金プラチナ短期相場観

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年4回の利上げに耐えられない世界経済、米株のボラはプラチナ並に

更新日:2016年1月14日(木)

昨年秋のWSJ調査によるFOMCメンバー信頼度ランキング6位のシカゴ連銀・エバンズ総裁は、年4回の利上げは多すぎるとの認識を示し、中国の成長鈍化が世界経済に及ぼす影響について注視していることを表明。元米財務長官のサマーズ氏も、年4回の利上げに世界経済はとても耐えられない、との見方を示しています。両氏ともにインフレ目標2%到達が困難であることも指摘。
地区連銀経済報告(ベージュブック)でも、原油安の影響でエネルギー部門の大半が「さらに苦戦」し、エネルギー価格の下押し圧力が続いているとされ、「賃金圧力も比較的抑制」された状態が続いていることが示されています。

そんな先行き不透明感を裏付けるように、年初からの世界同時株安状態は収束の兆しも見えず、NYダウの年初来騰落率は-7.3%に達しています。13日には今年2度めの300ドル超、2%超の大幅安を記録しました。
NYダウの1日あたりの平均騰落率は2014年には0.5%、2015年でも0.72%に過ぎなかったのが、2016年は13日時点で1.21%に跳ね上がっています。まだ1週間余りしか経過していませんが、平均すると前日比200ドル超の上下動が毎日続いていることになります。

今年の平均騰落率1.21%という数値は、NYプラチナ相場のそれに匹敵します。
プラチナの平均騰落率も拡大傾向にあり、2014年には0.72%、相場が急落した2015年は1.03%に拡大し、今年はここまで1.21%。
米株のボラティリティがプラチナ並に拡大している現状は、FRBの年4回利上げの見通しを下げるようにと、催促相場の様相も呈しているようです。

なお、NY金相場の平均騰落率は、2014年の0.64%、2015年0.7%から若干拡大し、2016年は0.83%。急落した2013年の0.96%よりも小さく、NYダウやプラチナ相場に比べても落ち着いた状況であることを示しています。
世界のマーケットが大荒れの状況のなかでも極端な値動きが比較的少ない金相場は、安値安定期を迎えているのかもしれません。

NY金・日足チャート 2015/12/11 - 1/1313日のNY金相場は0.18%の小幅高で4日ぶりの反発。7日めにして今年初の上昇となった日本株反発の流れを受けて欧州株高、米株高の流れに対して軟調推移となった金は1080ドル台でなんとか耐える展開。しかし、12年ぶり安値からの反発を試そうとしていた原油相場が米週間在庫統計での在庫増をきっかけに急反落すると、株価も反落基調へ。最近ではほとんど無反応となっていたベージュブックにも米株は急落で反応。リスク回避の流れ再開に金は1090ドル台へと反発し、上昇基調を維持。

NYプラチナ・日足チャート 2015/12/11 - 1/13NYプラチナ相場も3日ぶりの反発で1.51%の大幅高。830ドル前半の今年安値圏でいったん反発したところからは金に追随する形で850ドル台へと急騰。週初の急反落の流れを大きく切り返すまでには至らず、下げ一服といったところ。底値圏での揉み合い状態から再び下値を試すような展開となり、830ドル台を割れた場合には800ドル付近が下値目安となることに。

ドル円・日足チャート 2015/12/14 - 1/13ドル円は前日からほぼ変わらずの117円台半ば水準。株高に連れて118円30銭台まで上昇し、株価とともに反落の往って来い。上下に振れながらも117円台半ばでも揉み合い状態が継続。リスク要因が絶えない状況下でドル高・円高地合いが続き、円安要因不足でドル円は上値が重い状態。円高方向に加速した場合には115円割れリスクも継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/13終値とチャート

14日の国内金価格は0.18%の小幅反発。4400円から4500円までの広めのレンジで保ち合い形成、9-21日移動平均線の傾斜はかなりゆるやかとなり、昨年秋以降続いてきた下落トレンドも収束方向へ。4400円の下限を維持している限りは底値揉み合いか、いったん反発か、中期的な流れも新たな展開へと向かいそうな兆しも。下限割れの場合の大幅下落リスクは継続。

国内プラチナ価格は5営業日ぶりの反発となる0.59%の上昇。円安サポートを受けての反発が期待はずれに終わり、6年半ぶりの安値水準からの反発は限定的に。逆に円高リスクが燻ぶる状況が続き、NYプラチナも堅調とは言い難い状態。急落で安値更新の翌日には1%超の急反発を繰り返してきた最近の流れにやや変調?の兆しも。短期的な下値警戒水準としては3380円程度。中長期で見ると、リーマンショック後の安値から2010年高値5466円までの76.4%戻し3114円までサポート水準候補は見当たらない状況。
※参考:金プラチナ国内価格1/14とチャート

2016年1月14日(木)時点の相場
国内金4,419 円 1/14(木) ▲8(0.18%)
国内プラチナ3,422 円 1/14(木) ▲20(0.59%)
NY金1,087.1 ドル 1/13(水) ▲1.9(0.18%)
NYプラチナ851.3 ドル 1/13(水) ▲12.7(1.51%)
ドル円117.67 円 1/13(水) ▲0.04(0.03%)

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