金プラチナ短期相場観

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米GDP速報値は2年ぶり高成長も消費低迷にクリントン・ショック

更新日:2016年10月29日(土)

ミシガン大学消費者信頼感指数 2016年10月米商務省が発表した7-9月期GDP速報値は前期比年率+2.9%となり、市場予想の+2.6%を上回って2014年7-9月期以降では最大。アトランタ連銀のGDPナウの直前予想2.1%、NY連銀のGDPナウキャストの2.2%なども大幅に上回る、予想外の好結果となりました。
しかし、個人消費は前期比年率+2.1%にとどまり、市場予想の+2.6%を下回り、前期の+4.3%からも大きく鈍化。
とりあえず直近の成長率は良好だったものの、消費低迷が今後に与える影響を考慮すると、12月利上げには問題ないものの、来年の見通しには黄色信号、という最近のムードを維持するような結果となりました。

これに同調するように、ミシガン大学消費者信頼感指数の10月確報値も予想の88.2を下回る87.2と低調な結果となりました。
速報値の87.9からも下方修正され、2015年9月(87.2)以来、1年1カ月ぶりの低水準。昨年12月FOMC時点、11月の91.3よりも大幅に悪化した状態です。
3カ月平均では2014年11月(86.8)以来、この2年間での最低水準。2015年初旬にピークをつけた消費センチメントは悪化傾向が鮮明となってます。

さらに、クリントン大統領候補のメール問題をFBIが調査再開、との報道がこの日の市場をリスクオフにムードに追いやった形となりました。
7月にはいったん終息していたはずのクリントン氏の私用メール問題が、にわかに再燃する可能性が高まったことにより、かなり後退していたトランプショックへの警戒感も再び高まることも予想され、大統領選挙直前になって不透明感も再燃の兆しです。
まさかの展開でクリントン・ショックに発展するような事態となろうものなら、トランプショック現実化を懸念することになり、市場への影響も急拡大しかねません。

事態の行方を注視することにはなりますが、現状ではこの警戒感も一時的に過ぎない可能性も残されます。
しかし、消費低迷の問題は、今後当面の米国経済への影響が懸念され、来年の利上げペース見通し押し下げや、利上げ打ち切り観測にもつながりかねない、大きな問題かもしれません。

NY金・日足チャート 2016/9/29 - 10/2828日のNY金相場は0.58%の続伸。1270ドル前後での揉み合い状態から、米GDP上振れを受けて一時1262ドルまで小幅に急落。しかしドル高の流れも続かず、金も1270ドル台へとすぐさま反発。ミシガン大消費者信頼感指数も低調となったことでしばらくはこの水準を維持した後、ドル買いの流れ再開で一時1270ドル割れ、しかしクリントン氏のメール問題再調査報道を受けて急騰。乱高下状態のなかで下値サポート水準1260ドル付近の底堅さを確認し、意外な展開で上値目標水準1280ドル台にもようやく到達。
クリントン問題の動向次第では、当面の米経済指標の多少の好結果は打ち消されてリスクオフ局面を形成する可能性も。
週間ベースでは+9.1ドル(0.72%)となり、小幅に3週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/29 - 10/28NYプラチナ相場は1.71%の大幅続伸、10月4日(990.5)以来ほぼ4週間ぶりの水準を回復。クリントン報道後は金に追随して一時990ドル手前まで急騰もやや行き過ぎの感もあり、980ドルまで失速。8月10日につけた今年最高値1199.5ドルから10月21日安値927.2ドルまでの23.6%戻しとなる991.5ドル付近にも到達したことで反発基調も一服となりやすいところ。サポート水準候補としては水平状態に移行しつつある21日移動平均線の960ドル付近。
週間では+49.1ドル(5.27%)、3カ月ぶりの大幅高で5週ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2016/9/29 - 10/28ドル円は0.5%のドル安円高となって5日ぶりの反落。米GDPの好結果には105円50銭台まで20銭ほどの急騰も、消費が低迷したことで反落すると、ミシガン大消費者信頼感指数の下振れ直後には105円ちょうど付近まで下落。しかし、ドル買い円売り圧力も意外と強く再び105円50銭台へと反発。ただし昨年高値から今年安値の23.6%戻し105円20銭台付近を超える度に上値を押さえられる展開が前日から続いており、この日も何度も上値トライに失敗。クリントン報道をきっかけに前日からのフライング気味の上昇と週末調整の格好のタイミングとなって一時104円40銭台まで大幅急落。106円台までもう一段の上昇に向けてのトレンドは維持し、次週、波乱がなければ再トライへ。
週間では+0.93円(0.89%)の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/28終値とチャート

2016年10月29日(土)時点の相場
国内金4,602 円 10/28(金) ▲43(0.94%)
国内プラチナ3,513 円 10/28(金) ▲40(1.15%)
NY金1,276.8 ドル 10/28(金) ▲7.3(0.58%)
NYプラチナ981.4 ドル 10/28(金) ▲16.5(1.71%)
ドル円104.76 円 10/28(金) ▼0.53(0.50%)

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