金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

資金流入がとまらない金ETFとNY金相場

更新日:2016年5月12日(木)

金ETF残高とNY金相場 2016年5月11日金ETFへの資金流入がとまりません。世界最大の金ETFとして知られるSPDRゴールド・シェアの残高は11日時点で841.92トンに達しています。これは2013年12月2日の843.2トン以来、2年5カ月ぶりの水準。4月末の802.65トンからは増加の一途で2013年12月以来の高水準を連日更新しています。
この間、NY金相場は5月2日終値で1295.8ドルの高値をつけ、若干の調整も進行していますが、それでも底堅さも見られる状況です。金ETF残高の増加がこれを支える状況となっています。
年初から見ると、金ETF残高は640トン程度から840トンまで200トンもの増加となり、この間にNY金相場は1050ドル付近から1250ドル超えへと200ドル押し上げられた格好です。

過去には、NY金史上最高値更新への急騰局面形成の初期段階、2010年3月から6月にかけて金ETFは1100トンから1300トンまで200トン急騰していました。この時のNY金相場は1100ドル付近から1250ドル辺りまで150ドルほど急騰しました。
さらに1年前、2008年末から2009年初旬までにも金ETFは800トンから1000トンまで200トン急増し、金相場は800ドルから1000ドル付近まで200ドル近く急騰する場面もありました。

もちろん、逆のケースもあります。2013年には1300トン以上あった金ETF残高が6月にかけて1000トン割れへと300トン超の急減、この時期はNY金相場の4月の暴落をはさみ、1600ドルから1200ドルまで急落局面を形成した時期でした。

ここ数カ月で金ETF残高は急増しましたが、1100トンを超える状態が続いていた2009年から2013年までと比較すると歴史的にはまだまだ低水準にあり、金相場価格のさらなる上昇を見込んでの資金流入が、今後も続く可能性は高そうです。ある程度の期間は金相場の堅調推移が続くことになるものと思われます。

ただし、いずれはその流れが逆流する時期も訪れるであろうことも警戒しておかなければなりません。
米国の利上げペースが速まることになれば、金ETFの伸びも鈍化が予想され、日欧のマイナス金利が縮小へと向うことになれば、金ETFの残高も縮小へと向かうことになるかもしれません。

NY金・日足チャート 2016/4/12 - 5/1111日のNY金相場は0.85%の反発。年初からのドル安基調の戻り反発一服となったこの日はドル全面安の流れとなり、金も買い戻しが先行。追加利上げ観測が強まらない状態が続き、金相場自体の強気見通しが広まるなかでは堅調地合いが継続。ただし、短期的な流れとしては調整フェーズを抜け切れておらず、目安となる1250ドル前後までを再度試す可能性を残しながら、1300ドルまでの高値保ち合いレンジへの回帰の動きも見られる状況。調整フェーズ終了後には、いずれは1300ドルのレンジ上限突破で1320ドル以上へと水準を切り上げる展開も予想される。

NYプラチナ・日足チャート 2016/4/12 - 5/11NYプラチナ相場は1.6%の大幅続伸。直近レンジ1050ドルから1090ドルまでの半ばまで戻し、1050ドルの節目割れは一時的な行き過ぎだった可能性が高まる状況に。しかし、短期的には金と同様、調整フェーズを抜け切れてはいない状態で、あらためて1030ドル前後までの下値トライはあり得る状況。1090ドルの上限突破なら1120ドル付近へと急騰の展開も。

ドル円・日足チャート 2016/4/12 - 5/11ドル円は0.79%のドル安円高で108円台半ばへと3日ぶりの反落。4月末の混乱期前の水準に戻ったことによる一服感からの調整の円高。4月後半の主要レンジ108円付近から109円台前半までの保ち合い状態に回帰し、しばしレンジ状態継続も予想されるところ。上抜けなら110円台半ば、下抜けなら106円台前半の安値圏が意識される展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/11終値とチャート

12日の国内金価格は前日から変わらず。連休前後の波乱相場一服で小康状態に。流れとしては短期上昇トレンド継続中にあり、当面の上値目標水準4830円台辺りを目指す可能性。しかし、NY金にしても為替にしても明確な方向感も勢いもやや萎えた状態となり、4700円から4780円付近までのレンジを抜け出すのに時間を要する可能性も。

プラチナ価格は0.61%の続伸となり、9日につけた年初来高値まで上昇。やはり上昇トレンド継続も失速気味の状態で3860円台から3950円までの高値保ち合いレンジを抜け切れず。ただし、上限ブレイク寸前の状態にあり、そのスピードはともかく上値トライ方向へと流れが傾斜していく可能性は大。そうなれば、当面の目標水準4000円の大台超えチャレンジへ。
※参考:金プラチナ国内価格5/12とチャート

2016年5月12日(木)時点の相場
国内金4,760 円 5/12(木) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,950 円 5/12(木) ▲24(0.61%)
NY金1,275.5 ドル 5/11(水) ▲10.7(0.85%)
NYプラチナ1,066.1 ドル 5/11(水) ▲16.8(1.60%)
ドル円108.40 円 5/11(水) ▼0.86(0.79%)

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