金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

雇用者数NFPの先行指数となっていた労働市場情勢指数LMCI

更新日:2016年7月12日(火)

労働市場情勢指数(LMCI)と雇用者数(NFP)3カ月平均 2016年6月米FRBが発表した6月の労働市場情勢指数(LMCI)は-1.9となり、2009年5月の-9.0以来、7年ぶりの低水準に悪化していた5月の-3.6(-4.8から上方修正)からは反発し、今年1月(1.5)以来、5カ月ぶりの水準に回復。6カ月連続マイナス圏での推移は続くものの、底入れの兆しを示唆し始めた可能性もありそうです。

雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の前月比増減数の3カ月平均の推移と合わせて、この労働市場情勢指数(LMCI)の推移を見ると、非常に似通った変動状況となっています。直近1年ほどの乖離幅拡大傾向が若干気になるところですが、この10年間のLMCIとNFP3カ月平均(3ma)の相関係数は0.787と、非常に強い相関関係を示しています。

これを見ると、LMCIはNFP3maに先行して反落、反発の動きとなり、NFP3maが追随する動きとなっています。3カ月平均なので遅行するのは当然、とも言えますが、速報値でのブレが大きい雇用統計のNFPでは方向性も読み難くなります。また、NFPは過去2カ月分が毎月修正され、年に1回過去分全般の修正が入り、LMCIも毎月過去分全般に微修正(それなりの修正幅も)もありますが、全体的な流れが極端に変わることはありません。

雇用統計NFPの先行指数とも言えるLMCIの推移を見る限り、今後もNFPの伸びはもう少し鈍化する可能性もあり、それでも近いうちに底入れする可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2016/6/9 - 7/1111日のNY金相場は0.13%の小幅安となって3営業日続落。米S&P500の過去最高値更新を始め、米英株は年初来高値更新など世界同時株高状態となるリスク選好の流れで、為替も主要通貨に対してドル高優勢の展開に金の上値は重く、1360ドル台での揉み合いから1350ドル台へと押し下げられた。それでも調整幅としては依然控えめ、再度1330ドル前後まではいつ急落してもおかしくはない状況。目先は調整継続か高値保ち合い形成の展開か。いずれ再度上値トライの流れが強まった場合には、1370ドルの節目突破で1400ドル近辺を目指す展開へ。

NYプラチナ・日足チャート 2016/6/9 - 7/11NYプラチナ相場は0.72%高となって8営業日続伸。金の下げ渋りと欧米株の堅調推移を好感する形で高値保ち合い状態から、さらにジリジリと上値を切り上げる展開となり、昨年6月10日(1115.2)以来の高値水準に。過度の買われ過ぎ状態継続からの急反落が警戒され、24日安値からの上昇幅に対する23.6%戻しとなる1070ドル辺りから、38.2%戻しとなる1050ドル付近までの調整も十分ありうる状況か。
なお、8日続伸となるのは2012年9月25日から10月4日まで以来、3年9カ月ぶり。当時は8日間で1620ドル付近から1720ドル台へと100ドル超、6.4%の上昇。今回は130ドル弱、13.2%。水準の違いこそあれ、上昇率では2倍とやり過ぎ。そして、3年9カ月前の時には1720ドル台まで上昇した8日続伸直後、1540ドル付近まで、200ドル弱の急落局面となっていた。

ドル円・日足チャート 2016/6/10 - 7/11ドル円は7営業日ぶりの反発となり、2.31%の大幅ドル高円安。4月22日(2.1%)以来の2%超となり、2014年10月31日(2.89%)以来、1年8カ月ぶりの大幅上昇。アベノミクス再始動期待で先行して上昇基調を強めていた日経平均に追随し始めたのはバーナンキ前FRB議長の日銀訪問報道あたりから。本日は安倍首相との会談も予定され、タイミング的にも市場の期待感を煽る要因の一つに。6月30日(103.19)以来の103円台をうかがう展開となり、流れが変わり始めた可能性も。103円台前半の節目を超えると、まずは104円台半ば辺りまで上値余地拡大へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/11終値とチャート

12日の国内金価格は0.7%の続伸。大幅株高・円安の流れにNY金の下げ幅も限定的となったことによる堅調推移で5月19日以来2カ月ぶりの高値水準に。NY金の調整幅拡大を警戒しながら、今朝には103円台へとさらなる円安進行の気配も見られ、もう一段水準を切り上げる可能性も。4760円の節目突破により、目先の上値余地は4800円以上4830円近辺まで。4720円が下値サポートライン、割り込んだ場合には調整局面へと巻き戻され、下値目安は4660円程度。

プラチナ価格は1.42%の大幅続伸。NYプラチナの買われ過ぎ状態を円安が増幅し、5月23日(3872)以来7週間ぶりの高値水準となり、上値目安3820円台辺りも大幅クリア。急反落への警戒感高まるNYプラチナの状況からすると、少々の円安ではサポートし切れない可能性も。ただ、チャート形状から見る次の上値目安はN計算値で算出可能な4070円台。現状では若干の続伸はあってもさらなる大幅急騰は想定し難いところだが。下方向には3750円台のサポートライン割れで3700円近辺までの調整も。
※参考:金プラチナ国内価格7/12とチャート

2016年7月12日(火)時点の相場
国内金4,771 円 7/12(火) ▲33(0.70%)
国内プラチナ3,851 円 7/12(火) ▲54(1.42%)
NY金1,356.6 ドル 7/11(月) ▼1.8(0.13%)
NYプラチナ1,108.1 ドル 7/11(月) ▲7.9(0.72%)
ドル円102.78 円 7/11(月) ▲2.32(2.31%)

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雇用者数NFPの先行指数となっていた労働市場情勢指数LMCI 7/12(火)

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