金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

予想外の賃金上昇率急落に金もプラチナも想定外のピッチで急騰

更新日:2016年3月5日(土)

米国の平均時給と賃金上昇率 2016年2月2月の米雇用統計で、平均時給は25.35ドルとなり、まさかの前月比-0.12%と減少。2014年12月(-0.28%)以来、1年2カ月ぶりの落ち込みに。1年ぶりの大幅増となった1月の前月比+0.48%からの反動も想定されたものの、事前予想の+0.2%に反してのマイナスには市場だけでなくFRB関係者にとってもサプライズとなった可能性も。
前年同月比でも1月の+2.50%から+2.22%へと急落、2015年6月(2.00%)以来、8カ月ぶりの低水準に。昨年後半に急上昇した賃金上昇率は10月には前年比+2.56%、11月は+2.39%、12月には+2.64%と2.5%近辺での推移が続き、12月利上げスタート決定の大きな支援材料となっていたはず。今回の結果によって、上昇基調を示していたトレンド・ラインを割り込んだ形となり、急落が一時的か、それとも前月までの高水準が一時的だったのか、次月以降の動向を見ないことには金融政策の見通しを立てることもできない状況となってきました。
もし、従来の2%前後の水準へと逆戻りするような事態となれば、米株の反発基調にも支障を来すことにもなりそうです。

その他の指標では、労働参加率が3カ月連続の上昇で62.9%へと改善、広義の失業率、U6失業率も4カ月ぶりの改善で9.7%へと低下。長期失業者の割合は半年ぶりの水準となる27.7%へと悪化。NFPと失業率の好調維持と合わせ、全体的には好調とも言える2月の雇用統計は、賃金低下によって米国経済と米ドル、利上げを支持する一部のFRB関係者と市場参加者、円安を期待する日本の一部の市場参加者の期待を裏切る結果となりました。

想定外のピッチで急騰したNY金とプラチナ相場は、短期的にはともかく、当面の利上げ見送りを好感した安定推移が見込まれる状況となってきたようです。

NY金・日足チャート 2016/2/3 - 3/44日のNY金相場は3日続伸で0.99%の大幅高。強弱入り交じる結果となった2月雇用統計には乱高下の反応、1260ドル付近から1250ドルまで急落後に切り返すと昨年2月3日(1286.5)以来の高値となる1280.7ドルまで上昇。前日の三角保ち合い上方ブレイクに伴い、買われやすくなっていたことによる急加速で目標水準1280ドルへと早々の到達。終値でも2月2日(1276.9)以来1年1カ月ぶり高値となったものの、短期的にはダイバージェンスを示す状態となり急反落への警戒感は一段と高まる状況。今朝にかけては1260ドルまで水準を切り下げ、実質的な足型も高値圏での十字線となり、反落を示唆。調整の目安は最大で1220ドルのサポートライン付近まで。中期的な堅調状態はしばらく継続へ。
週間ベースでは+50.3ドル(4.12%)の大幅高で3週間ぶりの反発。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/3 - 3/4NYプラチナ相場は4.63%の大幅続伸。雇用統計直後の金の急落局面にはほぼ追随せず、その後の急上昇には同調、株高の流れや南アランド急騰の流れも好感する形で昨年10月30日(989.1)以来、4カ月ぶりの高値水準へ。1日の上昇率としては2012年6月29日(62.7ドル、4.52%)以来3年8カ月ぶりの急騰。じわじわと下値を切り下げながらも3週間耐え続けた保ち合い状態から、940ドル台半ばから後半の壁を突破したことにより勢いが一気に加速した形となり、上値目標980ドルへと到達。また、2014年8月以来、1年7カ月ぶりに200日移動平均線を上抜けたことで中長期的な流れも変わり始めた可能性も。短期的にはいよいよ大台の1000ドル台回復も意識されるが、若干の調整も見込まれるところ、目安としては960ドル付近も。
週間ベースでは+71.2ドル(7.78%)の大幅反発。

ドル円・日足チャート 2016/2/4 - 3/4ドル円は0.13%の小幅ドル高円安。ファーストインプレッションでNFP上振れを好感したドル買いも113円80銭台から114円20銭台までと限定的、賃金上昇率低下を嫌気した売りで急反落も113円10銭台で下げ止まり、底堅さも見られる状態。しかし結局この日も114台を維持できずに113円台へ。3月利上げ見送り確実の状況にドル全面安となり、ドル円の上値が重い状態は継続も短期的な流れはドル高方向やや優勢を維持し、2番底から下値を切り上げる形。114円の抵抗線突破出来れば115円付近のネックラインを超え、115円半ばまでの反発余地。逆に113円前半へと反落の展開となれば111円台半ばが下値目安となって3番底を付けに行く可能性も。
週間ベースでは-0.16円(0.14%)と小幅反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/4終値とチャート

2016年3月5日(土)時点の相場
国内金4,925 円 3/4(金) ▲74(1.53%)
国内プラチナ3,704 円 3/4(金) ▲52(1.42%)
NY金1,270.7 ドル 3/4(金) ▲12.5(0.99%)
NYプラチナ986.3 ドル 3/4(金) ▲43.6(4.63%)
ドル円113.82 円 3/4(金) ▲0.15(0.13%)

3/4(金)のその他主要マーケット指標

ようやくトレンド転換へと動き出したプラチナ価格 3/7(月)

予想外の賃金上昇率急落に金もプラチナも想定外のピッチで急騰 3/5(土)

ISM非製造業景況指数の低下傾向は鈍化、雇用の減速傾向は加速 3/4(金)

2015年世界のプラチナ需給と2016年見通し 3/3(木)

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