金プラチナ短期相場観

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8年連続の3月円安と6年ぶりのプラチナ高をかけた月末の攻防

更新日:2016年3月24日(木)

8年連続の3月円安と6年ぶりのプラチナ高をかけた月末の攻防 2016年3月残り1週間となった3月。ドル円の「3月円安」記録は2009年から2015年までの7年間継続中。8年連続の「3月円安」なるか、「8年目の円高」となるか、微妙な攻防局面を迎えています。
2013年以降の円安局面では、意外にもドル円の3月の月間上昇率はそれほど大きくはなく、しかも年々その勢いも弱まり、ついには今年、23日終値時点ではマイナス圏となっています。2月終値112円68銭を一時大きく下回る水準からは回復傾向となり、昨日には一時これを上回りながらも終値では反落、今朝にはまた上抜けへとボーダーライン付近での激しい攻防が続きます。

いっぽう、NYプラチナ相場は2011年以降2015年まで5年連続で3月は下落。6年目の今年は、23日終値時点では前月末比2.84%の上昇となり、6年連続の3月プラチナ安を回避できそうにも見える状況となっています。しかし、ドル円とは逆に一時前月末比7%高まで上昇していた状態からは急速に上げ幅を削り、調整局面が加速し始めたような状態です。2月終値934.3ドル以上を残り1週間キープできるかどうかには、若干の不安要素もありそうです。
また、2014年半ば以降、2カ月続伸が一度もないNYプラチナ相場にとって、2月の大幅反発に続いて上昇することで、長期的な底入れ反発地合いを確実なものにするためには、重要な局面といえます。

8年連続の「3月円安」と「6年ぶりのプラチナ高」を達成できた暁には、2010年以来6年ぶりとなる円安プラチナ高ともなります。2011年以降の逆相関の関係が解消され、2010年に記録した国内プラチナ価格の近年最高値5466円にはまだ及ばないものの、プラチナの国内価格も再び高値トライへと向かう可能性も高まるかもしれません。

NY金・日足チャート 2016/2/23 - 3/2323日のNY金相場は1.97%の大幅反落。前日までのFOMCメンバーの相次ぐタカ派発言を背景にドル高傾向が強まる展開に軟調推移が続き、高値もみ合い水準下限となる1230ドル付近まで下落。欧州時間にはこの水準を割り込んでしまったことで下値トライの勢いが加速。これをサポートするようにセントルイス連銀ブラード総裁の「FOMCは4月に動く可能性」発言も。この方、現在タカ派ながら1カ月前には利上げに対して否定的な見解を示していたはず。どうも示し合わせたような一連の利上げ肯定発言には意図的なものを感じざるを得ない。ほぼ1カ月ぶりの安値水準となる1210ドル台まで下げたことで、水準的にはようやく調整らしい調整局面に入った、という状況か。当面の下値目標は38.2%戻し水準となる1190ドル台。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/23 - 3/23NYプラチナ相場は3.61%の大幅反落。三角保ち合い上抜けも、懸念された1000ドルの大台ライン超えに失敗して急反落、逆に下抜けへと流れは逆流。1000ドルラインが当面の厚めの抵抗水準となって下値トライへ。目安は今年の上昇幅の38.2%戻しとなる930ドル台。その手前、200日移動平均線の950ドル近辺も比較的サポートされやすい水準。

ドル円・日足チャート 2016/2/23 - 3/23ドル円は前日からほぼ変わらずの112円30銭台。ドル買い優勢の展開で112円台後半へと水準を切り上げ、セントルイス連銀ブラード総裁の「インフレオーバーシュート」懸念、「FOMC会合後の記者会見は毎回行うべき」発言などを受けて112円90銭付近まで買われたのがこの日の高値。その後は40ドル割れへと下げ幅を拡大する原油相場やこれに連れて調整的な動きが続く米株にも連れて伸び悩み。少し前までのレンジ下限112円台半ばを回復することができず、円買い優勢地合いからも抜けきれない状況か。113円台を回復できれば地合いは大きく変化し、114円が重要な抵抗水準。戻り売り再開か、突破できるかは月末の重要指標ウィークの結果次第に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/23終値とチャート

24日の国内金価格は1.78%の大幅反落。NY金の大幅調整進行に円安サポートも得られず、あえなく4810円の節目割れ。下方圧力が高まるなかでも耐えていた状態から解き放たれた形となり、短期的な下値目安4730円付近にいきなりの到達。今年の上げ幅の38.2%戻しが4729円ということもあり、適度な調整水準には達した状態。行き過ぎた場合でも4700円前後も下げ止まりやすい水準。

国内プラチナ価格は2.92%の大幅反落。連動性が高まるNYプラチナに追随する形で三角保ち合い上抜けはダマシに終わって急反落。下方向への節目3770円を大きく割り込む形で下方リスク拡大。乱高下気味の不安定な状態となり、今度は円安サポートによって再び大きく戻すような展開もあり得なくはないものの、基本線は下値トライ優勢となり、下値目安は3650円。
※参考:金プラチナ国内価格3/24とチャート

2016年3月24日(木)時点の相場
国内金4,738 円 3/24(木) ▼86(1.78%)
国内プラチナ3,729 円 3/24(木) ▼112(2.92%)
NY金1,224.0 ドル 3/23(水) ▼24.6(1.97%)
NYプラチナ960.8 ドル 3/23(水) ▼36.0(3.61%)
ドル円112.36 円 3/23(水) ▲0.03(0.02%)

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