金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

中国の外貨準備は過去最大の減少、金準備は3カ月連続増加

更新日:2015年9月8日(火)

中国人民銀行の8月の外貨準備は前月から939億ドル減少し、月間ベースでは過去最大の減少幅となったことが報じられています。8月の人民元切り下げ以降の金融市場混乱の影響で人民元の為替変動リスクが拡大した為、ドル売り人民元買い介入の頻度が増加しているようです。
外貨準備の減少率としては2.6%程度の減少に過ぎませんが、人民元売り圧力が強まる状況が続くようなら、為替変動の許容範囲維持の為の介入が続くことになり、現在の管理フロート制にも限界が訪れる可能性もなくはありません。変動相場制移行?に向けた過渡期の苦しみはしばらく続きそうです。

なお、中国の金準備は逆に増加しているようです。7月末の592.4億ドルから8月末には618億ドルへと増加。金相場を考慮すると、15トン程度の買い増しとなっているものと推測されます。これで中国の金準備は6月以降、3カ月連続で増加していることになります。
7月末時点で1677.4トンだった金準備は、8月末時点では1692トン程度になり、6月末からの増加量は合計34トン程度となりそうです。

世界88の国と機関がIMFへ申告している数値を集計した、世界の中央銀行の金保有ランキング最新版では、世界トータルで6月から43.58トンの増加となっています。(今回の中国8月分を除く)
中国以外で6月以降の中銀保有量が増加している国は、トルコの12.2トン増、ベネズエラの6.6トン増、BISの3トン増、ウクライナの2.2トン増、タイの1.2トン増など。中国の金準備の増加ピッチは群を抜いています。

中国の8月分15トンを加えると、6月以降の世界の金準備増加量は58トン。このうち中国の買い増し分が34トン、58.6%程度に達します。宝飾品や現物投資など、民間の金消費需要でも世界一の中国は、中央銀行の金需要でも世界の半分以上を占める金需要大国です。

ドル円・日足チャート 2015/8/7 - 9/77日の為替、ドル円は0.23%の小幅ドル高円安。東京市場朝、株高に連れて118円80銭台から119円50銭台まで上昇したのがこの日最大の値動き。NY市場がレイバーデーで休場となったこともあり、夜間にかけては119円台前半での小康状態。上海株が2.5%安でも日経平均が夜間にかけても下落しなかったことは為替のサポート材料に。しかし、短期的には円高方向優勢の状況は変わらず、118円割れ程度までの下押しの可能性は継続。120円40銭台を超えるようなら円高局面脱出も。
なお、NY金相場は時間外で1120ドルを少し割り込む水準へ、プラチナは990ドル割れへといずれもやや軟調な展開に。

8日の国内金価格は5営業日ぶりの反発で0.5%高。NY市場が休場で時間外のみの小動きとなるなか、為替が円安方向へと戻り局面を形成したことによる反発も限定的。下落トレンドの流れに変化はなく、為替と同様に弱々しい戻りの範囲内。円安方向への反発力が強まるようなら徐々に地合いも改善する可能性も。しかし、現時点では下値目標4500円割れへと下値トライ継続見込み。

プラチナは、3日ぶりの反発で0.71%高。4160円のサポートライン割れによる下値目安4090円付近をオーバーランした状態からの反発で4090円付近に戻ってきた状態。結果的に昨日の大幅下落は行き過ぎだったことに。しかし、不安定な株価に連れてNYプラチナも為替も上下にブレやすい状況は変わらず、下押し圧力優勢の状況も継続中。4000円台前半、4010円程度までの下値リスクも継続。
※参考:金プラチナ国内価格9/8とチャート

2015年9月8日(火)時点の相場
国内金4,612 円 9/8(火) ▲23(0.50%)
国内プラチナ4,085 円 9/8(火) ▲29(0.71%)
NY金1,121.4 ドル 9/7(月) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ992.4 ドル 9/7(月) +-0.0(0.00%)
ドル円119.27 円 9/7(月) ▲0.27(0.23%)

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