金プラチナ短期相場観

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PCE減速でGDP予想も減速、タカ派ムードにも減速感も

更新日:2016年3月29日(火)

PCEデフレーター 2016年2月米商務省が発表した2月の個人消費支出は前月比0.1%で市場予想どおりとなったものの、1月分の+0.5%が+0.1%へと大幅下方修正。個人消費支出(PCE)の物価指数、PCEデフレーターは前年比で+1.0%と予想どおり。しかし、1月からは小幅鈍化、その1月分も+1.3%から+1.2%へと下方修正。また、食品とエネルギーを除いたPCEコア・デフレーターは市場予想の前年比+1.8%を下回る+1.7%にとどまり、1年半ぶりの高水準となった1月からは横ばい推移。12月分の+1.5%も+1.4%へと下方修正。

米GDPに大きな影響をもたらす個人消費支出の1月分が大幅に下方修正されたことを受けて、アトランタ連銀のGDPNowが示す第1四半期のGDP予想値は24日時点の+1.4%から+0.6%へと急減速。
FRBが注視するインフレ指標、PCEデフレーターも1カ月前の急加速の兆しからはやや減速状態。インフレ上昇見通しが強まりつつあり、過熱感を懸念する向きもあった状態を減速させる材料に。

結果的に加速し始めていたタカ派ムードにも減速感が漂う展開となり、ニュートラルな状態に近づく状態で改めてイエレン議長の発言への注目度が高まることになります。過度のハト派ムードが軌道修正され、今度はタカ派方向への行き過ぎも懸念された状態から、程よく中立方向に減速した状態でのイエレン議長の発言は、いつもの「指標次第」と極めて冷静に中立維持に努めようとする姿勢が予想されます。

そのなかで、垣間見られる方向性へのヒントなどを拡大解釈して一方向へと動き出す、極端な市場の流れが形成されることへの警戒感も高まります。

NY金・日足チャート 2016/2/25 - 3/283連休明け、28日のNY金相場は0.12%の小幅安となって3営業日続落。先週の流れを受け継ぐ形となった東京時間にはドル高に押されて2月22日(1202.5)以来、5週間ぶり安値となる1206ドルまで下げた後は反発基調へ。米2月の個人消費支出の下振れなども買い材料となって1223ドルまで買い戻し。市場のタカ派ムードを警戒するなかでも1200ドル台では底堅さが見られる状態。この日の下値トライと反発への流れで調整局面のピークを過ぎたような感も、イエレン議長講演や重要指標待ちとイベントのピークはこれから。タカ派支援材料があれば一時的に1200ドルの大台割れへの可能性も残る状況か。1190ドル台を下値メドとする短期下落トレンドはまだ継続中。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/25 - 3/28NYプラチナ相場も0.81%安となって3日続落。中長期的な流れを見る上で重要な200日移動平均線を3週間ぶりに下抜け、3週間ぶりの安値圏へ。一時的には939ドルまで下落し、下値目標930ドル台にタッチした形。ゆるやかな下落基調が続いている200日移動平均線に上値を押さえられる状態が続くようならもう一段の下値トライも。930ドル台で反発できなければ910ドル台が次のサポート目安に。

ドル円・日足チャート 2016/2/26 - 3/28ドル円は0.26%の小幅ドル高円安となり、昨年10月以来5カ月ぶりの7日続伸。それでも水準的には2週間ぶり高値水準とかなり控えめ。先週のタカ派優勢の流れの巻戻しとなり、欧州通貨や資源国通貨などに対してはドルが売られてドルインデックスも下落。そんななかで珍しく日本円だけが対ドルで円安。PCEデフレーター下振れ後のドル売り円買いでも113円10銭台で下げ止まって113円台半ばへと反発する底堅さも。行き過ぎた円買いの巻戻し基調も継続している様子。改めてタカ派材料に支えられ、まだ抵抗感の強い114円の節目を突破するような展開となれば、ドル高円安加速の可能性。その場合の目標水準は116円台半ばも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/28終値とチャート

29日の国内金価格は0.97%の反発。NY金が時間外に安値をつけて大きく切り返したことに小幅円安サポートも加わり大幅高。結果的に直近の下値目安4730円到達による一服感と200日移動平均線にサポートされる形での折り返し。当面は4720円から4830円までのレンジを形成する可能性も、流れはまだ下方向優勢の状況か。下限割れの場合には4670円前後が新たな下値目安に、反転して上限突破の場合には流れが大きく変わり、4900円台を目指す展開へ。

国内プラチナ価格は0.71%高となり、4日ぶりの反発。NYプラチナの軟調推移を円安がカバーする形での小反発。水平状態となってきた90日移動平均線を上回る水準での推移が1カ月近く続き、中期的には堅調地合い。しかし、右肩下がりの200日移動平均線にはまだまだ遠く及ばず、長期的には軟調推移の状態。短期的には下値を試す流れが目安となる3650円の少し手前で折り返し。もう一度下値を試す余地を残しながらも90日移動平均線まででは反発することが重要で、その可能性は十分に想定される状況。上値は3840円が当面の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ国内価格3/29とチャート

2016年3月29日(火)時点の相場
国内金4,768 円 3/29(火) ▲46(0.97%)
国内プラチナ3,698 円 3/29(火) ▲26(0.71%)
NY金1,220.1 ドル 3/28(月) ▼1.5(0.12%)
NYプラチナ944.7 ドル 3/28(月) ▼7.7(0.81%)
ドル円113.44 円 3/28(月) ▲0.29(0.26%)

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