金プラチナ短期相場観

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NY連銀製造業景気指数も、米経済指標は適度な下振れ続く

更新日:2016年8月16日(火)

NY連銀製造業景気指数 2016年8月8月のNY連銀製造業景気指数は-4.21となり、事前予想の+2.00を大きく下回る結果となりました。7月の+5.0予想に対する+0.55に続き、2カ月連続での予想下振れ。水準的には3カ月ぶりの分岐点割れでのマイナス圏となったものの、昨年後半から今年年初までの低迷期は脱しつつある状況にあり、6カ月平均では+0.6となって昨年7月以来13カ月ぶりのプラス圏回復。

内訳では、新規受注が7月の-1.82から+1.04へとプラス転換の回復、出荷も+0.7から+9.01へと2カ月ぶりの水準へと上昇。販売価格も+1.10から+2.06へと上昇し、4カ月ぶりの水準を回復。その反面、仕入れ価格は+16.68から+15.46へと低下し、過去5カ月間での最低水準へ。
また、雇用指数は-4.40から-1.03へと回復したものの、2カ月連続でのマイナス圏、その前の3カ月間も0から+2.08までの低水準、さらにその前7カ月はマイナス圏が続いていた状態で、力強さは見られない状況。

また、見通しを示す期待指数も+29.24から+23.74へと低下し、この半年間での最低水準。さらに雇用見通しは+1.10から-6.19へと低下、2009年3月以来7年5カ月ぶりの低水準となっていることなどが気になるところ。

先週の7月小売売上高や卸売物価指数、8月ミシガン大学消費者信頼感指数などに続き、NY連銀製造業景気指数も低調な結果となりましたが、それほど極端に悪い訳でもない、という状況です。
利上げ見通しを後押しするような材料は見当たらず、しかし、リセッションを懸念するような状況にもなく、緩和的な政策が維持されるだろうとの思惑が大勢を占める状況を支援するような、適度な下振れ状態が続きます。

NY金・日足チャート 2016/7/15 - 8/1515日は米株主要3指数が揃って最高値更新、英FTSEは10カ月ぶりの8日続伸で1年2カ月ぶりの高値水準、ドイツDAXも今年高値付近と欧米株高の流れが継続。良くも悪くもない米国経済指標が続き、利上げ観測も強まらないゴルディロックス状態が株式市場を支える日々。利上げ観測が高まらない状況は金相場の下支えにも、しかしリスク選好の状況では資金の流れは金よりも株へ。NY金相場は0.32%の小幅高となって3営業日ぶりの反発。しかしこの日の値動きは上下わずか8.2ドル、0.61%。変動率では今年最小、昨年12月31日の0.58%以来の小動きと脇役に徹する状態。調整局面の流れのなかで、1340-50ドル台の小幅保ち合い継続中。

NYプラチナ・日足チャート 2016/7/15 - 8/15NYプラチナ相場は1.15%の大幅安となって3営業日続落。7月末からの上昇値幅の大半をこの3日間で吐き出し、少し早すぎた1200ドルの大台トライ失敗後の巻戻し、1100ドル台での足場固めからやり直しの展開へ。6月24日安値955.3ドルから8月10日高値1199.5ドルまでの上昇幅に対する38.2%戻しライン1106.2ドル付近となり、中期上昇トレンド中の調整局面としては程良い水準に到達しつつある状況。

ドル円・日足チャート 2016/7/15 - 8/15ドル円は前週末から変わらず101円20銭台での横ばい推移。先週末から続く冴えない米経済指標にドルの上値が重い状態が続き、ドル円では101円をはさんでの保ち合いに終始。この8月前半は100円台後半から102円台半ばの保ち合いを形成し、足下ではそのレンジを101円から102円までに縮小し、上下どちらかへの動き出しに備えての材料待ち状態。今週のFOMC議事要旨、次週末のジャクソンホールでのイエレン議長公演などがきっかけとなってある程度の値動き拡大も見込まれそうな状況へ。下方向には100円割れ、上方向に動き出すと103円台後半辺りまでの反発も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/15終値とチャート

16日の国内金価格は4営業日ぶりの反発もわずかに0.06%の小幅高。7月20日を起点とする下落トレンドは今週でほぼ1カ月経過することになり、サイクル的にはそろそろ反転してもおかしくはない頃合い。しかし、現状は9日移動平均線の下できれいな下落基調を形成する状態。9日移動平均線超えなくしてトレンド転換なし。目先は4650円前後まで、もう一段安の展開も予想される。

プラチナ価格は0.92%安となって3日続落。7月末から約2週間4000円台での横ばい推移が続き、高値圏でのフラットな状態を描く団子天井のような形を形成してからの急落局面となり、短期的にはある程度の下落トレンド継続への可能性も示唆される状況。6月末から7月末までの1カ月間では616円の急騰局面を形成しており、38.2%下落した場合の水準は3837円。その程度までの下落は中期上昇トレンド中の調整としては妥当。
※参考:金プラチナ国内価格8/16とチャート

2016年8月16日(火)時点の相場
国内金4,678 円 8/16(火) ▲3(0.06%)
国内プラチナ3,876 円 8/16(火) ▼36(0.92%)
NY金1,347.5 ドル 8/15(月) ▲4.3(0.32%)
NYプラチナ1,116.3 ドル 8/15(月) ▼13.0(1.15%)
ドル円101.25 円 8/15(月) ▲0.00(0.00%)

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