金プラチナ短期相場観

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シカゴPMIも反落、ツートップ絶不調で不透明感継続、金買いも継続

更新日:2016年3月1日(火)

シカゴPMI 2016年2月1月には55.6へと大きく反発し、復調の兆しも見え始めていたシカゴPMI(シカゴ購買部協会景気指数)の2月分は47.6へと反落。事前予想の52.5程度を大きく下回り、2カ月ぶりの節目50割れへと再び減速基調。3カ月平均で見ると3カ月連続の節目50割れ。全米第3位の大都市シカゴを含むイリノイ州、インディアナ、ミシガン州にまたがるエリアの製造業の景気も低迷状態から抜け出せない状況です。
ダラス連銀の2月製造業指数も1月の-34.6からは上昇したものの-31.8と相変わらずリセッション時の2009年以来の超低水準で、14カ月連続のマイナス圏。

これで米各地区の製造業の指数としては、NY連銀の7カ月連続マイナス圏、フィラデルフィア連銀の6カ月連続マイナス圏、リッチモンド連銀は3カ月ぶりのマイナス圏、カンザスシティ連銀は12カ月連続マイナス圏。
ほとんどの地区が2月時点ではマイナス、あるいは節目を割れ、景気減速を示す状況となりました。

この状況は米国内にとどまらず、今朝発表の中国の製造業PMIでも同様。国家統計局の指標では7カ月連続の節目50割れ、財新発表値では12カ月連続の節目割れ、と回復の兆しが見られない状態です。

牽引役であるはずの世界経済のツートップ、米中の製造業は絶不調から抜け出せず、世界経済の先行き不透明感を牽引してしまっている状況です。
金の買い圧力も一向に衰えない状況となっています。

NY金・日足チャート 2016/1/28 - 2/2929日のNY金相場は1.15%の大幅反発。中国人民銀行の預金準備率0.5%引き下げ、米2月のシカゴ購買部協会景気指数の節目50割れなどがサポート材料となって堅調推移。2月11日の急騰を起点とした三角保ち合いは月末まで継続。この間、上値トライへの勢いは萎え、反落リスクが高まりながら上値を切り下げ、しかし下値も切り上げてきれいなフラッグを形成。上下どちらへ抜けだしても相応の変動が予想される状況に。目安としては1240ドル超えで1280ドル台、1220ドル割れなら1170ドル付近がターゲットに。
月間ベースでは+118ドル(10.57%)、2012年1月(10.91%)以来4年1カ月ぶりの大幅高となって続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2016/1/28 - 2/29NYプラチナ相場は2.1%の大幅反発。直近の下値目安910ドルに対して911ドルまで下げた後は切り返す展開へ。2月11日以降続いた高値圏での保ち合い状態では、上値も下値もゆるやかに切り下がる流れで下値トライ優勢の状況。しかし、過去にはジリジリと下落して急反発というパターンも何度も見られ、今回も同じような展開となる可能性も否定できないところ。940ドル台後半へと水準を切り上げることができれば急騰局面入りで980ドル台を目指すような展開も。逆に910ドル割れへと反落なら880ドル台辺りまでの急落局面形成も。
月間ベースでは+60ドル(6.86%)の反発。

ドル円・日足チャート 2016/1/29 - 2/29ドル円は4日ぶりの反落で1.14%の大幅ドル安円高。中国株の大幅安に連れての日本株安に連動して反落、円高基調、中国の追加緩和に持ち直しも米国の指標悪化で再び軟調推移へ。今朝には112円台後半から前半と急落するなど、仕掛け的な円買いもあってG20無風通過に伴う円高圧力再燃、という状況に。先週末の大幅上昇分を帳消しにする形となり、114円台後半も見えていた円安方向への続伸期待も月初の指標を見る前にほぼ剥落。逆に112円の節目割れを警戒する状況となり、このまま割り込むようなら円高加速で下値目安は110円近辺へ。
月間ベースでは-8.36円(6.91%)、リーマンショック時の2008年10月(-7.13%)以来、7年4カ月ぶりの大幅下落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/29終値とチャート

1日の国内金価格は0.44%の反発。ドル円急反落分をNY金の大幅反発でカバー。目先はNY金の保ち合いブレイクに伴う大幅変動に付いて行く展開が予想される。上方向なら4850円台、下方向なら4720円辺りまでが当面の目安に。単体で見れば高値揉み合い状態からの反落要注意状態だが。

国内プラチナ価格は1.06%の大幅高で4日ぶりの反発。ゆるやかな下落基調が進行中との見方は変わらず、3530円辺りまでが当面の下値目安。確率は低いと思われるものの、NYプラチナの急反発、もしくは為替の円安方向への切り返しによって3640円台の抵抗水準を上抜けた場合には流れが変わる可能性も高まり、3700円近辺が目標水準に。
※参考:金プラチナ国内価格3/1とチャート

2016年3月1日(火)時点の相場
国内金4,803 円 3/1(火) ▲21(0.44%)
国内プラチナ3,627 円 3/1(火) ▲38(1.06%)
NY金1,234.4 ドル 2/29(月) ▲14.0(1.15%)
NYプラチナ934.3 ドル 2/29(月) ▲19.2(2.10%)
ドル円112.68 円 2/29(月) ▼1.30(1.14%)

2/29(月)のその他主要マーケット指標

米ISM製造業景況指数は底入れの兆しも世界的低迷続く製造業PMI 3/2(水)

シカゴPMIも反落、ツートップ絶不調で不透明感継続、金買いも継続 3/1(火)

下落トレンドを抜け出した国内金価格、抜け切れないプラチナ 2/29(月)

「中期的に2%」に向けて大きく動き出したPCEデフレーター 2/27(土)

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