金プラチナ短期相場観

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米雇用、ADPは反発の兆し、ISM雇用指数もゆるやかな回復基調

更新日:2016年8月4日(木)

ISM雇用指数とADP、NFPの推移 2016年7月7月のISM非製造業景況指数は55.5となり、市場予想の55.9程度を下回り、6月の56.5からも1.0ポイントの低下。それでも好不況の節目50を上回る水準での推移が続き、今年1-3月と5月に53ポイント前後まで低迷した時期からは水準を切り上げた状態にあり、新規受注は昨年10月(60.8)以来9カ月ぶりの高水準となる60.3へと上昇するなど、まずまずの好結果と言える状況。

そのなかで、雇用指数は6月の52.7から7月は51.4へと1.3ポイントの低下。今年2月と5月の49.7、3月の50.3に次ぐ低水準となっています。
先日発表されたISM製造業景況指数の雇用指数でも、7カ月ぶりの節目超えとなる50.4まで上昇していた6月から、7月には49.4へと反落していました。
それでもISMの雇用指数では、製造業、非製造業ともに近年では最低水準となった今年前半からは、ゆるやかな回復基調を維持する流れの範囲内にとどまっているようです。

3日発表の7月ADP雇用者数でも予想を上回り、過去2か月分も上方修正されるなどの好結果となっています。
3カ月平均では、6月の16.9万人から7月には17.9万人へと反発。冬場のピークから減速傾向が続いた状態から、6月をボトムに底を打った可能性を示す流れとなりつつあります。

最もブレが大きい雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の3カ月平均では、5月の11.4万人で底打ちし、6月には14.7万人へと反発した状態。5月がボトムではないような結果となるためには、7月分が前月比+5万人以下のネガティブ・サプライズとなるか、もしくは28.7万人と上振れた6月分が半分程度に下方修正されるような極端な結果となる必要があります。

米雇用市場は、ゆるやかな回復基調にあるのは、間違いなさそうな状況です。

NY金・日足チャート 2016/7/5 - 8/33日のNY市場では原油が40ドル台へと反発し、NYダウも8日ぶりにようやく反発。これに呼応する形でNY金相場は0.58%安となって7日ぶりの反落。短期的な上値目標1370ドル到達と終値ベースでの今年高値更新による達成感もあり、ようやく調整の動き。9日、21日移動平均線はいずれも1341ドルの同水準となり、ゴールデンクロスは保留、目先、調整幅拡大の場合にもこの近辺がサポート水準の目安に。上値トライ再開の場合、高値更新なら1390ドル前後までが目先の上値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/7/5 - 8/3NYプラチナ相場も7日ぶりの反落となり、0.21%の小幅安。調整らしい調整とは言えず、もう一段の調整が入ってもおかしくはないところ。目先の想定可能な目安としては1130ドル近辺まで(9MA:1133.2、6月24日以降の上昇幅23.6%戻し:1129.5)。しかし、RSIは過去5年間で最大となった7月14日の89.5から71.7まで低下しており、最近の過熱ぶりからは決して高すぎる状態でもない。雇用統計が予想外にネガティブなら金に追随する展開で1200ドルの大台が意識されるような展開も。

ドル円・日足チャート 2016/7/5 - 8/3ドル円は0.35%のドル高円安となって101円台回復。対ユーロなどを中心にドル高優勢も、ドル円では101円前後で揉み合う展開。ADP雇用の好結果やISM非製造業景況指数のまずまずの結果にも一時的に101円半ばまでの上昇と限定的となり、週末の雇用統計に向けての様子見ムードが漂う状況に。直近の円高目安101円付近をクリアしたことで円高圧力も一服状態となり、目先は100円台後半から102円台前半までのレンジが意識され、上抜けなら103円台後半へと反発基調、下抜けの場合には100円割れを試す展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/3終値とチャート

4日の国内金価格は0.36%の小幅続落。スローペースの軟調推移が続き、短期的な下値目安4700円前後を目指す展開が進行中。ゆるやかな下落基調にある90日移動平均線4706円もサポート水準候補に。その下4671円台でわずかに上昇傾向となりつつあった200日移動平均線もピークに達した状態。今年1月安値と3月高値を頂点とする大きな三角保ち合いを形成しており、その範囲内で6月23日から7月20日までの上昇幅に対する38.2%戻し4739円を下回り、次の目安として50%戻しとなる4703円が意識される。半値戻し付近で短期調整局面を終えられるかどうかが、今後の中期的な流れにも影響しそうな状況となり、今週末はその分岐点となりうる重要イベントに。

プラチナ価格は0.12%の小反発。短期的な上方向への勢いはほぼ失速した状態となり、今年高値圏での小さな三角保ち合いを形成しての小康状態に。ニュートラル状態からのイベント・ドリブンで上昇再開なら4120円程度が目先の上値目安となり、反落の動きとなれば3950円前後が下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート

2016年8月4日(木)時点の相場
国内金4,733 円 8/4(木) ▼17(0.36%)
国内プラチナ4,035 円 8/4(木) ▲5(0.12%)
NY金1,364.7 ドル 8/3(水) ▼7.9(0.58%)
NYプラチナ1,169.6 ドル 8/3(水) ▼2.5(0.21%)
ドル円101.25 円 8/3(水) ▲0.36(0.35%)

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