金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

4カ月連続で予想を上回った雇用統計後のドル円と金の反応の違い

更新日:2015年3月9日(月)

雇用統計の結果が事前予想を上回ったのは昨年12月(11月分)から4回連続。そのうち1月(12月分)には平均時給の下落によってドル円が下落、金は上昇で反応したのを除くと、それ以外では全て素直にドル買い円売り、金売りで反応しています。
それぞれのNFPの予想と発表値との差、発表当日のドル円と金の値動きを比較すると、
12月(11月分)NFP予想+23万人→発表値+32.1万人(差+9.1)ドル円+1.35%、NY金-1.43%
1月(12月分)NFP予想+24万人→発表値+25.2万人(差+1.2)ドル円-0.97%、NY金+0.63%
2月(1月分)NFP予想+23万人→発表値+25.7万人(差+2.7)ドル円+1.29%、NY金-2.23%
3月(2月分)NFP予想+23.5万人→発表値+29.5万人(差+6.0)ドル円+0.49%、NY金-2.67%

1月を例外ケースとすると、NY金の下落率は拡大傾向となっています。2月は、前月の賃金下落からの回復の印象が強く、過去分の大幅上方修正なども影響して下落率が拡大し、3月はNFPの差が拡大し、利上げ時期への時間猶予も縮小してきたことなども影響したのかもしれません。
これに対し、ドル円は12月、1月の上昇率に対して3月は大幅鈍化。円安けん制への警戒感による円安材料の弱体化、米株の高値警戒感と利上げへの警戒感による大幅下落も影響した可能性もありそうです。
いずれにしても、ドル円の上昇率と金の下落率とのバランスがやや崩れてきたようにも見えます。

12月(11月分)の雇用統計発表前日(12月4日)の水準と、3ヶ月後の3月(2月分)発表後(3月6日)の水準を比較すると、
ドル円:119.78円→120.72円 +0.94円(+0.78%)
NY金:1,207.7ドル→1,164.3ドル -43.4ドル(-3.59%)
やはりドル円の上昇率に対して金の下落率が大き過ぎるのか、その逆か、という状態。
なお、2月分発表前日の3月5日までの水準で比較するとドル円の+0.29%に対してNY金は-0.95%。
特に今回の金はやや下げ過ぎの感もあります。

ドル円は昨年高値121円80銭台が意識される水準となり、高値警戒感による減速、という面もあるとすれば、NY金も昨年安値1,130ドル台へと近づくようなら、安値警戒感による減速もあるかもしれません。

週明け9日の国内金価格は1.95%の大幅反落。レンジブレイク待ち状態からのNY金急落に伴う下方ブレイクで12月25日以来2カ月半ぶりの安値水準へ。短期的にはNY金相場に下落一服感もあるものの、円安サポートも強くはなく、当面の下値余地として4,820円程度までが意識される。

プラチナも1.82%の大幅反落。4,770円台から4,900円台までの広めのレンジ上抜けへの可能性すらあった状態から、金に追随してレンジ下限付近まで下落。4,770円台のサポートラインは下げ止まりやすい水準。しかしNYプラチナ相場の下方リスクが強まった可能性もあり、サポートラインを割れた場合には4,730円付近が下値目標水準に。
※参考:金プラチナ国内価格3/9とチャート

2015年3月9日(月)時点の相場
国内金4,869 円 3/9(月) ▼97(1.95%)
国内プラチナ4,790 円 3/9(月) ▼89(1.82%)
NY金1,164.3 ドル 3/6(金) ▼31.9(2.67%)
NYプラチナ1,158.8 ドル 3/6(金) ▼21.3(1.80%)
ドル円120.72 円 3/6(金) ▲0.59(0.49%)

3/6(金)のその他主要マーケット指標

2月の米労働市場情勢指数LMCIは低調、マーケットは無視 3/10(火)

4カ月連続で予想を上回った雇用統計後のドル円と金の反応の違い 3/9(月)

雇用統計上振れに警戒された過剰反応、賃金上昇率低迷は継続 3/7(土)

やや低調とも予想される雇用統計上振れの可能性 3/6(金)

強まるADPとNFPとの相関関係が示す極めて良好な米雇用情勢 3/5(木)


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