金プラチナ短期相場観

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労働市場情勢指数(LMCI)もようやく下落トレンド脱出の兆し

更新日:2016年12月6日(火)

労働市場情勢指数(LMCI)と雇用統計NFP-3カ月平均 2016年11月FRBが発表した11月の労働市場情勢指数(LMCI)は+1.5となり、7月(+1.7)以来4カ月ぶりの高水準。10月は+0.7から+1.4へ、9月は-0.1から+0.1へなど6月以降は合計+1.5ポイントの上方修正、1月から5月までは合計-0.5ポイントの下方修正。
6カ月平均では4月から9月までの半年間マイナス圏推移、10月に+-0.0、11月は+0.83ポイントとなり、2月(+1.13)以来、9カ月ぶりの水準を回復。

結果、近年のピークとなった2014年4月の+8.2から、上値を切り下げる下落トレンドの抵抗線をわずかに上方ブレイクした形となり、LMCIは2年半続いた下落トレンドからようやく脱出し、流れが変わり始める可能性を示したことになります。

失業率や賃金上昇率などの雇用統計や、新規失業保険申請件数などでは好調が続くなかでも、労働市場のたるみが指摘され続け、この労働市場情勢指数も冴えない状態が続いていました。これに伴い、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びも頭打ちとなり、3カ月平均で見ると高値保ち合い状態から下振れはじめ、下落基調に転じようかという状態となっていました。
足下のNFPの3カ月平均は、9月の+21.20から10月には+17.53へと急落、11月は+17.60。こちらは下げ止まっただけの状態とも言えますが、LMCIのトレンド転換への流れが続くようなら、連動性の高いNFPの3カ月平均も従来の高値保ち合い水準、20万人以上のレベル回復へと向う可能性もありそうです。

同時刻に発表された11月のISM非製造業景況指数も57.2へと上昇し、昨年10月(58.3)以来、13カ月ぶりの高水準となり、内訳の雇用指数は58.2へと急騰。これも昨年10月(58.4)以来13カ月ぶりの高水準を回復しています。

この11月は、トランプ次期政権への期待が米労働市場にも、好影響を及ぼした様子がうかがえます。
今後は、この状況が持続するのかどうか、LMCIのトレンド転換が本物かどうか、いずれもトランプ政権への期待が続くかどうか、期待が現実化するかどうかに大きく影響されることになりそうです。

NY金・日足チャート 2016/11/3 - 12/55日のNY金相場は小幅続伸も1170ドル台半ばでほぼ横ばい推移の状態。イタリア国民投票で一時的に高まったリスク回避の流れで1190ドルの高値スタート後は、巻き戻しの流れでほぼ一方的に下落。NY市場ではISM非製造景況指数の好結果を受けて2月5日(1145.5)以来、10カ月ぶりの安値水準となる1158ドルまで下落。しかし、その後は米長期金利の伸び悩みから株安ドル安の流れとなって1170ドル台へと反発。結果的に現状の保ち合い水準上限から下限割れを試して保ち合いレンジ半ばに収束。再度1160ドル半ばを割り込めば1150ドル前後まで下値を切り下げる可能性はあるものの、11月から1カ月余り続いた下落トレンドは終盤の兆しも。いずれ1190ドルの上限トライへ向うような展開へ、突破できれば1210ドル台辺りが次の上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/11/3 - 12/5NYプラチナ相場は0.63%高となって3営業日続伸。珍しく金に先行する形で短期上昇トレンドを形成し始めた状態。940ドル手前の高値スタート後の反落局面でも920ドル台半ばで切り返して一時940ドル超え、今朝のこの近辺を維持し、目先の上値目標950ドル付近までは無難にこなしそうな展開に。

ドル円・日足チャート 2016/11/4 - 12/5ドル円は0.31%のドル高円安となり、3営業日ぶりの反発。東京市場朝一の113円割れまでの急落局面は押し目買いの好機となった形で、欧州時間までに114円台を回復すると、1年1カ月ぶり高水準となったISM非製造業景況指数を好感すると114円70銭台まで急騰。しかし、これがこの日の高値となって失速すると114円を割れて113円10銭台まで急反落。その後は再び113円90銭台まで反発と荒い値動き。イタリア国民投票の影響もあったとは言え、高値圏での乱高下状態は上昇トレンド末期と急反落を思わせる怪しい動き。目先は114円台半ばが抵抗水準となり、超えると115円台半ばも視野に、113円半ばの節目を割り込むと112円台前半までは下げやすい状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/5終値とチャート

6日の国内金価格は0.56%の反落で11月15日(4560)以来、4週間ぶりの安値水準。イタリア国民投票による若干の混乱を経て、レンジ収束から抜け出したのは下方向。11月30日の4587円をわずかながらも下回ったことにより、一時的な下振れでなければ、短期的には下落トレンドを形成し始める可能性が高まった状態。目先の下値目安水準としては、大統領選後の急落局面での安値となった11月14日の4512円付近。ドル円の急反落にNY金の上昇が限定的、などのパターンで下落基調が加速した場合には4450円割れを試すような展開となる可能性も。

プラチナ価格は1.21%の大幅高で4営業日続伸。NYプラチナ相場の堅調推移に支えられて短期上値目安到達後も一段高、9月23日(3685)以来2カ月半ぶりの高値水準。中期トレンド好転をかけた次の目標水準、90日移動平均線(3674円)も一気に突破。90日移動平均線を上抜けるのは9月9日以来ほぼ3カ月ぶりとなり、この水準を維持できるようなら、移動平均線の傾きも下方向から徐々に上向きはじめ、中期的な流れが本格的に変わることに。
※参考:金プラチナ国内価格12/6とチャート

2016年12月6日(火)時点の相場
国内金4,583 円 12/6(火) ▼26(0.56%)
国内プラチナ3,683 円 12/6(火) ▲44(1.21%)
NY金1,176.5 ドル 12/5(月) ▲1.4(0.12%)
NYプラチナ938.6 ドル 12/5(月) ▲5.9(0.63%)
ドル円113.86 円 12/5(月) ▲0.35(0.31%)

12/5(月)のその他主要マーケット指標

CMEフェドウォッチの2017年利上げ見通し、1年前との違い 12/7(水)

労働市場情勢指数(LMCI)もようやく下落トレンド脱出の兆し 12/6(火)

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米11月雇用統計、予想外の賃金低下でトランプ相場にブレーキ 12/3(土)

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