金プラチナ短期相場観

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執行猶予72時間、市場期待に逆行の週明けは3週連続で終止符へ

更新日:2015年7月13日(月)

ギリシャの支援協議妥結に向けての期待感が高まる週末の流れが週明けに巻き戻されるパターンは3週連続となり、ドル円は122円80銭台から50銭台へ、ユーロドルも1.1150ドル付近から1.1120ドル割れへと水準を切り下げてのスタートとなっています。日経平均も金曜引け値こそ上回っていますですが、夜間取引での2万円超えからはやや下げてのスタートとなりました。これに伴い、金相場は3週連続で前週末比小幅上昇での週明けに。
市場期待を裏切って週明けに逆行するパターンは3週連続とはなりましたが、ギリシャ情勢にも微妙な違いも生じ始め、市場の流れにも変化が見られ始めてきました。

これまでの2回は、チプラス首相の国民投票宣言、国民投票での予想外の緊縮否決というギリシャ側のアクション、動向によってEU側・債権団側、そして市場も振り回されたような形となりました。しかし今回は、ギリシャ側が直接のトリガというよりは、ユーロ圏側の事情によって市場の流れが巻き戻される状態となっています。

態度を改めてユーロ圏側に歩み寄ったギリシャの財政改革案提示により、妥結の可能性もかなり高まったと思われていたにもかかわらず、今度はギリシャを「信用出来ない」とするドイツ始め北部ユーロ圏の意向で3日以内に主要緊縮策の法制化を要求。72時間の執行猶予を与え「態度で示せ」と強要する形となっています。
ユーロ圏首脳会議は本日午前現在ではまだ継続中であり、この後最終決定が発表される見込みとはなっていますが、ドイツを始めとする強行派と、フランスなどのギリシャ擁護派との色分け状態も見られ始め、ユーロ圏内部での波風が立ち始めた様子も。
それでも今度こそ、今週中には収束方向へと進むものと思われます。

市場動向のなかでの微妙な変化としては、このところ急落気味となっていたドイツDAXは200日移動平均線で反発し始めています。NYダウも200日移動平均線での反発に向けての攻防中。
バブル相場からの急落を政府が食い止めた形になっている中国の上海総合指数も同じように200日移動平均線で反発した形となっています。
コモディティでは、貴金属は200日移動平均線を下回る軟調推移が続きますが、NY原油相場は底値から反発していた状態から、200日移動平均線にぶつかって再び反落局面を迎えています。
為替市場では、ドル円もユーロ円も、ユーロドルも90日移動平均線がサポートラインとなりつつあるようです。

週明け13日の国内金価格は0.78%高となって2営業日続伸。3週目のギリシャ情勢楽観ムード巻き戻しの週明けも円高方向への乖離は限定的となり、NY金の時間外は小幅高での推移で国内金価格を下支え。今年3度めの4800円台前半となった9日の4825円が3番底となり、反発傾向が継続。6月2日の5101円から7月9日までの下落幅276円の38.2%戻し、4930円が目先の戻りの目安。ここを超えると50%ラインと90日移動平均線が重なる4960円付近が重要な節目に。なお、先週8日時点で昨年11月7日以来8カ月ぶりに200日移動平均線を下回り、今朝時点で上抜け。国内金価格は上昇基調を続ける200日移動平均線にサポートされて長期上昇トレンドを維持した形。

プラチナも0.63%の続伸。しかし、7月2日の4613円から9日の4279円まで334円の急落に対する反発値幅は18.3%。23.6%戻しとなる4358円にも届かず、底入れの判断は微妙。今朝のNYプラチナも1020ドル台半ばでの軟調推移のスタートとなり、上値の重い展開へ。なお、200日移動平均線からの下方乖離率は3年ぶりの大きさとなる10%超えとなったところから9.6%に縮小した状態。4270円台は非常に重要な節目ライン。
※参考:金プラチナ国内価格7/13とチャート

2015年7月13日(月)時点の相場
国内金4,906 円 7/13(月) ▲38(0.78%)
国内プラチナ4,340 円 7/13(月) ▲27(0.63%)
NY金1,157.9 ドル 7/10(金) ▼1.3(0.11%)
NYプラチナ1,032.3 ドル 7/10(金) ▲9.9(0.97%)
ドル円122.83 円 7/10(金) ▲1.50(1.23%)

7/10(金)のその他主要マーケット指標

ギリシャ問題先送りによるグレグジット回避にアグリークメント 7/14(火)

執行猶予72時間、市場期待に逆行の週明けは3週連続で終止符へ 7/13(月)

結果にコミットしたギリシャ、本当にスリムになれるか 7/11(土)

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