い継続、もしくはやや下落方向優勢か。

プラチナは0.1%の小幅反落。相変わらず夏場の下落トレンドからは脱し切れない状況。前日わずかに超えた5,100円の軽めのレジスタンスを再び下抜け、勢いはないものの流れはわずかに上方向へと傾きつつあり、5,150円程度までの反発余地は継続。5,060円台のサポートラインは重要ポイント。
※参考:金プラチナ国内価格9/3とチャート

2014年9月3日(水)時点の相場
国内金4,585 円 9/3(水) ▼36(0.78%)
国内プラチナ5,097 円 9/3(水) ▼5(0.10%)
NY金1,265.0 ドル 9/2(火) ▼22.4(1.74%)
NYプラチナ1,408.9 ドル 9/2(火) ▼15.8(1.11%)
ドル円105.09 円 9/2(火) ▲0.74(0.71%)

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