金プラチナ短期相場観

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審判の日、VIX指数とブックメーカーのオッズが示すEU残留?

更新日:2016年6月23日(木)

英国のEU離脱を問う国民投票当日。いよいよ審判の日が到来し、世論調査では最後までEU残留支持とEU離脱支持派の接戦が続き、一部では離脱支持優勢との結果も伝えられているのが現状です。しかし、VIX指数の動向とブックメーカーのオッズからは、EU残留の可能性が優勢となっています。

22日のVIX指数は21.17。世論調査でEU離脱支持派が急増し、EU離脱懸念が急拡大した13日の20.97を上回る水準へと再上昇、今年2月18日以来4カ月ぶりの高水準となり、警戒感の高まりを示す状況とはなっています。それでも今年高値となった2月11日の28.14よりも低水準。中国ショックで世界同時株安となった昨年8月24日の40.74と比較すると、まだまだ平常時から少し上昇した程度。
市場の警戒感はそれほど高くはない状況といえます。
また、有力ブックメーカー、ベットフェア(BetFair)のオッズはEU残留が1.32に対し、EU離脱は4.3。圧倒的に残留優勢です。

なお、今回の投票では日本の選挙のような出口調査が行われない為、開票速報もなく、日本時間24日午前6時以降、選挙区毎の開票結果が順次発表され、日本時間午前中には大勢が判明するのではないかと見られます。初期段階で発表される結果の選挙区は離脱優勢の地区との話もあり、第一報が「離脱派優勢」と伝えられる可能性もありそうです。

そんななかで、有力調査会社の一つ、ユーガブ(YouGov)というところが、実際に投票を済ませた人を対象とした世論調査結果を発表するとのことで、この調査は2014年のスコットランド独立をかけた国民投票の際にも行われて正確な結果を示したそうです。
6時過ぎには発表とみられる「ユーガブ」の結果には要注目となります。

英国内では、通貨ポンドをユーロやドルなどの外貨に交換する人たちも増え、S&Pは離脱なら英国の格付け「AAA」引き下げを示唆し、緊張感も高まります。

EU残留優勢の状況にはありそうですが、市場が予想する反対の結果となった時のテールリスクにも、十分警戒しておかなくてはならない状況とも言えます。
少し前には、ブックメーカーのオッズで5001倍をつけられていたレスターFCがプレミアリーグで優勝した例もあり、油断大敵です。

NY金・日足チャート 2016/5/23 - 6/2222日のNY金相場は0.2%の小幅安で4日続落。英国民投票前の手控えムードから上下の値幅は今年の平均20.2ドルの半分以下となる9.7ドルと最小レベルの小動き。朝6時の投票終了までは小康状態継続の可能性が高く、大勢が判明すると思われる朝6時過ぎからのボラティリティ急拡大が予想される。残留が確定的となれば下落、目安は90日移動平均線のある1250ドル近辺。勢いづいた場合には6月前半の上げ幅に対する76.4%戻しとなる1230ドル程度も。離脱確実の場合には急騰で1320ドル前後から最大では1350ドル台まで。

NYプラチナ・日足チャート 2016/5/23 - 6/22NYプラチナ相場は0.2%の小幅反発。上下の値幅は12.6ドルで今年5番目の小動き、今年の平均22ドルのほぼ半分。残留濃厚となり、金の下げ幅がそれほど大きくならなければ株高に連れての買い優勢の展開へ、現状の上値目標水準1010ドル台辺りまでの急騰も。離脱の場合には下落、目安は2月後半安値圏920ドル近辺へ。

ドル円・日足チャート 2016/5/24 - 6/22ドル円は0.33%の反落。リスク回避の流れ継続で株高に連れてNY市場では104円80銭台まで上昇。しかし、ダブルボトム形成後のネックラインがまたも抵抗水準となり、離脱支持優勢の世論調査結果なども影響して反落。今朝には一時105円手前まで急騰する場面もあり、落ち着かない状況。ポンドの大幅変動に連れてのボラティリティ拡大も予想され、残留確定で上振れなら107円半ば辺りまでは反発可能か、離脱なら急落で101円近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/22終値とチャート

23日の国内金価格は0.48%安となり3日続落。ビッグイベント前に下値目標4550円に到達し、上下どちらへも大きく振れやすい状況に。通常ならNY金の振れ幅のほうが大きくなり、これに追随するケースが多いものの、今回は為替市場のほうが荒れやすい状況。EU残留ならドル円に追随し、4600円台前半までの上昇も。離脱なら最大では今年安値付近となる4400円近辺まで下落する可能性も。ただし、株安などの勢いが拡大し、NY金の上昇幅も拡大するような展開も予想され、この場合には小幅安にとどまるか、あるいは小反発も。

プラチナ価格は0.34%の小反発。安値保ち合い形成となり、下値目安3460円近辺までの下落基調はいったんストップ。イベントドリブンの動きで残留なら少なくとも3600円台前半までの上昇は見込まれ、加速度がつけば3700円付近も。離脱の場合には3400円台前半へ、場合によっては年初来安値も視野に入る3300円台前半も。
※参考:金プラチナ国内価格6/23とチャート

2016年6月23日(木)時点の相場
国内金4,549 円 6/23(木) ▼22(0.48%)
国内プラチナ3,540 円 6/23(木) ▲12(0.34%)
NY金1,270.0 ドル 6/22(水) ▼2.5(0.20%)
NYプラチナ983.5 ドル 6/22(水) ▲2.0(0.20%)
ドル円104.39 円 6/22(水) ▼0.35(0.33%)

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