金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

イエレン・ダッシュボードは相変わらずの状況も好調維持

更新日:2015年3月11日(水)

米求人件数の推移2015年1月米労働省から1月分の雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)結果が発表され、求人件数は499万8千件。事前予想の505万件は下回ったものの、502万8千件から487万7千件に下方修正された12月からは大幅増。
過去分全般に小幅修正され、大台の500万件にもわずかに届かない状況ながら、2001年1月以来、14年ぶりとなる高水準を維持。

その他の指標を含むイエレン・ダッシュボード2015年3月版では相変わらずの状況ながら、わずかに改善傾向。
イエレン・ダッシュボード2015年3月版

※指標:リセッション前の数値:最低値:前回→最新値と回復率
1)NFP(3カ月平均):+16.2万人:-82.6:+33.6↓+28.8 回復率112.8%
2)失業率:5%:10%:5.7%↑5.5% 回復率90%
3)労働参加率:66.1%:62.7%:62.9%↓62.8% 回復率2.9%
4)長期失業者の割合:19.1%:45.3%:31.5%↑31.1% 回復率54.2%
5)U6失業率:8.8%:17.2%:11.3%↑11.0% 回復率73.8%
6)求人率:3%:1.6%:3.4%→3.4% 回復率128.6%
7)退職率:2.1%:1.3%:1.9%↑2.0% 回復率87.5%
8)解雇率:1.4%:2.0%:1.2%→1.2% 回復率:133.3%
9)採用率:3.8%:2.8%:3.7%↓3.5% 回復率70%
※前月の状況→2015年2月版

回復率100%超はNFP、求人率、解雇率の3指標のみという状況は昨年7月以降9カ月連続。
前月から改善→失業率、U6失業率、長期失業者の割合、退職率(4指標)
前月から変わらず→求人率、解雇率(2指標)
前月から後退→NFP、労働参加率、採用率(3指標)

前月からは改善指標数が-1、後退数が+1。後退の一つは既に100%回復済のNFPであり、全体的にはそれほど変わらず。
それでも改善傾向となった4指標のなかでは、失業率とU6失業率が数年ぶりの好水準となり、退職率もスローペースながらも高水準に到達し、いずれも100%回復も視野に入って来そうな状況。長期失業者の割合も大幅改善し、それなりに好調という印象。
労働指標関連でネックになるのは、やはり賃金、という状態でしょうか。

NY金・日足チャート 2015/2/6 - 3/1010日のNY市場、金相場は6.4ドル(0.55%)の反落。欧州時間にかけてドル買いが進むと一時12月1日以来の安値水準となる1,153.8ドルまで下落。その後ドル買い失速に伴い1,170ドル手前まで買い戻される場面もあったものの金買いも失速。結局この日も12月安値1,170ドル付近が抵抗水準となり、下値は1,160ドルがサポートラインとなりつつある様子も。

NYプラチナ・日足チャート 2015/2/6 - 3/10プラチナ相場は1.62%の大幅安で6日続落。下落局面では金よりも加速しやすい状態が継続し、下値目標1,130ドルに早々の到達。短期的には目標水準到達により、さらに下値を模索する流れが続くよりは、いったん流れは止まりやすい状況。少し長めのスパンで見ると、2009年7月以来、5年8カ月ぶり安値を更新中の現状から意識される当面の下値サポート水準としては1,100ドル付近。

ドル円・日足チャート 2015/2/9 - 3/10ドル円は前日比ほぼ変わらず。昨年高値121円85銭を上抜け、122円にタッチしたことによる到達感から反落。121円台前半の水準をなんとかキープするも、長い上ヒゲを残し反落リスクも。昨年高値とのダブルトップ形成の可能性も意識され、次週FOMCまでにドル安円高方向へと傾斜するようなら、さらに下値警戒感が高まりそうな状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/10終値とチャート

11日の国内金価格は0.59%の反落。下落トレンド中の戻り局面を経て再び下方向へ、ただし4,860円台での減速感も。ここを維持出来なければ下値目標4,820円近辺までは比較的あっさりと到達するパターンも予想される。上方向への抵抗線4,900円を超えるとさらに50円程度の上昇余地も。

プラチナは1.48%の大幅反落。4,770円台から4,900円台までの広めのレンジ下限を守り切れずに下方ブレイクしたことにより、下値メド4,730円にいきなり到達。NYプラチナとドル円双方に膠着感も見られ始めており、いったんは落ち着く可能性も。なお、下方向への警戒水準としては昨年10月末揉み合い水準4,640円辺りが一応意識される。
※参考:金プラチナ国内価格3/11とチャート

2015年3月11日(水)時点の相場
国内金4,865 円 3/11(水) ▼29(0.59%)
国内プラチナ4,732 円 3/11(水) ▼71(1.48%)
NY金1,160.1 ドル 3/10(火) ▼6.4(0.55%)
NYプラチナ1,130.0 ドル 3/10(火) ▼18.6(1.62%)
ドル円121.13 円 3/10(火) ▼0.02(0.01%)

3/10(火)のその他主要マーケット指標

先進国の通貨安競争と新興国の脱通貨安競争 3/12(木)

イエレン・ダッシュボードは相変わらずの状況も好調維持 3/11(水)

2月の米労働市場情勢指数LMCIは低調、マーケットは無視 3/10(火)

4カ月連続で予想を上回った雇用統計後のドル円と金の反応の違い 3/9(月)

雇用統計上振れに警戒された過剰反応、賃金上昇率低迷は継続 3/7(土)


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