金プラチナ短期相場観

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ひつじ辛抱の2015年 それでもドル円相場が大きく動いた10日間

更新日:2015年12月26日(土)

ひつじ(未)辛抱と言われる未年の2015年、ドル円相場は文字通り辛抱の1年となったようです。昨年末からの騰落率は12月25日までで0.47円、わずかに0.39%のドル高円安。1日当たりの平均騰落値幅は絶対値で0.44円、騰落率は0.37%と年間の数値と同水準。年間で13.7%の円安となった2014年の平均騰落率も0.34%、年間21.38%の大幅ドル高円安となった2013年の平均騰落率は0.57%ありました。
昨年から小動き傾向が強まっていたドル円相場ですが、今年も何度か大きく動く場面は見られました。ドル円相場が大きく変動した10日間とともに2015年を振り返ります。

1月16日:+1.37円(1.18%、9位)
スイスショックの翌日。リスク回避の円高からの巻戻し。116.20円から117.50円台へ。
2月6日:+1.52円(1.29%、5位)
米1月雇用統計上振れ。117.50円台から119.00円台へ。1カ月ぶりのドル高水準。
5月26日:+1.54円(1.27%、6位)
米住宅・消費関連指標など米経済好調。121.50円台から123.00円台へ。7年10カ月ぶりドル高円安水準。

※この後、6月5日発表の5月雇用統計が好結果となったことを受けてドル円は+1.22円(0.98%、19位)の上昇。124.30円台から125.50円台へ。高値では125.80円台まで上昇し、2002年6月13日以来、ほぼ13年ぶりのドル高円安水準を記録。これが2015年最高値。

6月10日:-1.67円(1.34%、4位)
黒田ショック。黒田日銀総裁の「(実質実効為替レートでは)これ以上の円安はありそうにない」発言で124.30円台から122.60円台へ。
7月8日:-1.82円(1.48%、3位)
中国株暴落。年初から6月前半までに約60%も急騰していた中国・上海総合株がこの日までに32%の暴落となったことで中国発のリスク回避懸念が急拡大。122.50円台から120.70円台へ。
7月10日:+1.50円(1.23%、7位)
ギリシャデフォルト危機収束方向へ前進。121.30円台から122.80円台へ。

8月24日:-3.66円(3.00%、1位)
中国ショック。一時1000ドル超のフラッシュ・クラッシュとなったNYダウを始め日米欧主要株は3-4%の大幅下落。VIX指数も3年10カ月ぶり高水準となる40.74へと急騰。リスク回避加速でドル円は5年3カ月ぶりの下落幅となる3%の暴落状態。122.00円台から118.40円へ。
9月1日:-1.84円(1.52%、2位)
中国ショックの余波。中国の景気減速への懸念が高まり、中国株動向にも影響を受けやすくなった日本株に連動するドル円も反落。121.20円台から119.30円台へ。
11月6日:+1.42円(1.17%、10位)
米10月雇用統計ポジティブ・サプライズ。失業率は7年半ぶりの低水準でリセッション前の水準を回復。ドル円も中国ショック直前の8月20日以来2カ月半ぶりの高水準へと急騰。121.70円台から123.10円台へ。
12月9日:-1.48円(1.21%、8位)
NY原油相場6年10カ月ぶり安値。原油価格の下落再加速で安値更新が続き、リスク回避的な株安誘引でドル売り円買いも加速、ドル円は1カ月ぶりの円高水準へと急落。122.90円台から121.40円台へ。

2位の1.52%を大きく引き離す3%の下落で1位となったのが中国ショック、2-3位も中国で今年を象徴、今後のリスク再浮上も懸念されます。なお、トップ10内では上昇と下落が半々、上位4日は下落が占める状態。

米国の利上げに伴うドル高傾向により円安もまだまだ進行の余地ありとの見方と、ドル高円安ピークは既に過ぎ去り、貿易赤字解消などを背景に円高進行との見方で正反対の方向に分かれる市場予想。市場予想が大きく割れること自体が波乱要因にもなりかねない2016年。申酉騒ぐ新年以降のドル円相場は、少なくともボラティリティが大きく拡大する可能性は見込んでおいたほうが良さそうです。

ドル円・日足チャート 2015/11/26 - 12/2525日は日本以外の主要市場はクリスマスで休場。実質東京市場のみ、しかもオープンしているだけ、の状態。そんな状態でもドル円相場はゆっくりと下値を切り下げてきた前日までの円高基調を継続、120円30銭台から一時120円割れ寸前まで下落。前日比0.15%の小幅円高となり、今年最長となる6日続落。円安トレンドが進行した2012年末以降でも続落6日は最長で、この3年間では今年4月と今回との2回のみ。ドル高円安トレンド減速を象徴する記録に。
2012年末の安倍政権誕生と日銀の金融政策期待で急速に進行し始めた円安の流れは、日銀の2度に渡る大規模緩和政策で加速、そして減速感も強まる3年め、遂に日銀緩和補完措置で自らブレーキをかけてしまった状態。2016年円高トレンド主張論には格好の材料を提供することになった年末。しかし、短期的には多少の円高余地を残す程度で、いったんは反発もしくは保ち合い傾向へと流れは変わり、実質新年モードとなる次週のNY市場から新たな展開へ?
週間ベースでは-1.05円(0.87%)の反落。

2015年12月26日(土)時点の相場
国内金4,457 円 12/25(金) ▼5(0.11%)
国内プラチナ3,682 円 12/25(金) ▲46(1.27%)
NY金1,075.9 ドル 12/24(木) ▲7.6(0.71%)
NYプラチナ884.2 ドル 12/24(木) ▲16.1(1.85%)
ドル円120.20 円 12/25(金) ▼0.18(0.15%)

12/24(木)のその他主要マーケット指標

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ひつじ辛抱の2015年 それでもドル円相場が大きく動いた10日間 12/26(土)

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