金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

南アの利上げと格下げ観測にも警戒感高まるプラチナ

更新日:2016年3月15日(火)

南アフリカランドとプラチナ相場 2016年3月14日今年1月に底値をつけて反発基調が続いていたプラチナ相場と南アフリカランドは、ともに足下では失速状態となってきました。
プラチナ相場と南アフリカランド(の対ドル為替レート)の1年間の相関係数は、2015年に-0.8を下回り、ピーク時には-0.9台で推移、現状では-0.84台。逆相関の強い関係性がこの1年半余り続いています。(※チャート上での為替は上方向が南アランド高ドル安、下方向がランド安)

米FOMC直前の時期を迎え、堅調推移が続いていた金相場の調整の動きに連動する形で上昇一服のプラチナ相場。原油相場の堅調推移に牽引される形で上昇してきたコモディティや資源国通貨、これに追随してきた南アランドも足下での原油相場反落、資源国通貨反落(ドル高)とともに反落の兆し。

日銀の金融政策決定会合と米FOMCでの今後の見通し動向などが注目される今週、FOMCの翌日の17日には南ア中銀の金融政策会合も行われます。米国の利上げ見通しに伴う自国通貨安が進行してきたことで南アフリカ中銀は、昨年夏から今年1月にかけて3回の利上げを行ってきましたが、今回もまた通貨防衛の為に追加利上げを決定する可能性もありそうです。足下の南アランド反落の兆しを緩和する材料となるかもしれません。

そのいっぽうで、先日ムーディーズが南アフリカの格下げを示唆しており、実際の格下げも時間の問題とも思われます。その場合、格付け大手3社全てが投資適格の最低水準となる「BBB-」相当となり、ジャンク債への引き下げ警戒感が一段と高まることになります。財務相などからも、格下げに伴う資本流出やランド安への警戒感を懸念する発言も聞かれます。

通貨南アランドにとっては、南ア中銀の利上げは短期的にはサポート要因、南アの格下げは中期的なマイナス要因、米国の利上げ見通しは(金にとっての中期的なマイナス要因となる為)中期的なマイナス要因となりそうです。

しかし、南ア中銀の利上げによるサポートを上回る影響となりそうな、米国の利上げ見通しや南アフリカの格下げ観測というリスク要因によって、再び南アランド安への警戒感も高まる可能性もありそうです。
これに連動しやすいプラチナ相場も、再び安値トライへと向かう流れへの警戒感も高まることになります。

NY金・日足チャート 2016/2/11 - 3/1414日のNY金相場は1.14%の大幅続落。FOMC前の警戒感もあり、前週末の高値更新後の急反落の流れがNY市場で加速。高値保ち合いレンジの下限1250ドル台を割れたことにより急落すると、今朝にかけて下値目安1230ドル台へとしっかり到達。一時的には約2週間ぶり安値圏となる1229.9ドルまで下げ、昨年最安値から今年最高値までの23.6%戻しとなる1230.6ドル付近にも達したことで一服感、もしくは多少の反発も。無風通過が予想される日銀金融会合をやり過ごし、現状維持のFOMCでのFRBメンバのGDP見通し、インフレ見通し、そしてFF金利見通しに素直に反応する展開が予想される。下方向への目安としては38.2%ライン1195.2ドル付近、上方向には1270ドル台が当面の抵抗水準に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/11 - 3/14NYプラチナ相場は0.44%下落し、昨年11月以来となる5日続落。1000ドルの大台到達による達成感からの売り傾向がとまらず、今年の上昇幅に対する23.6%戻し963.9ドルを下抜けて950ドル台をうかがう展開に。金との連動性を強める現状のような場面では、金よりも値幅は比較的小さめとなりやすいものの、FOMC後には金の一段安も警戒される。それに追随し、200日移動平均線でサポートされなければ下値目安は38.2%戻しの930ドル台。上方向には1000ドルが当面の抵抗水準。

ドル円・日足チャート 2016/2/12 - 3/14ドル円は先週末からほぼ変わらずの113円80銭台を維持。資源国通貨や欧州通貨が対ドル反発傾向の巻戻しとなり、ドル高進行もドル円だけは蚊帳の外。114円の抵抗線に上値を押さえられ、下方向にも113円台半ばまでと上下わずか50銭。今年最低の小動きで、比較的荒っぽい値動きが続いた2016年の平均値幅1.35円の半分以下。日米の金融政策での今後の見通しへの反応で大きく動き出す可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/14終値とチャート

15日の国内金価格は1.43%の大幅続落。NY金の大幅安に伴い、高値保ち合いレンジ下限4880円を割れて調整局面入り。下値目安水準4820円台にもあとわずかの水準となり、NY金の一服状態継続なら、下げ止まる可能性も。逆に一段安となった場合には4800円割れへと続落の可能性も。

国内プラチナ価格は0.44%の続落。金に先行して調整局面入りした流れは金の大幅安に牽引される形でゆっくりと進行。日米金融政策会合を経て、ドル買い円売りに金売り、もしくはその逆パターンで比較的大きく動く可能性もあり、金に追随する流れを為替の逆の値動きが相殺する形となり、比較的極端な値動きにはなり難い状況も3720円前後まではコンスタントに調整局面進行の流れ。
※参考:金プラチナ国内価格3/15とチャート

2016年3月15日(火)時点の相場
国内金4,840 円 3/15(火) ▼70(1.43%)
国内プラチナ3,758 円 3/15(火) ▼13(0.34%)
NY金1,245.1 ドル 3/14(月) ▼14.3(1.14%)
NYプラチナ965.4 ドル 3/14(月) ▼4.3(0.44%)
ドル円113.82 円 3/14(月) ▲0.02(0.02%)

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