金プラチナ短期相場観

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年足チャートで見るドル円変動値幅は今世紀2番めの大幅変動

更新日:2016年7月21日(木)

今年前半のドル円相場は、1月の121円60銭台から6月の99円まで、大幅にドル安円高が進行しました。変動値幅は半年間で22円50銭ほどに達し、年間変動幅で比較すると2008年の24円75銭に次ぐ水準、今世紀2番めの大幅変動の年となることが確定しています。
年足チャートでドル円の変動幅が20円を超えたのは、2000年以降では2008年と2014年、そして今年の3回のみ。リーマンショックで大幅に円高が進行した2008年と、アベノミクス相場で急速に円安が進行した2014年、そして今年はアベノミクス相場の急速な巻戻しなどによる大幅円高が年前半に進行。年後半がスタートした現時点では、リニューアルしたアベノミクスへの再期待も高まり、年前半の行き過ぎた円高の巻き戻しが進行中。

一方的な円高となった2008年の大陰線と一方的な円安が進行した2014年の大陽線の次は、一方的な円高と一方的な円高の巻戻しによる円安との合わせ技で長めの下ヒゲを残しての陰線、となる可能性も高まりつつあるような状況です。

もし、高まりすぎた期待感が剥落するような事態となった場合には、再び円高圧力が強まり、今年の陰線部分が拡大することにはなりますが、今世紀2番めの値幅を達成済の現状からは、下ヒゲ分全てをカバーしてさらに拡大するような状況までには至らない確率も高いのではないかと思われます。

同様にNY金相場の年足チャートで年間変動幅を比較すると、今年の変動値幅は316.5ドル。半年間で今世紀6番目の水準となっています。
最も大きく動いた年は史上最高値を記録した2011年の616ドル。2番めには急落局面を形成した2013年の518ドル。大相場となったこの2年が突出し、3番目以降には、長期上昇トレンド加速局面にあった2009年の423ドル、2010年の387ドル、2008年の350ドルと続きます。

今年の金相場も、年前半だけで今世紀17年間のうちの6番目と上位に食い込む大幅変動の年となったことにより、年後半にかけては陽線の本体部分が縮小し、上ヒゲ部分が拡大する展開も予想されるところです。
しかしながら、ドル円の下ヒゲ縮小局面では金相場の上ヒゲ縮小、さらにその全てをカバーすることも想定可能で、今世紀5番目となる350ドル程度まで変動幅が拡大する可能性も、まだ十分に残されているのではないかとも思われます。
その場合、NY金相場は年内に、一時的にでも1400ドルを超える場面が訪れることになります。

NY金・日足チャート 2016/6/20 - 7/2020日のNY市場では2013年3月以来、3年4カ月ぶりの9日続伸となったダウが7営業日連続の過去最高値更新VIX指数は6営業日連続の年初来安値更新で2014年8月26日(11.63)以来1年11カ月ぶりの低水準へ。リスクオン相場は失速気味ながらも継続、NY金相場は3日ぶりの反落で0.98%安。欧州市場で加速した株高・ドル高・債券安の流れに押されて1320ドル割れ、6月28日(1317.9)以来、3週間ぶりの安値水準に。一時1312ドルまで下げ、調整局面での下値目標水準1310ドル前後にようやく到達。目先はもう一度1310ドル前後までしっかりと下げることはあっても調整局面一服となりやすい状況へ。しかし、ここから月末にかけては欧米日の金融政策ウィークとなり、イベントドリブン相場となって新たな展開へ。下方向へは5月末からの上昇値幅の半値戻し1290ドル前後までが意識され、上方向へは1330ドル台の節目超えで1360ドル付近までが当面の目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/6/20 - 7/20NYプラチナ相場は0.65%の続落。金に連れての下値トライ局面では一時7月6日(1068.0)以来2週間ぶりの1060ドル台、1069ドルまで下落し、高値保ち合い下抜けに伴う下値目安1070ドル付近にワンタッチ。しかし、終値では1090ドル台回復と相変わらずの底堅さも。今朝にかけてはやや売りに押される展開となり、改めて1070ドルから1060ドル前後まで調整幅拡大の可能性も。なお、上方向へと切り返す展開となった場合の上値余地は1140ドル台まで拡大する可能性も。

ドル円・日足チャート 2016/6/21 - 7/20ドル円は0.73%の大幅反発となり、6月10日(106.95)以来、1カ月半ぶりのドル高円安水準に。株高・債券安に金利上昇の流れにドル高地合いとなり、年内の米利上げ観測もじわじわと上昇しつつある状況などもサポート材料に。6月24日高値106円80銭付近を上抜けたことにより上方視界も開け、未明の「政府の経済対策20兆円超?」報道にも反応して一時107円台まで上昇、今朝には主要レンジを107円台へと切り上げた状態に。やや高まり過ぎた感もある財政政策と日銀期待が裏切られることなく、FOMCの見通しも改善傾向となれば、次の上値目安109円台後半を目指す流れが加速する展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/20終値とチャート

21日の国内金価格は0.6%安となり、8日ぶりの反落。ダブルボトムからの反発目安4850円台に到達したことによる達成感からの一服状態。月末にかけて、円高方向への巻戻しかNY金の調整幅拡大のどちらかが一方的に強まった場合の金価格の調整目安としては4780円程度まで、逆方向へと振れた場合の上昇局面では、4860円の節目超えで4900円が視野に。

プラチナ価格は0.3%の小反落。調整とは言えないほどの小幅下落が続き、今年高値圏での小康状態。RSI90超の異常水準を維持しながらも。南アプラチナ鉱山労使交渉への警戒感による下げ渋り。さらなる急騰か、急反落への警戒感とともに。想定される調整目安は少なくとも3850円程度か。
※参考:金プラチナ国内価格7/21とチャート

2016年7月21日(木)時点の相場
国内金4,827 円 7/21(木) ▼29(0.60%)
国内プラチナ3,962 円 7/21(木) ▼12(0.30%)
NY金1,319.3 ドル 7/20(水) ▼13.0(0.98%)
NYプラチナ1,091.5 ドル 7/20(水) ▼7.1(0.65%)
ドル円106.88 円 7/20(水) ▲0.77(0.73%)

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