金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

原油相場もロシア・ルーブルも注目するFOMC

更新日:2014年12月17日(水)

16日のNY市場、原油相場は終値で1バレル=55.93ドル。前日比+0.04%とわずかに上昇。急落局面にもようやく一服感、というところですが、安値では53.6ドルまで下げて年初来安値を更新、反発後の高値では57ドル台前半へと乱高下。原油相場の下落の影響を最も受ける、渦中のロシア・ルーブルは中銀の緊急利上げによって1ドル=65ルーブルから60ルーブル近辺へと一時持ち直し、しかし、そこから急反発(ルーブル売り)で80ルーブル近辺へ。その後は70ルーブル割れへと収束。原油もロシア・ルーブルもセリング・クライマックスとも言える乱高下状態を経て、一服状態となっています。

しかし、これで収束するはずもなく、FOMCを控えての一時様子見状態に。
そのFOMCでは、いよいよ声明文から「相当な期間(considerable time)」が削除され、利上げに向けての準備が始まる可能性が高いと思われます。
原油安が牽引する現在のリスク回避的な流れのなかでは現状維持、との見方もありますが、2015年半ばの利上げが濃厚とも見られるほど米国経済が回復している現状では、金融政策正常化への道を淡々と進むことを選択するのではないかと考えます。

なお、FRB関係者の利上げ見通し発言では、パウエル理事、ダドリーNY連銀総裁の2人が2015年半ばを妥当とし、メスター・クリーブランド連銀総裁とフィッシャー・ダラス連銀総裁のタカ派2人は2015年半ば以前を主張し、ハト派のコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁もインフレ加速を条件に2015年を許容。この他投票権のない人達のなかでもロックハート・アトランタ連銀総裁、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が2015年半ば。ブラード・セントルイス連銀総裁は2015値第1四半期。
これに「相当な期間」を削除する時期が近づいているとしたフィッシャーFRB副議長も加えると、今後の道筋がある程度見えて来そうな状況です。

もちろん、イエレン議長は現在の市場動向を踏まえ、少しでも安心感を与えるようなフォロー発言もすることでしょうが、明日早朝時間帯での若干の乱高下は避けて通れないものと推測されます。
一時的には株や金は売り優勢となり、為替はドル高方向へ。ただしドル高については巻き戻しの最中につき限定的?とも。
いずれにしても、FOMC後の乱高下はある程度限定的な範囲にとどまり、いったん落ち着けば、再び原油相場とこれに悪戦苦闘のロシア・ルーブル動向が市場のムードを牽引することになる可能性が高まります。
これが落ち着く為には原油相場が40ドル程度まで下落し、底打ちする必要があるのかもしれません。

NY金・日足チャート 2014/11/14 - 12/1616日のNY金相場は1.11%の大幅安で5日続落。原油相場が一時54ドル割れへと下値を試す場面でドル売りも進行、と同時に金は1,220ドル台へと急騰。その後は原油が55ドル台へと値を戻す流れに伴いドル買い金売りへ。金は前日朝時点の水準からはほぼ横ばい。1,200ドルの大台を回復出来ない限り、上値目標1,260ドルを目指すトレンド維持は今日まで。1,190ドルのサポートラインを維持できない場合の下値余地は1,150ドル近辺まで拡大。

NYプラチナ・日足チャート 2014/11/14 - 12/16プラチナ相場も1.51%の大幅下落で5日続落。終値では11月19日以来、約1カ月ぶりに1,200ドルの大台を割れ、終値ベースでの今年最安値を更新。しかし、短期的な下落基調の流れはまだ始まったばかり。安値ベースでの今年最安値1,177.5ドルを更新し、1,160ドル近辺を目指す流れへ。流れが変わる可能性としては、FOMC声明文がかなりハト派寄りとなり金相場が急騰、プラチナもこれに追随した場合などが想定される。

ドル円・日足チャート 2014/11/17 - 12/16ドル円は1.19%の大幅続落。日本時間正午頃に117円80銭のサポートラインを割れたことで円高圧力が増大。夕方以降は原油相場の下落に追随するように下げ足を速め、当面の円高目安となっていた115円台半ばに到達。原油の下落一服に伴い反発すると一時117円台後半へと荒い値動き。円高圧力が高まった状態にあり、もう一度下値トライの可能性も残しつつ、118円80銭のレジスタンスを超えるようならこのまま下値トライの流れが終了する可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/16終値とチャート

17日の国内金価格は0.39%の小幅安で3日続落。原油相場がリスク要因となり、ドル円もNY金相場も振り回される状態で、全体的にリスク警戒感高まるなかでの一服。NY金の短期上昇トレンド終盤の可能性が高まり、国内金価格も下落圧力が強まりやすい状況。当面の下値警戒ラインは4,700円近辺。

プラチナ価格は1.08%の大幅続落。12月1日以来の水準まで下落し、サポートライン候補でもある4,850円近辺に到達。ここで下げ止まる可能性よりは、もう一段の下押しに警戒。4,750円前後が次のサポートライン候補。
※参考:金プラチナ国内価格12/17とチャート

2014年12月17日(水)時点の相場
国内金4,826 円 12/17(水) ▼19(0.39%)
国内プラチナ4,840 円 12/17(水) ▼53(1.08%)
NY金1,194.3 ドル 12/16(火) ▼13.4(1.11%)
NYプラチナ1,196.5 ドル 12/16(火) ▼18.4(1.51%)
ドル円116.40 円 12/16(火) ▼1.41(1.19%)

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