3月
金プラチナ短期相場観
金相場は月末までに1170ドル以下、さもなくば5月に大幅下落
更新日：2015年4月23日(木)
22日のNY市場、金相場は1.35％の大幅反落。ややドル高の流れと株価の堅調推移によって予定通り？の軟調推移で1,190ドル台半ばへと水準を切り下げると、米3月の中古住宅販売件数が予想を上回る好結果となり、さらに下落。勢い余ってレンジ下限の1,190ドルを突き抜けて3月末以来3週間ぶりとなる安値水準へ。その3月末水準1,180ドル前半がサポート水準となって早々に1,190ドル以上に戻すならレンジ回帰の可能性も残るも、流れは売り方向へと傾斜。当面の下値目標は1,150ドル近辺。
この後想定されるシナリオとしては、月末のFOMCへの警戒感から徐々に上値も重くなり、下値を試す展開が優勢となりそうです。
今回のFOMCでは大きな変更は予想されないものの、6月以降の利上げの可能性が大きく後退したわけではないこと、初回利上げ後は段階的に利上げが進む訳ではなく、再び利下げするようなケースも含め、スローペースでの利上げフェーズとなる見込み、などが示されることが予想されます。
ややタカ派寄り、と受け止められれば軟調推移の金相場は水準を切り下げ、当面の目標水準となる1,150ドル近辺まで到達することも十分に考えられます。
その後、日銀金融政策決定会合では物価見通しは弱気修正となったとしても追加緩和はないものと予想されます。これが意外と失望売りを誘い、FOMC後のドル高円安の流れが巻き戻され、売られた金も買い戻しへ。
結果的に、昨年11月6日終値1,142.6ドル（安値は7日の1,130.4ドル）、今年3月17日安値1141.6ドル、に続く安値となる1,150ドル前後まで下げたNY金相場は、トリプルボトムをつけた形でいったんは反発基調が強まることも予想されます。（ここまでの半年間チャート）
もし、そうでない場合、例えば月末までのNY金相場の水準が、1170ドル台後半までにとどまった場合、4月の月間値幅は47ドル程度にとどまります。月間変動率は4％を下回ることになり、「月間変動率が4％を下回った翌月は大幅下落」となる、NY金相場のアノマリーどおりの展開が5月に現実味を帯びることになります。
プラチナ相場も1.98％の大幅反落。既に下向き始めていた流れが金の下落によって急加速。3月30日以来の1,130ドル割れとなり、その時の水準1,116ドルをやや下回り、1,110ドル割れ水準辺りまでの下落も見込まれそう。
ドル円相場は0.21％のドル高円安で3日続伸。欧州時間以降の堅調推移と米住宅関連指標の上振れで120ドル手前まで上昇。今朝にかけても120ドルラインでの攻防が継続し、ようやく1週間ぶりに120円台を回復する場面も。レンジのなかでも流れは徐々にドル高円安方向へと傾斜中。きっかけさえあれば高値再トライへと向かう可能性も。120円台半ばが当面の抵抗水準。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場4/22終値とチャート
23日の国内金価格は0.6％の反落。NY金の大幅反落を小幅な円安がサポートし、4,910円のサポートライン下限で踏みとどまる状況。円安トレンドよりもNY金の下落トレンドが強まる可能性が浮上してきたことにより、下方リスクが増大。そうなった場合、4,910円を割れると下落圧力が強まり、今年安値水準となる4,810円台付近まで下値余地が拡大する可能性も。
プラチナは1.18％の大幅反落。下落トレンドの勢いを強めながら目標水準4,700円をクリア。NYプラチナの下値余地が拡大していることから、強めの円安トレンドが発生しない限りサポートし切れない状況となる可能性も。行き過ぎ警戒水準としては4,650-60円付近も。
※参考：金プラチナ国内価格4/23とチャート
- 2015年4月23日(木)時点の相場
-
国内金 ： 4,919 円 4/23(木) ▼40(0.81％) 国内プラチナ ： 4,693 円 4/23(木) ▼56(1.18％) NY金 ： 1,186.9 ﾄﾞﾙ 4/22(水) ▼16.2(1.35％) NYプラチナ ： 1,129.7 ﾄﾞﾙ 4/22(水) ▼22.8(1.98％) ドル円 ： 119.90 円 4/22(水) ▲0.25(0.21％)
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