金プラチナ短期相場観

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インフラ投資拡大に動き出すトランプ、米製造業の回復も加速へ

更新日:2017年1月25日(水)

日米欧の製造業PMI 2017年1月24日にマークイットと日経が発表した製造業PMIの1月速報値はいずれも好調を維持。ドイツの56.5は2014年1月以来3年ぶりの高水準となり、ユーロ圏の55.1は5年9カ月ぶりの高水準。フランスは5年7カ月ぶりの高水準となった12月の53.5からはわずかに0.1ポイント低下したものの、4カ月連続で節目50超を維持。日本の52.8も2014年3月以来2年10カ月ぶりの高水準。
そして米国は55.1となり、2015年3月以来1年10カ月ぶりの高水準へと上昇。生産も1年10カ月ぶり、新規受注は2014年9月以来2年4カ月ぶりの高水準となっています。総合指数の水準としてはユーロ圏と同水準となり、2016年初旬に逆転されたドイツを追う展開となっています。

この日発表された米リッチモンド連銀の1月製造業指数も10カ月ぶりの高水準となる+12.0へと大幅上昇しており、他の地区連銀の指数と同様に回復基調の加速を示し、雇用や見通し指数なども高水準となり、今後の期待感の高さを示す状況となっています。

トランプ大統領はこの日、カナダから米国に原油を輸送するパイプラインとノースダコタ州の石油パイプライン建設を推進する大統領令に署名し、インフラ投資拡大に向けて動き出しています。さらに、GM、フォード、フィアット・クライスラーの自動車ビッグ3のトップと会談し、規制緩和や減税を実施する意向も示した上で国内に自動車工場を建設するよう要請しました。そして、米国内製造業に対する各種承認や規制をめぐる手続きを簡素化する大統領令にも署名しています。
「米製造業の復興」に向けての強い意思と行動を見せ始めたトランプ大統領の施策により、既に十分好調な状態にあるようにも見える米製造業は、さらに加速傾向を示すことになりそうです。

この流れを好感する状況が続けば、マークイットの製造業PMIでも、まもなく米国がドイツを抜き去り、米国が世界を牽引する形を示す状態となるはずです。

NY金・日足チャート 2016/12/21 - 1/2424日のNY金相場は3日ぶりの反落で0.39%安。時間外の堅調推移で11月22日(1220.9)以来、2カ月ぶりの高値水準1220ドルにワンタッチしたのがこの日の高値となり、ドル買い戻しの流れに失速の展開。1230ドルを目指した上値トライは、警戒された1220ドルの抵抗水準が超えられず1200-1215ドルの保ち合いレンジに押し戻された格好。上値再トライへに向けては1200ドルの大台を維持できるかがポイントに。大台割れなら1170ドル台までが調整目安として意識される展開へ。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/21 - 1/24NYプラチナ相場は2.85%の大幅高となって3日続伸。トランプ大統領が米自動車メーカー大手3社とのトップ会談で大幅減税や規制緩和などへの考えを示し「国内に工場建設を」と要請したことなどを好感、自動車触媒需要増への連想でパラジウムとともにNY市場朝に急騰。ただし11月10日(1009.2)以来、2カ月半ぶりの高値水準となる1008ドルまでの上昇も一時的となり、引け後には大台割れ。上値再トライで大台回復できれば1020ドル付近までもう一段上値を伸ばすような展開も。

ドル円・日足チャート 2016/12/23 - 1/24ドル円は0.97%の大幅ドル高円安となり、3日ぶりの反発。前日までのドル売りの巻き戻しの展開となり、NY市場ではトランプ米大統領による米加パイプライン計画推進や、製造業に関する届け出簡素化に関する大統領令署名、インフラ投資拡大と規制緩和が意識され、株高と金利上昇の流れととも上値トライが加速。この日の安値112円50銭台と12日安値112円60銭台とでダブルボトム形成への可能性も。ネックラインとなる19日高値115円60銭台を突破した場合には、今年高値118円60銭台トライへ向う展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート

25日の国内金価格は0.17%の小反発。上昇トレンドの勢いは完全に削がれ、保ち合い形成に向けて足場固めができるかどうか。NY金も失速気味となり、ドル円もとりあえずは反発の域を出ず、大きな流れを形成するにはやや推進力不足となりつつある状況か。4700円台を割れても21日移動平均線辺りまででサポートされれば、再び上値トライのチャンスも訪れることに。

プラチナ価格は1.88%の大幅反発となり、8月15日(3912)以来5カ月ぶりの水準に。三角保ち合い上抜けに伴う上値目標は3950円台。NYプラチナの急騰が単発的に終わり、失速状態が続くようだと苦しい展開も。円安サポート期待もまだ心許ない状況で、ややパワー不足が懸念される状況だが。
※参考:金プラチナ国内価格1/25とチャート

2017年1月25日(水)時点の相場
国内金4,729 円 1/25(水) ▲8(0.17%)
国内プラチナ3,896 円 1/25(水) ▲72(1.88%)
NY金1,210.8 ドル 1/24(火) ▼4.8(0.39%)
NYプラチナ1,007.8 ドル 1/24(火) ▲27.9(2.85%)
ドル円113.79 円 1/24(火) ▲1.09(0.97%)

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