金プラチナ短期相場観

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シカゴPMIと消費者信頼感指数下振れ、トランプは為替へ口先介入

更新日:2017年2月1日(水)

米各地区連銀製造業PMIとISM製造業景況指数 2017年1月1月の米消費者信頼感指数は111.8となり、市場予想を下回り、15年ぶり高水準となっていた12月の113.3からも失速しました。
1月のシカゴPMIも50.3と市場予想の55.0を大きく下回り、11月の57.6から2カ月連続の急失速。
1月の各地区連銀の製造業PMIが軒並み好結果となり、2015年から2016年後半まで米国内では最も景気が悪化していたダラス地区連銀でさえこの数カ月で急回復し、1月には6年9カ月ぶりの高水準となり、最も好調なフィラデルフィア連銀とほぼ同水準となっていました。

そんな状況下で1月のシカゴPMIは予想外に8カ月ぶりの低水準まで減速、価格指数だけは高水準へと上昇し、新規受注や雇用指数は7-8カ月ぶりの低水準で節目の50以下へと低迷しています。もともと上下動の激しいこの指標は好不況の節目50割れ寸前まで低下し、他の地区に先行してトランプ期待剥落が表面化しつつあるようにも見えます。
1月のISM製造業景況指数も好結果が予想されていましたが、ここに来てにわかにマイナス面も露見された格好です。

トランプラリーとトランプ期待で全米各地区連銀の製造業景況感を下支えし、急回復をサポートしてきたトランプ政権も、期待された大型減税や財政出動に関しての言及はなく、保護主義政策に移民対応、そして為替への口先介入と、そのマイナス面だけが先行してクローズアップされる状況となり、自ら期待感剥落へと突き進む状況となってきました。

市場の期待感剥落も徐々に進行し、今後は経済指標にもその影響が及びそうな気配も漂い始め、スルスルと金価格が上昇し始めています。

NY金・日足チャート 2016/12/29 - 1/3131日のNY金相場は1.29%の大幅続伸で1週間ぶりの1200ドル台へ。この日のトランプリスクは為替への口先介入、ドイツ批判にユーロ安批判、日本と中国を自国通貨安政策と名指しで批判したことでドル全面安の展開となって金価格を押し上げた格好。1170ドル台までの調整局面を終えて切り返し、上値トライ再開の様相に。1月に何度も上値を押さえられた1220ドルラインが目先の抵抗水準。突破できれば1250ドル近辺を目指す流れが加速する可能性も。下方向には1180ドル台が当面のサポート水準となり、割り込むようだと1150ドル方向への下落局面形成へ。
月間ベースでは+56.9ドル(4.94%)となり、4カ月ぶりの反発。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/29 - 1/31NYプラチナ相場は0.3%の小幅高で3日続伸。1000ドルの大台ラインに抵抗感はないものの、年初来高値と11月高値圏が意識される1010ドル手前で失速。また、前日には金との価格差が2015年末以降の限界水準となりつつある200ドル割れまで縮小したこともあり212.1ドルへと拡大。金の上値トライが継続するようならプラチナも1010ドルの抵抗線トライへ、突破できれば上値目安は1040ドル近辺まで。逆に980ドルのサポートライン割れの場合には950ドル前後までの大幅調整局面形成も。
月間では+94.9ドル(10.53%)の大幅高で6カ月ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2016/12/30 - 1/31ドル円は0.86%のドル安円高となって大幅続落。警戒はされていた米新政権からのドル高懸念発言、ではなくストレートにトランプ大統領の円安批判発言。「通貨切り下げで市場を手玉にとった」と為替操作国認定を思わせるような発言を受けて一時11月30日(112.06)以来、2カ月ぶりのドル安円高水準まで下落。人民元やユーロに対しても同様の発言で強引なドル安誘導政策には警戒感というよりは不安感を覚えざるを得ない。終値ベースでは113円付近まで反発したものの、113円前半の節目を割り込んだことで下値トライ継続へと向う可能性も高まる状態に。FOMCでのタカ派発言や米経済指標の好結果などのドル高材料がなければ111円付近までの下値トライも。
月間では-4.18円(3.57%)の大幅安で4カ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/31終値とチャート

1日の国内金価格は0.49%の反発。右肩下がりの9日移動平均線と4670円台後半のラインとで斜行三角保ち合いを形成。NY金の上値トライ成功ならサポートされて上方ブレイクへ、年初来高値更新で4800円近辺を目指すような流れにも。小幅保ち合い下方ブレイクなら軟調推移の展開となり、昨年末安値付近となる4580円近辺までの下落局面形成も。

プラチナ価格は0.16%の小幅続落。ダイバージェンスからの軟調推移継続で上値を切り下げ、下値は切り上がる三角保ち合い下限割れリスクも高まる状態に。3850円割れなら3800円前後が下値目安水準に、反発の展開でやや抵抗感も強い3900円ラインを超えた場合には3970円近辺までが当面の上値目標水準に。
※参考:金プラチナ国内価格2/1とチャート

2017年2月1日(水)時点の相場
国内金4,700 円 2/1(水) ▲23(0.49%)
国内プラチナ3,864 円 2/1(水) ▼6(0.16%)
NY金1,208.6 ドル 1/31(火) ▲15.4(1.29%)
NYプラチナ996.5 ドル 1/31(火) ▲3.0(0.30%)
ドル円112.80 円 1/31(火) ▼0.98(0.86%)

1/31(火)のその他主要マーケット指標

現状維持のFOMC、トランプリスクには静観の構え 2/2(木)

シカゴPMIと消費者信頼感指数下振れ、トランプは為替へ口先介入 2/1(水)

保護主義への警戒感からトランプ相場停滞、コアPCEも停滞 1/31(火)

米消費マインドは13年ぶり高水準、市場マインドには警戒感 1/30(月)

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