金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

シカゴ連銀全米活動指数は1年ぶり高水準、も回復途上

更新日:2016年8月23日(火)

シカゴ連銀全米活動指数 2016年7月米シカゴ連銀が発表した7月のシカゴ連銀全米活動指数は+0.27となり、6月の+0.05(+0.16から下方修正)からは大幅上昇。昨年7月(0.34)以来、1年ぶりの高水準となり、過去平均以上の成長を示す0以上も2カ月連続。米国の経済活動は、今年前半までのやや低調となっていた状態から抜け出し始め、回復基調加速の兆しを示した状態です。
しかし、より方向性を示す3カ月移動平均では2カ月連続上昇も-0.1どまりで、昨年2月から1年半の間マイナス圏推移が続きます。

内訳では、生産・所得関連も1年ぶり高水準となる+0.23、雇用関連も6カ月ぶりの水準で2カ月連続プラス圏の+0.09と回復の兆し。売上・受注関連も昨年9月の+0.15以来10カ月ぶりのプラス圏回復で+0.01。しかし、個人消費・住宅関連は-0.06で前月から変わらず、2007年6月以降、9年1カ月連続のマイナス圏推移が続きます。
FRBの物価目標基準指標となる個人消費支出の物価指標、PCEデフレーターの数値がなかなか上向かない状態を裏付けるような状況を示しているかのようにも見えます。

また、総合指数の3カ月平均が回復基調にはあるものの、過去の水準に比べてまだ低レベルであり、回復途上であることを示す状況は、最近のNY連銀製造業景況指数ISM製造業景況指数、さらには労働市場情勢指数などでも同じような軌道を描きます。

米国経済が回復基調にあり、そろそろ利上げも可能とする見方と、まだそのレベルには達していない回復途上とする見方が分かれるのもうなずけるような状況を、これらの指標が示しているようです。

NY金・日足チャート 2016/7/22 - 8/2222日のNY金相場は0.21%の小幅続落。週末のフィッシャーFRB副議長のタカ派発言を受けての早期利上げへの警戒感から軟調推移スタート。時間外では8月8日(1335.3)以来2週間ぶりの安値水準1335ドルまで下落。しかし、これが下限となってロンドン時間にはドル高の流れ失速に伴い反発へ、NY市場では保ち合い下限となる1340ドル台を回復。ただし反発の流れ継続への材料にも乏しく、下押し圧力優勢の状況は変わらず。1340-60ドルのレンジ下抜け再トライへ向かう可能性も高まり、そうなれば少なくとも1320ドル台辺りまでの下落は見込まれる。保ち合い長期化に伴い、きっかけ次第で流れが加速した場合には1300ドルの大台ラインまで下げ幅拡大となるような展開も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/7/22 - 8/22NYプラチナ相場は0.91%の続落。1110ドルから1130ドル台までの直近保ち合いレンジ下限を割れての週明け時間外スタートでは、一時7月27日(1093.5)以来およそ4週間ぶりの安値水準となる1101ドル台まで下落。その後の反発局面でも1110ドル台以上に戻しきれず、下方向への流れが加速する可能性が高まった状態。7月の保ち合い上限水準に吸収された現状からは、7月の保ち合い下限付近となる1080ドル近辺までが当面の下値目安に。

ドル円・日足チャート 2016/7/22 - 8/22ドル円は0.12%の小幅ドル高円安で続伸。100円台後半へと窓開けスタート後の高値は東京市場での100円90銭台まで。長期的に重要な節目水準100円70銭を超えると円買い圧力が強まり、欧州市場にかけてはドル売り円買いの流れで窓埋め。NY市場では100円の大台ライン手前で持ち堪える展開と、この水準ではドル買い円売り圧力も衰えない様子。今朝には再びドル買い円売り劣勢で100円の大台ラインぎりぎりの攻防へ。週末ジャクソンホールでのイエレンFRB議長発言への期待感と、何も出ないだろうとの思惑とが交錯し、100円の大台ラインから100円70銭の長期節目水準までを中心レンジとした攻防はもうしばらく続きそうな状況。円買い圧力に耐える時間が長引くようなら、徐々に流れは反発方向へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/22終値とチャート

23日の国内金価格は0.26%の続落で6月24日(4583)以来2カ月ぶりの安値水準をさらに更新。その前日、6月23日の4549円から7月20日の4856円まで、およそ1カ月で307円上昇した後の下落基調の期間は1カ月を超え、上げ幅に対する76.4%戻し(4621円)の水準に到達し、ようやく売られ過ぎの過熱感も高まってきた状態。NY金も為替も保ち合い状態が続き、1ドル=100円手前での攻防が続く為替に連動し、4600円の節目手前での我慢の展開がもう少し続きそうな状況に。

プラチナ価格は0.5%の続落。NYプラチナのレンジ下方ブレイクの兆しに連動し、上値の重い状態が継続。右肩上がりの90日移動平均線にぶつかった状態となり、サポートされそうにも見えるが、微妙な状況。NYプラチナの下げ幅拡大ならもう一段安の展開となり、6月末から7月末までの上げ幅に対する半値戻し、3760円台辺りまでが当面の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格8/23とチャート

2016年8月23日(火)時点の相場
国内金4,624 円 8/23(火) ▼12(0.26%)
国内プラチナ3,809 円 8/23(火) ▼19(0.50%)
NY金1,343.4 ドル 8/22(月) ▼2.8(0.21%)
NYプラチナ1,108.2 ドル 8/22(月) ▼10.2(0.91%)
ドル円100.32 円 8/22(月) ▲0.12(0.12%)

8/22(月)のその他主要マーケット指標

8月のリッチモンド連銀製造業指数は3年7カ月ぶり低水準に急減速 8/24(水)

シカゴ連銀全米活動指数は1年ぶり高水準、も回復途上 8/23(火)

1ドル=100円ラインが支える国内金価格4600円の節目 8/22(月)

夏の終わりの円高警戒感、長期的に重要なドル円と金の分岐点 8/20(土)

完全雇用近づく米雇用、フィラデルフィアの雇用は7年ぶり低水準 8/19(金)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ