金プラチナ短期相場観

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世界の金需要 2016年第2四半期

更新日:2016年8月12日(金)

世界の金需要-四半期推移 2016年第2四半期ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が11日発表したGold Demand Trends Q2 2016によると、2016年第2四半期の世界の金需要は1050.2トン。第1四半期からは19%減少し、前年同期比では15%の増加。2016年上半期合計では、前期比5.6%の増加、前年同期比で18.1%の増加となっています。

金ETFへの資金流入が急増したことで、コインやバーなどの現物を含めた投資需要は上半期合計で1064トンとなり、需要全体のほぼ半分を占めました。投資需要の割合が宝飾品需要などを上回り、構成比で最大となるのは2四半期連続で、これまでに例がなかったこと。

世界の金投資需要 2016年第2四半期第2四半期の投資需要は、第1四半期からは27.4%減少しましたが、前年同期比では141%の増加となっています。内訳としては現物投資需要が前期比で16.7%減少し、前年同期比では1.2%の微増。金ETF関連の投資需要は、前期比では買い越し幅が35%減少したものの、2015年第2四半期から3四半期期連続売り越しとなっていた状態から買い越しへと転換し、第2四半期も200トン超の大幅買い越しが続いています。

対照的に宝飾品需要は輝きを欠いた状態が続きます。
金価格高騰が需要低下要因となり、第2四半期には前期比7.8%の減少、前年同期比では13.5%の減少となりました。
とりわけ、世界の金消費大国であるインドと中国の宝飾品需要低迷が全体需要を押し下げました。価格に敏感なインドは第1四半期からはわずかに増加しましたが、前年同期比では19.8%の減少。景気低迷の影響が見られる中国は第1四半期からも36トン減少し、前年同期比では15.1%の減少。
2015年には、インドと中国の2カ国合わせて世界の宝飾品需要の60%前後を占めていましたが、今年第2四半期にはシェア54%まで低下しています。

インドと中国の金消費需要 2016年第2四半期この傾向はコインやバーなどの現物投資需要でも同様で、インドは前年同期比-12.2%、中国は-10.9%となりました。2カ国合計での世界シェアは2015年の40%前後から、35%弱へと低下しています。

宝飾品と現物投資を合わせた消費需要としては、地政学リスクや原油安で景気低迷が続く中東でも低下しており、前年比-20%。欧州圏では横ばい状態、唯一、米国では前年同期比33%の増加となっています。

産業用の需要は横ばい推移の状態が続き、中央銀行などの公的機関の保有量としては、ベネズエラなど一部の国での大量売却もあり、買い越し幅としては減速傾向となっています。※参考:世界の金準備保有量ランキング100

供給量では、鉱山産出量は786.9トンで横ばい推移、リサイクルは327.7トンで前期比-9.2%、前年同期比では+22.6%。

今年下半期に向けては、金ETFの買い越し残高が高止まりの状態を維持できるか、そしてインドと中国の金消費需要が下げ止まるかどうかが、金相場の行方を大きく左右することになります。

NY金・日足チャート 2016/7/13 - 8/1111日のNY市場では原油相場が大幅反発。サウジアラビアのエネルギー相の石油生産量凍結協議再開を示唆する発言などをきっかけに上昇基調を強めると米株も一段高、NYダウとNASDAQ、S&P500の3指数が揃って過去最高値更新。VIX指数は今年最低水準となる11ポイント台へと低下、為替も主要通貨に対してドル高の流れが徐々に強まる展開。リスク選好の流れにNY金相場は3日ぶりの反落となって0.14%の小幅安。今朝の時間外にかけては1350ドル割れ、三角保ち合い下限付近へと軟調推移。下方向への節目1340ドルを割り込んだ場合には1320ドル前後の重要水準までの下落が見込まれ、上方向には今年高値圏1370ドル台が当面の抵抗水準としての存在感を強めそうな状況に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/7/13 - 8/11NYプラチナ相場は4日ぶりの反落で2.23%の大幅安。高値更新後の上値目安1190ドル前後への到達も瞬間的に達成し、長めの上ヒゲを残した状態で1180ドル付近を維持できる時間も限定的。ロンドン、NY市場にかけては戻り売り圧力が急速に強まり、前日急騰分を全て帳消しにしてさらに下落。しかし、今度は1140ドル台まで下げて1150ドル台へと反発しており、長めの下ヒゲを残す乱高下ぶり。目先1150ドルで足場が固まれば1150-1180ドル台の高値保ち合い形成へ。下抜けると1120ドル台も意識され、上抜けると1210ドル以上へと急騰も。

ドル円・日足チャート 2016/7/13 - 8/11ドル円は3日ぶりの反発で0.65%のドル高円安。閑散状態の東京市場から欧州市場にかけて101円台前半での膠着状態が続いた後、NY市場のドル高進行で一時102円台を回復。原油高株高の流れに加え、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁の「年内利上げはなお適切」発言もサポート材料に。短期的な流れは依然円高方向優勢ながら、この日も安値をわずかに切り上げて三角保ち合い下限に沿ってゆるやかな反発基調を維持する状態。102円台半ばと101円付近が保ち合いブレイクに向けての節目水準となり、上抜けなら104円台まで上値余地拡大、下抜けなら100円割れへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/11終値とチャート

12日の国内金価格は0.15%の小幅続落。円高リスク再燃への警戒感もいったん持ち直し、90日移動平均線付近での小康状態が継続。短期下落トレンド継続か、下げ止まって地合い改善へと流れが変わるかどうかの分岐点に。4680円台を維持する限りは徐々に下方圧力も緩和、次第に流れが変わっていく可能性も高まることに。維持できなければトレンド継続で次のターゲットは4650円前後へ。
週間ベースでは-44円(0.93%)となって3週続落。

プラチナ価格は0.52%の下落。今年高値圏からの急反落リスクを抱えたまま保ち合い状態で耐える展開。チャート形状は7月末高値を起点とする右肩下がりのフラッグを形成し、どちらかといえは急上昇の展開も予想されるところ。4040円以上へと抜け出すと流れも変わり、高値更新トライへと向かう可能性。現状は3900円台半ばまでの下落リスクも継続。
週間ではわずかに-6円(0.15%)で続落。
※参考:金プラチナ国内価格8/12とチャート

2016年8月12日(金)時点の相場
国内金4,703 円 8/12(金) ▼7(0.15%)
国内プラチナ4,014 円 8/12(金) ▼21(0.52%)
NY金1,350.0 ドル 8/11(木) ▼1.9(0.14%)
NYプラチナ1,156.7 ドル 8/11(木) ▼26.4(2.23%)
ドル円101.94 円 8/11(木) ▲0.66(0.65%)

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