金プラチナ短期相場観

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5年3カ月ぶり安値となった金相場は早めの大底か早すぎる下落か

更新日:2015年7月18日(土)

NY金相場は、2008年のリーマンショック後のあらゆるマーケットの暴落状態からいち早く切り返し、米国の量的緩和縮小・引き締めリスクが高まるきっかけとなった2013年5月のバーナンキショックの1カ月前には暴落し、下落基調が加速し始めていました。
米国の利上げ開始(観測)に伴うドル高トレンドやこれに伴う新興国や資源国通貨安の流れが2年以上続き、金利のつかない金の下落トレンドは足掛け4年になろうとしている現在、市場の先を読んで早めにトレンドが切り替わるNY金相場が大底をつけた、つける?可能性も高まってきたかもしれません。

採算ラインも意識される1200ドル割れ水準での推移が続き、5年3カ月ぶりの安値まで水準を切り下げてきたこと、利上げがスタートするとドル高トレンドも収束に向かうとの見方も強く、実際に過去の利上げのタイミングではそうなってきたこともあり、NY金相場の長期下落トレンドも収束に向かっている可能性は高まります。

従来なら、利上げ前倒し観測は金の売り材料となり、後退すれば買い材料となってきました。しかし、ここに来て利上げは2016年まで待つべきとするIMFの指摘やギリシャ情勢などのリスク回避的な局面でもそれほど買われないケースが目立ち始めています。
金市場が利上げを相当織り込んできていることがその理由の一つではないか、とも考えられます。

利上げ決定で一段安となり、そこから徐々に底打ち、反転へというシナリオも想定していた向きとしては、利上げ観測が延々と続く今の状況は生殺し状態とも言えます。利上げ決定までは売られやすい状況は変わらないとすれば、現時点で5年3カ月ぶりの安値水準となったことは、早すぎる下落とも言え、さらなる下落を想定しておくべき、ということになりそうです。

NY金・日足チャート 2015/6/17 - 7/1717日のNY金相場は1.05%の大幅安。米6月の消費者物価や住宅着工件数など一連の指標が好結果となったことをきっかけに急落すると一時1129.6ドルまで下落。対円を除いてドル高傾向が強まったことも影響し、その後の反発も限定的に。終値では2010年4月1日の1126.1ドル以来、5年3カ月半ぶり安値水準となる1131.9ドル。小幅続落状態となっていたなか、15日に1150ドルのサポートラインを割れたことで下落スピードが加速し、下値目標1130ドル台に早すぎる到達。短期的な達成感と昨年安値記録時の7日続落にも並んだことで、いったん底打ちとなる可能性も。
しかし、背景的には米利上げに向けた警戒感の高まりに加え、中国経済鈍化懸念に収束の気配もなく、コモディティ市場も総崩れ状態となっていることなども金相場の足を引っぱる要因となる状況が継続中。今朝時点では反発の兆しも見られないこと、昨年来安値をわずかながら更新してしまったことなどから下値警戒感も払拭し切れない状況。
週間ベースでも-26ドル(2.25%)の大幅安となり4週続落。

NYプラチナ・日足チャート 2015/6/17 - 7/17金相場以上に早すぎる下落基調が続くNYプラチナ相場も1.02%の大幅安で4日続落。15日までなんとか維持していた1020ドルの重要サポートラインが決壊したことで連日1%の大幅続落となり、1000ドルの大台ラインは心理的節目として機能せず、一時大台割れの996.3ドルまで下落。引け後には一段安となって993ドルまでさらに水準を切り下げる状況。2009年2月以来、6年5カ月ぶり安値水準の更新が続き、目標水準970ドル台へと向かう流れが急加速。
週間ベースでは-31ドル(3%)の大幅続落。

ドル円・日足チャート 2015/6/18 - 7/17ドル円は前日比ほぼ変わらずの横ばい推移。住宅関連指標の好結果に急騰する場面も見られたものの上値も限定的。124円をはさんで上下わずか31銭の値幅は今年2番めの小動き。ドル買い円売り優勢の流れは変わらず、125円台半ばを目指す流れ継続へ。
週間ベースでは+1.24円(1.01%)の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/17終値とチャート

2015年7月18日(土)時点の相場
国内金4,887 円 7/17(金) ▼6(0.12%)
国内プラチナ4,328 円 7/17(金) ▼35(0.80%)
NY金1,131.9 ドル 7/17(金) ▼12.0(1.05%)
NYプラチナ1,001.3 ドル 7/17(金) ▼10.3(1.02%)
ドル円124.06 円 7/17(金) ▼0.08(0.06%)

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