金プラチナ短期相場観

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NY連銀製造業景気指数は大幅上昇、3月以降の米製造業回復期待へ

更新日:2016年3月16日(水)

NY連銀製造業景気指数 2016年3月3月のNY連銀製造業景気指数は8カ月ぶりのプラス圏回復となる大幅上昇、2010年以降で最長の低迷期を抜け出し始めた可能性が急浮上。
市場予想では2月の-16.64からは少し回復傾向となる-10.50程度、-10以下の水準での低迷が続いていた状態から+0.62へと予想外の急上昇。8カ月連続で低下していた6カ月移動平均も2月の-12.8から-10.5へと反発し、大底をつけた可能性も高まってきました。
内訳では、新規受注が2月の-11.63から9.57へと大幅上昇で2014年9月以来1年半ぶりの高水準、出荷も-11.56から13.88となり11カ月ぶりの高水準など改善傾向が目立ちました。その一方で販売価格は-4.95から-5.94へ、雇用は-0.99から-1.98へと小幅に後退し、物価と雇用に一抹の不安を残す状態。それでも期待指数は14.48から25.52へと3カ月ぶりの水準へと上昇し、今後のさらなる改善傾向を期待させる状況となっています。最近のドル安傾向なども支援材料となっていたかもしれません。

これで米国全体の製造業の景況感が上向き始めるとは限りませんが、一部地域でも明るい兆しが見られ始めたことで、上下動を繰り返しながらも徐々に回復傾向が進む可能性も少しだけ高まったかもしれません。とりあえずは2月のISM製造業景況指数が節目の50未満で低迷中ながらも、回復の兆しを見せていたことを支持するような結果となりました。

遅くとも年後半に向けては、徐々に回復へと向かうのではないかと見ていた状況から、そのペースが若干早まることへの警戒感もやや高まります。6月利上げの確率上昇へとつながり、金の上値を押さえることにもなりそうです。しかし、利上げ確率上昇とともにドル高傾向が再び強まることは、米製造業にとってのマイナス材料となり、その回復ペースも再び鈍化、と言った展開も。

極端に一方的な流れが生じやすい最近のマーケット動向も、米国の製造業を低迷状態へと追い込んだ要因の一つとなっていたのかもしれません。

NY金・日足チャート 2016/2/12 - 3/1515日のNY金相場は1.13%の下落で3営業日連続の大幅安。3月1日(1230.8)以来2週間ぶりの安値水準へ。しかし、前日朝時点で下値目安1230ドル台到達以降は概ね横ばい推移。米小売売上高の1月分が前月比0.2%から-0.4%へと大幅下方修正され、2月の-0.1%と合わせて2カ月連続のマイナス圏となったことを受けて小幅に急騰も1240ドル手前まで、と上値も重い。年初の急騰局面に対する調整としては第1段階と言える23.6%戻し水準でいったん落ち着いた状態。今回のFOMCでの追加利上げ見送りは既に織り込み済、純粋に声明文と今後の見通しに対する反応で上下に振れる展開が予想される。やんわりと6月利上げの可能性を市場に織り込ませるような意図が示唆?された場合の下値警戒水準としては38.2%戻しとなる1195.2ドル付近、1200ドルの大台前後の水準までの調整は見ておくべきか。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/12 - 3/15NYプラチナ相場は0.58%の下落で、昨年11月(12日続落)以来の6日続落。1年半ぶりに200日移動平均線を上抜けて約2週間、再び下抜けのピンチ。現在955.7ドルに位置し、右肩下がりのままの200日線を下抜けた場合、中長期トレンド上向きへの可能性は当面先送りされることに。下値目安としては38.2%戻しとなる934.8ドル付近が候補水準。

ドル円・日足チャート 2016/2/15 - 3/15ドル円は0.57%のドル安円高で113円台前半へ。現状維持の日銀金融施策決定会合を経てやや水準を切り下げ、米小売売上高発表直後に112円60銭台まで下げたのが安値となって反発。しかし、米株が大きく値を戻す展開となったのに比べるとドル円の上値は相変わらず重い状態。112円台半ばから114円までのレンジ状態長期化でブレイク待ちへ。円安方向へと抜け出して短期トレンド発生の場合には116円半ばが目標水準に、円高方向なら110円付近が目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/15終値とチャート

16日の国内金価格は0.81%安となって3日続落、2月末以来の水準に。調整局面進行で下値目安4810円から4820円台辺りをクリアしてややオーバーラン。FOMC前に目標水準に到達してしまったことにより、もう一段の調整進行を見ておく必要が生じ、そうなる可能性のほうが、下げ止まる可能性よりもやや優勢か。1月から3月までの上昇幅に対する38.2%戻しは4729円、4700円台半ば辺りまでが目安か。

国内プラチナ価格も0.45%下げて3日続落。金の調整局面に追随し、下値目安3720円前後に向かう流れが継続。金が一段安となってそれに追随する流れがやや加速した場合の下値目安としては、3月までの上昇幅に対する38.2%戻しが3681円。
※参考:金プラチナ国内価格3/16とチャート

2016年3月16日(水)時点の相場
国内金4,801 円 3/16(水) ▼39(0.81%)
国内プラチナ3,741 円 3/16(水) ▼17(0.45%)
NY金1,231.0 ドル 3/15(火) ▼14.1(1.13%)
NYプラチナ959.8 ドル 3/15(火) ▼5.6(0.58%)
ドル円113.17 円 3/15(火) ▼0.65(0.57%)

3/15(火)のその他主要マーケット指標

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NY連銀製造業景気指数は大幅上昇、3月以降の米製造業回復期待へ 3/16(水)

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