金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

2015年は増加見通し-世界のプラチナ需要と供給量

更新日:2015年11月20日(金)

価格低迷が続くプラチナ相場ですが、Johnson Matthey社の需給レポートによれば、2015年の世界のプラチナ供給量は181.7トンとなり、2014年に落ち込んだ159.4トンから増加、需要量も258.2トンへと増加見込みとなっています。
南アフリカでの2014年前半の長期鉱山ストの影響からは完全に脱し、電力不足や労使紛争などの問題による影響も例年に比べて軽減されていることなどが供給量増につながっているとのこと。

需要面でも、自動車触媒と各種産業用の増加分が宝飾品需要の低下をカバーする形で昨年から増加。
宝飾需要が減少していることについては、中国での宝飾品需要減の影響大。プラチナ価格の長期低迷が中国の消費者に対してのマイナス材料に。その一方でインドでの宝飾需要は増加。
価格低下の影響は、日本での投資需要増加にもつながっている模様。ただし、ETF関連では中立。

プラチナの自動車触媒需要の地域別推移 2015年今回のレポートではVWショックの影響が反映されていない可能性もありますが、2015年9月から欧州で本格適用される「ユーロ6」排ガス規制の影響により、自動車(デイーゼル車)の排ガス触媒需要増につながっているものと見られます。
世界全体のプラチナ需要の41.8%を占める自動車触媒需要を、地域別シェアで見ると、2015年の欧州は53.7tで49.8%。増加傾向にあり、2015年世界全体のプラチナ需要の20.8%は欧州のディーゼル車が占めることになります。

欧州以外では日本がこれに続き14tでシェア12.9%の減少傾向、排ガス不正問題が発覚した北米は12.4tでシェア11.5%。増加傾向ながらその規模は欧州の5分の1ほど。欧州からの輸出が多い中国では4.6t、シェア4.3%と欧州の10分の1以下。
中国経済減速がプラチナ需要に与える影響はそれほど大きくはなく、欧州での自動車販売の動向が、今後のプラチナ需要の動向を大きく左右することになりそうです。

また、2016年もプラチナ市場の供給不足は続く見込みとされ、2014-15年の2年間で仮に投資需要がゼロだったと仮定した場合でも、供給不足となっていたことは特筆すべき事、とこのレポートは結ばれています。
投機的な短期売り圧力が弱まることが、プラチナ相場底入れに向けての鍵となりそうです。
※参考:2011年以降の世界のプラチナ需給の推移

NY金・日足チャート 2015/10/21 - 11/1919日のNY金相場は前日比0.86%高。やや軟調な展開からNY時間には一時1070ドル割れを試した直後にドル売りの流れが加速したことを受けて反転、買い戻しの流れとなり1080ドル台半ばまで上昇。夏場の安値揉み合い水準下限付近となる1080ドル台を維持できるかどうかが当面の課題。

NYプラチナ・日足チャート 2015/10/21 - 11/19NYプラチナ相場は1.19%の大幅反発。アジア時間には860ドル台まで反発していた状態から再び売り込まれる展開で一時840ドル台まで下落した後、なんとか心理的節目となり得る850ドル台を回復した状態。再び売り圧力が強まる可能性も高まる月末月初に向けて少しでも水準を切り上げておきたいところだが・・・。

ドル円・日足チャート 2015/10/21 - 11/19ドル円は0.62%のドル安円高となり5日ぶりの反落。日銀の現状維持を受けての日本株売りに追随する形で123円付近まで下落したことが軟調推移のきっかけとなり、一度は反発も欧州、NY時間にかけても売り先行の展開。連日40ドル割れをうかがう原油安への警戒感もあり、FOMC議事録で12月利上げ織り込み後のドル買い一服で売り戻し優勢となった形。122円台半ばではしっかりサポートされて反発しており、124円を目指す流れは継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/19終値とチャート

20日の国内金価格は0.26%の続伸。9月の安値揉み合い水準下限付近まで回復し、下落圧力は多少弱まりつつある様子も。再び円安サポートやや優勢の状態となれば、4600円台回復、4600円台後半へともう一段の反発の可能性も。
週間ベースではわずかに-3円(0.07%)となり、5週続落。5週続落は2012年5月以来、3年半ぶり。

国内プラチナ価格は0.36%の反落。反発傾向も続かず、安値圏での揉み合い状態に。一時的な円高からの反発にサポートされそうな状況も現状では3700円前後で上値は押さえられる可能性も高く、3600円割れへと下値を試す流れとの攻防へ。
週間ベースでは-92円(2.47%)で4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格11/20とチャート

2015年11月20日(金)時点の相場
国内金4,581 円 11/20(金) ▲12(0.26%)
国内プラチナ3,637 円 11/20(金) ▼13(0.36%)
NY金1,077.9 ドル 11/19(木) ▲9.2(0.86%)
NYプラチナ858.1 ドル 11/19(木) ▲10.1(1.19%)
ドル円122.86 円 11/19(木) ▼0.77(0.62%)

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