金プラチナ短期相場観

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米労働市場は初回利上げを正当化、2回め以降は中国と原油次第?

更新日:2016年1月12日(火)

労働市場情勢指数(LMCI)とFF金利の推移 2015年12月FRBが発表した米12月の労働市場情勢指数(LMCI)は+2.9。11月からは0.2ポイント上昇し、10月と同水準。10-12月の3カ月間は、雇用統計の好結果に合わせる形での大幅上方修正も含めて1月に次ぐ高水準となり、上昇傾向で2015年を終了。とりあえずは12月の初回利上げを正当化する形となっています。

2015年の推移は以下のとおり。(括弧内は前回からの修正幅)
1月:3.8(+0.4)
2月:1.8(+0.3)
3月:-0.7(+0.1)
4月:-0.4(+0.1)
5月:1.7(+0.1)
6月:1.7(-)
7月:1.3(-0.2)
8月:1.5(-0.2)
9月:1.5(-)
10月:2.9(+0.7)
11月:2.7(+2.2)
12月:2.9

年間平均は前回時点の+1.3から+1.7へと上昇。2014年平均の+5.3、2013年の+4.0など比較すると大きく見劣りする水準であることには変わりありません。それでも6カ月平均が示すように、下落トレンドからは抜け出し、今後の回復傾向を期待させる流れとなりつつあります。この傾向がしばらく続くようなら、利上げ決定のタイミングとしてはベストに近かった、と振り返ることになる可能性もありそうです。

この傾向が続くかどうかに大きく影響しそうなのは、やはり足下の中国・人民元安を発端とする中国不安に12年ぶり安値水準まで下落した原油安への警戒感。
もし、12月に利上げしていなかったとしたら、昨年9月の見送りと同様に1月も見送り決定的で、もう利上げはできないのではないか?と市場不安をさらに煽ることにもつながったかもしれません。

とりあえず足下のパニック相場が落ち着き始め、原油安も一服し、数カ月のうちに米製造業低迷の底打ちが見られるようなら、労働市場のさらなる改善も見込まれ、2回め以降の利上げ見通しが現実的となり、改めて12月利上げ開始が正当化されることになりそうです。
そうならないようなら、12月利上げ失敗論がささやかれ始めることにも・・・。

NY金・日足チャート 2015/12/9 - 1/1111日のNY金相場は0.15%の小幅続落。週末のリスク回避の流れが週明けにかけても続いたこと、上海株の大幅安などを背景に祝日の東京時間には1100ドル台の高値圏を維持。欧州・NY時間にかけては株価やドル円の持ち直しとともにやや軟調推移も1090ドル台までと底堅さが見られる状態。1090ドルから1110ドルでの保ち合い形成の動きも方向感は上向き優勢、90日移動平均線を突破できれば目標水準1130ドル方向へと加速も。

NYプラチナ・日足チャート 2015/12/9 - 1/11NYプラチナ相場は3.69%の大幅反落。年末年始の890-900ドル上抜けをかけた攻防に敗れた形で反落の兆しが見られていた状況下でも、なんとか持ちこたえていた870ドルラインを割り込んだことによって急落。9月22日(3.72%)以来の大幅下落となって下落余地850ドル程度に到達。約1カ月続いたゆるやかな上昇トレンドを終了し、新たな展開模索へ。

ドル円・日足チャート 2015/12/10 - 1/11ドル円は30銭ほど反発して7日ぶりの、2016年初のドル高円安。週明けで日本が祝日の早朝、薄商いの時間帯には一時円全面高。ストップロスを巻き込む形でドル円は116円台半ばまで急落し、昨年8月以来の安値を更新。急反発すると人民元基準値の2営業日連続の微調整を受けて117円台半ばまで切り返し。しかし、午後には人民元安進行とともに中国・上海総合指数が下落。前営業日比5%超の大幅安となったことでドル円も117円00銭台まで反落。その後は中国当局のドル売り・人民元買い介入観測によりリスク回避は緩和、NY時間にかけては一時118円まで反発、と慌ただしい一日。下ヒゲの陽線で包み線を形成し、流れとしては反発必至の状況だが。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/11終値とチャート

12日の国内金価格は1.31%の大幅安で5営業日ぶりの反落。雇用統計と3連休をはさみ、人民元安に中国株安と原油安への警戒感が続く不安定なマーケットの影響を受け、年初からの急反発の流れは節目の4500円ラインにぶつかって大きく巻き戻された形。安値圏での保ち合い状態長期化に伴い、大幅上昇、もしくは大幅下落のトレンド発生への警戒感も高まる状況。NY金の上昇トレンド加速なら上抜け再トライへ。

国内プラチナ価格は3.51%の大幅安で3日続落。NYプラチナの大幅安に連れて昨年安値3507円を突き抜け、2009年7月14日(3418円)以来、6年半ぶりの安値水準。昨年11月時点で想定された2015年安値水準3400円台前半にやや遅れて到達したことになり、2015年の下落トレンドがまだ継続中であることを確認。NYプラチナ続落への警戒感と為替円高局面からの反発動向とのせめぎ合いに。
※参考:金プラチナ国内価格1/12とチャート

2016年1月12日(火)時点の相場
国内金4,435 円 1/12(火) ▼59(1.31%)
国内プラチナ3,434 円 1/12(火) ▼125(3.51%)
NY金1,096.2 ドル 1/11(月) ▼1.7(0.15%)
NYプラチナ846.3 ドル 1/11(月) ▼32.4(3.69%)
ドル円117.75 円 1/11(月) ▲0.33(0.28%)

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