金プラチナ短期相場観

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イエレン・ダッシュボード8月版では中国リスク払拭とはいかず

更新日:2015年8月13日(木)

米労働省が発表した6月のJOLTS求人件数は524.9万件となり、市場予想の535万件を下回りました。過去最高となった5月の535.7万件からはやや減少し、3月以来の水準。それでも最高水準にあり、年間平均では前月時点の518.3万件から519.3万件に上昇し、2014年の457.9万件を大きく上回る水準。求人件数に関してはもう十分な回復レベル。
イエレン・ダッシュボード2015年8月版での回復傾向は過去最大レベルから一歩後退。
イエレン・ダッシュボード2015年8月版

※指標:リセッション前の数値(回復目安):最低値:前回→最新値と回復率
1)NFP(3カ月平均):+16.2万人:-82.6:+22.6↑+23.5 回復率107.4%
2)失業率:5%:10%:5.3%→5.3% 回復率94%
3)労働参加率:66.1%:62.6%:62.6%→62.6% 回復率0%
4)長期失業者の割合:19.1%:45.3%:25.8%↓26.9% 回復率70.2%
5)U6失業率:8.8%:17.2%:10.5%↑10.4% 回復率81.0%
6)求人率:3%:1.6%:3.6%→3.6% 回復率142.9%
7)退職率:2.1%:1.3%:1.9%→1.9% 回復率75%
8)解雇率:1.4%:2.0%:1.2%↓1.3% 回復率:116.7%
9)採用率:3.8%:2.8%:3.6%↑3.7% 回復率90%

回復率100%超はNFP、求人率、解雇率の3指標のみという状態1年以上継続。
回復率100%未達の6指標中、前月から改善したのはU6失業率と採用率の2指標。悪化したのは長期失業者の割合のみで、2カ月ぶりの水準に後退。
なお、採用率3.7%は2007年11月以来、7年7カ月ぶりの高水準となり100%回復まであと0.1ポイント。

労働参加率の最低水準での低迷状態は続き、退職率も回復途上での足踏み状態が続くものの、失業率やU6失業率に加え、採用率も改善傾向が続き、今後に期待をつなぐ結果となっています。

イエレン・ダッシュボードの回復率平均の推移 2015年8月全9指標の回復率の平均値の推移を見ると、過去最高水準となっていた前月時点の87.3%から86.3%へとやや後退。それでも2番めの高水準にあり、1年前と比較すると10%の回復率アップ。

中国リスクを払拭するような力強さこそ見られないものの、米労働市場全般がゆっくりとしたペースで改善傾向にあることは確認できる状況となっています。

NY金・日足チャート 2015/7/14 - 8/1212日のNY金相場は1.44%の大幅高となり5日続伸。2日連続となった中国の人民元切り下げに伴う世界同時株安とドル売りの流れに堅調推移。NYダウが250ドル超下落し、年初来安値目前の水準で切り返してほぼ全値戻しとなる急反発となり、ドル売りも巻き戻されるなかで、金は1125ドル付近で頭打ちとなって小幅反落。しかし、高値からの下げ幅は限定的となって1120ドル台を維持。目標水準1130ドル近辺にほぼ到達してきたことで、ここからさらに20ドルも30ドルも上値を伸ばすような流れは想定し難い。

NYプラチナ・日足チャート 2015/7/14 - 8/12プラチナ相場も5日続伸で0.77%の上昇。7月17日以来4週間ぶりの終値1000ドル台回復は惜しくもならず、それでも高値では目標水準1010ドル台寸前となる1007ドルまで上昇したことで、そろそろ上値も重くなりやすい水準に。

ドル円・日足チャート 2015/7/14 - 8/12ドル円は3日ぶりの反落で0.73%のドル安円高。2日連続の人民元切り下げを受けて進行したドル高の流れは2時間ほど継続し、125円20銭台まで上昇すると一転、ドル売りへ。株安の流れとともに下落基調はNY時間まで続いて一気に124円割れ、7月31日以来2週間ぶりの安値水準となる123円70銭台まで下落。終値ではサポートラインの124円20銭になんとか戻した格好。125円台前半が抵抗水準化しつつあり、ドル高の勢いは大きく後退、サポートライン割れなら123円前後までの下落余地。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/12終値とチャート

13日の国内金価格は3日続伸で0.69%高。7月17日以来4週間ぶりの水準を回復。6月2日の5101円から8月4日4632円までの下落幅に対する38.2%戻しライン4811円ちょうどまで上昇してきたことで、上値目標4820円台を目前に調整フェーズも入りやすくなる水準。なお、急落前のサポートライン4825円も抵抗水準となりやすく、一服感も出やすいところ。

プラチナは0.21%の小幅高で7営業日続伸。7日続伸となるのは2013年末から2014年1月半ばまでの11日続伸以来。上値目標4350円台には距離を残す状況でやや失速気味。NYプラチナの伸びもそれほど期待できない状況にあり、円安の流れ再開頼みか。
※参考:金プラチナ国内価格8/13とチャート

2015年8月13日(木)時点の相場
国内金4,811 円 8/13(木) ▲33(0.69%)
国内プラチナ4,288 円 8/13(木) ▲9(0.21%)
NY金1,123.6 ドル 8/12(水) ▲15.9(1.44%)
NYプラチナ999.9 ドル 8/12(水) ▲7.6(0.77%)
ドル円124.20 円 8/12(水) ▼0.92(0.73%)

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