金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

大荒れの2016年東京市場~拡大するボラティリティ

更新日:2016年2月16日(火)

春節のアノマリーで金は4年ぶりの反発へ 2016年2月2月第2週に1800円超、11%超もの大幅下落となった日経平均は、週明け1日で1000円超、7%を超える大幅反発となり、今朝も反発基調を維持した流れが続いているようです。為替も含めて今年の東京市場はボラティリティが異常に高まっている状態が続きます。この影響を受けてNY金相場も時間外の東京・アジア時間に大きく動くケースが多々見られます。

1日あたりの平均騰落率を比較してみると、2012年以降の日経平均は0.96%の値動き(上昇、または下落)だったものが、2016年に限っては2.19%へと2.3倍に拡大しています。日本株の今年のボラティリティは突出しているようにも見えますが、通常の平均騰落率でもNYダウの倍近くあり、NYプラチナ相場と同水準です。
平年と今年との比較で見れば、NYダウでも0.58%から1.19%へと2.1倍となり、拡大率では日経平均と同水準。15日に日経平均が7.16%上昇したのは流石に異常で、この前日までの平均では拡大率は2.1倍となり、NYダウと全く同じ拡大率ということになります。
世界同時株安を象徴するように、東京市場でもNY市場でも大荒れ状態となっています。

当然のように為替もこの影響を受け、ドル円の今年の平均騰落率は0.61%と、平年0.41%の1.5倍に拡大しています。
意外に見えるのがNYプラチナで、平年なら日経平均と同水準の騰落率に対し、2016年の拡大率は1.5倍にとどまり、ドル円の拡大率と同水準。今年の荒れ方は比較的小幅となっています。
もっと意外なのはNY金。2016年の日々の騰落率は平年の1.3倍と、このなかでは最小の荒れ具合となっています。
足下のプラチナも金も反発基調となっており、下落局面よりは上昇局面のほうが比較的小幅変動となりやすいという面も影響しているものとは思われますが、大荒れの市場のなかにあってもその荒れ方が比較的小幅にとどまっているということは、従来の不安定な値動きからは、少しづつ安定方向へと流れが変わり始めているのかもしれません。

なお、2016年の平均的な値動きとしては、ドル円なら1日あたり平均前日比0.7円の上下動、金の場合は10.7ドル、プラチナは12.1ドルとなります。
最近の相場水準で見ると、国内金価格は、ドル円の平均的な上下動で28円の変動要因となり、NY金の平均的な上下動では40円の変動要因となります。平均的な値動きなら、NY金の上昇で国内金価格は10円程度上昇、NY金の下落で10程度の下落、という計算になります。
同じように、プラチナの場合は、為替の影響を21円程度受け、NYプラチナの影響は45円程度。国内プラチナ価格はNYプラチナの動向次第で20円超の影響を受けることになります。

ボラティリティが拡大し、東京市場でも大きく動く、NY金・プラチナ相場の動向は、平年にも増して国内価格の大きな変動要因となっています。

ドル円・日足チャート 2016/1/15 - 2/1515日のNY市場はプレジデンツデーで休場。東京市場での日経平均大幅反発に欧州株の大幅続伸、安倍首相の円高けん制にドラギECB総裁の「行動する」発言なども追い風となって為替はドル安の巻き戻しが進行。ドル高・円安・ユーロ安の流れとなってドル円は1.16%の大幅続伸。この2日間、厳密には2日半で4円弱もの大幅反発となり、114円70銭台まで上昇。1月末高値から2月11日安値までの38.2%戻しとなる115円00銭台も視野に。しかし、この水準までなら円高の調整範囲内。ここを超えて116円30銭台の50%ラインが円高トレンド脱出に向けてのボーダーラインに。手前には週足チャートの一目均衡表の雲の下限も115円ちょうど付近に位置し、目先の攻防ラインに。

16日の国内金価格は1.18%の大幅反落。時間外のNY金が1210ドル割れへと2%超の大幅調整となったことで1%超の円安効果帳消し分×2倍の押し下げ効果は想定の範囲内で、4800円前後の短期上値メド到達に伴う調整の範囲内。但し、上昇トレンドも1カ月続き、21日移動平均線が90日移動平均線をゴールデンクロスして上から昇順に並ぶ強気のパーフェクトオーダーを完成したことで、短期トレンド終盤となる可能性も。4700円の重要水準を割り込んだ場合には4600円台半ばへと続落の可能性、逆に4820円超えへと反発できれば短期トレンド延長で4800円台後半へ。

国内プラチナ価格は0.56%安となり、8営業日ぶりの反落。金よりも安定した状態が続き、目標水準3710円台到達後の調整幅も限定的に。ゆるやかな下落基調の90日移動平均線に上値を押さえられ、上昇基調の9-21移動平均線に下値を支えられてのゆるやかな上昇トレンドも分岐点に差し掛かってきた様子も。このまま90日移動平均線を超えられない状態が続くようなら、ズルズルと値を下げる軟調推移へと向かうことに。逆にこの節目をしっかりと上抜けることができれば、上昇トレンド再加速の可能性も高まり、3700円台後半トライへ。円安継続にNYプラチナの安定状態が続くようなら3800円台トライへと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格2/16とチャート

2016年2月16日(火)時点の相場
国内金4,758 円 2/16(火) ▼57(1.18%)
国内プラチナ3,698 円 2/16(火) ▼21(0.56%)
NY金1,239.4 ドル 2/15(月) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ958.1 ドル 2/15(月) +-0.0(0.00%)
ドル円114.57 円 2/15(月) ▲1.28(1.13%)

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