金プラチナ短期相場観

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世界のプラチナ需給 2016年第1四半期と2016年通年見通し

更新日:2016年5月17日(火)

世界のプラチナ産出量-四半期推移 2016年第1四半期WPIC(World Platinum Investment Council)のプラチナ需給レポートによると、2016年第1四半期の世界のプラチナ供給量は54.0トン(鉱山産出37.0t+在庫拠出4.7t、リサイクル12.3t)。前期比-10.8%(鉱山総供給量-14.6%、リサイクル+5.3%)、前年同期比では-6.2%(鉱山総供給-5.3%、リサイクル-9.2%)。
総需要は62.5トンとなり、前期比+9.8%、前年同期比では-0.2%。
需給バランスは8.6トンの供給不足となり、2015年第4四半期の3.6トンの供給過多からマイナス転換。

2016年通年の見通しでは、総供給量242.6トン、需要は256.8トンとなり14.2トンの供給不足。3月時点の見通し(供給249.8t、需要254.0t、4.2tの供給不足)からは供給不足が拡大。
これにより、地上在庫は2015年の74.8トンから2016年には60.7トンへ、3年連続減少見込み。

国別のプラチナ鉱山産出量の四半期推移では、南アフリカが前期比-34%、前年同期比-16%と大幅減。安全上の理由により精錬所の一時的な操業停止が繰り返されたことが原因。ロシア、ジンバブエ、北米での産出量は横ばい推移。
なお、南アフリカの2016年通年の産出量見通しとしては3月時点の134.1tから130.9tへと下方修正されたものの、2015年の138.9tからは-5.7%となり、第2四半期以降の持ち直しが見込まれる状況。

世界のプラチナ需要-四半期推移 2016年第1四半期目的別需要では、自動車触媒需要が全体の4割強を占める状態は変わらず横ばい推移。宝飾品需要が前期比-11.1%、前年同期比-20%、工業関連需要でも前期比-6.2%。前年同期比-7.3%。これをカバーしたのが投資需要で201年第4四半期の-3.3tから+4.8tへとプラス転換。地金・コインなどの現物需要は前期の6.5tから4.4tへと減少もETF関連の在庫が-10.7tから-0.8tとなり、売り越し幅が大幅縮小したことが大きく影響。
第1四半期にプラチナ相場が大底をつけて急反発したことにより、宝飾品や現物投資の消費需要が低下し、ETF関連の買い戻し急増へとつながった模様。
2016年通年見通しでは自動車触媒が3月時点の110.3tから106.5tへと小幅下方修正、宝飾需要はほぼ変わらずの90t、工業関連も49.3tでほぼ同水準、投資需要は4.0tから10.9tへと買い越し幅拡大見込み。

NY金・日足チャート 2016/4/15 - 5/1616日のNY金相場は0.12%の小幅続伸。米5月NY連銀製造業景気指数が+6.5予想に対して-9.02と大幅に下振れたことで1280ドルから1290ドルまで急騰。その後、原油が年初来高値へと上昇し、株高ドル高の流れが強まると急反落。リッチモンド連銀ラッカー総裁の6月利上げの可能性示唆発言などもあり、1270ドル台前半まで水準を切り下げた。日足ではわずかに陽線ながら長い上ヒゲを残し、上値の重さと反落の可能性も示唆。1270ドル前後での揉み合い状態のなか1250ドル前後までの下押し余地も残る状態。

NYプラチナ・日足チャート 2016/4/15 - 5/16NYプラチナ相場は0.13%の小反発。上昇局面では1070ドルの節目に届かず、下落局面では1050ドルをわずかに割れる水準まで、上値も重いが下値も意外と堅く、1050ドル台を中心に小幅レンジの保ち合い状態が継続。1070ドルの抵抗水準を上抜けて高値更新、1100ドルの大台トライへと向かう可能性よりも、再び1030ドル付近へと下値を試す可能性のほうがやや優勢、という状況か。

ドル円・日足チャート 2016/4/15 - 5/16ドル円は0.4%のドル高円安で109円台へと反発。NY連銀製造業景気指数の悪化にもわずかに10銭ほどの急落、原油高・株高の流れを好感する形でドル高円安へ。しかし、109円台で上値も押さえられ、今年の平均値幅1.23円の半分にとどまる0.62円の小動き。108円台後半を中心にくじら幕状態の保ち合いが継続し、ブレイク後の予想変動幅も徐々に拡大していく状況。現状で109円を上方ブレイクなら110円後半へ、108円半ばを下方ブレイクなら106円半ばが目標水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/16終値とチャート

17日の国内金価格は0.29%の小幅続伸。スローペースの上昇トレンド継続で3月30日(4801円)以来1カ月半ぶりの高値水準に。次なる目標はその4801円超え、その次には3月24日の4824円、そして今回の短期上値目標水準4830円台へ。目先は4750円の9日移動平均線がサポートライン候補となって徐々に水準を切り上げる展開へ。

プラチナ価格も0.41%の小幅続伸で年初来高値3950円超え再トライへ。失速状態のなかでも上抜け成功なら4000円の大台突破で4020円台辺りまで上値を伸ばす可能性も。反落警戒感も高まりつつあり、3910円の節目割れで3800円台前半へとやや大幅調整も見込まれる状態。
※参考:金プラチナ国内価格5/17とチャート

2016年5月17日(火)時点の相場
国内金4,788 円 5/17(火) ▲14(0.29%)
国内プラチナ3,934 円 5/17(火) ▲16(0.41%)
NY金1,274.2 ドル 5/16(月) ▲1.5(0.12%)
NYプラチナ1,053.5 ドル 5/16(月) ▲1.4(0.13%)
ドル円109.02 円 5/16(月) ▲0.44(0.40%)

5/16(月)のその他主要マーケット指標

PCEを牽引するCPIはやや失速、PCE2%到達の条件 5/18(水)

世界のプラチナ需給 2016年第1四半期と2016年通年見通し 5/17(火)

NYダウのヘッドアンドショルダーで世界同時株安への警戒感も 5/16(月)

米消費は第2四半期に急回復へ、しかし期待インフレ率は低迷 5/14(土)

世界の金需要 2016年第1四半期 5/13(金)


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