金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

インフレ上昇で利上げ観測も上昇、実質金利低下で金も上昇へ

更新日:2017年2月16日(木)

米・実質金利とNY金相場の推移 2017年2月米1月の消費者物価指数(CPI)は、市場予想の前年比+2.4%を上回り、+2.5%へと上昇しました。12月の前年比+2.1%から急加速、2012年3月(2.7%)以来6年10カ月ぶりの高水準となっています。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+2.3%へと上昇し、昨年2月、8月と並び2012年5月以降での最高水準。インフレ上昇基調が一段と加速したことを示す状態となりました。
なお、同時に発表された1月の小売売上高も予想を上回る好結果となり、内需拡大が続いていることを示し、2月NY連銀製造業景況指数は2年5カ月ぶりの高水準へと跳ね上がり、トランプ期待に伴う製造業の回復基調が一段と進行していることを示す結果となりました。

複数の米指標好結果を受けて、米株主要3指数NYダウ、S&P500、NASDAQはいずれも5日連続の最高値更新。

また、今後のインフレ上昇を見込んでいたイエレン議長の思惑通りのCPI急騰により、利上げ観測もサポート。CMEフェドウォッチの3月利上げの確率も、前日の13.3%から26.6%へと跳ね上がり、12月FOMC直後の25.3%も超える水準となっています。にわかに3月利上げ観測も台頭してきそうな状況となってきました。

ただし、CPI急騰に伴い実質金利は急低下しています。米10年債利回りの12月平均が2.49%、CPIが2.1%で実質金利は0.39%。1月は米10年債利回りの月間平均2.424%に対してCPIは2.5%となり、実質金利は-0.076%。2013年3月以来のマイナス圏へと低下し、2012年11月以来、4年2カ月ぶりの低水準となっています。

現時点で米10年債利回りの2月平均は2.43%と1月からほぼ横ばい推移。今後も米長期金利がそれほど上昇しない状態が続き、CPIがさらに上昇した場合には、実質金利はさらに低下することになります。
インフレ上昇に伴う早期利上げが現実化するようなら、短期的には金の売り要因となりますが、実質金利と逆相関にある金は、インフレ上昇による実質金利低下にサポートされる状態も続くことになります。

NY金・日足チャート 2017/1/17 - 2/1515日のNY金相場は5日ぶりの反発で0.63%高。米1月CPI、小売売上高、2月NY連銀製造業景況指数などが軒並み高水準へと上振れたことを受けて10ドルほどの急落。2週間ぶり安値となる1217ドルまで下げた後はドル売りの流れで反発へ、急落前の水準を上抜けて1230ドル台を回復。上昇トレンド終盤と思われる失速状態のなかでも底堅さは健在、1220-40ドルを主要レンジに高値保ち合い状態に。下方ブレイクでも目先は1200ドルラインが次のサポート水準に、上方ブレイクなら1260ドル近辺へ。

NYプラチナ・日足チャート 2017/1/17 - 2/15NYプラチナ相場は0.77%の続伸。上昇トレンドからの調整局面が拡大しそうでしない底堅さ、4日連続の1000ドル割れトライでは2週間ぶり安値となる990ドルまで下げて反発。1000ドルラインで足場が固まりつつあり、1000-1020ドル台までの高値保ち合いを形成。1000ドルを明確に割れると1月半ば安値圏、960ドル台辺りまでの調整余地も。1020ドル台上抜けなら1050ドル台が次の上値目標水準に。

ドル円・日足チャート 2017/1/17 - 2/15ドル円は0.09%のドル安円高で3日ぶりの小反落。インフレ上昇、消費堅調、製造業も好調維持を確認する形となった米経済指標には114円台半ばから114円90銭台へと急騰。しかし、その後発表された米1月鉱工業生産が前月比-0.3%と予想以上に不調となったこともあり、一転して戻り売り優勢の展開へ。結局、年初来下落幅の半値戻しとなる115円の壁が超えられず、 一時114円割れもこの水準ではサポートも強く、38.2%戻し(114.27)付近へと反発。流れとしてはドル買い優勢へと傾斜しつつあり、115円の壁を突破出来れば61.8%戻しとなる116円近辺までの上昇も、その為の材料待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/15終値とチャート

16日の国内金価格は0.29%の続伸。7月22日(4837)以来、ほぼ7カ月ぶりの高値水準に到達。ドル高円安の流れが進みそうで進まない状況をNY金の底堅さがカバーする形での堅調推移。近年の主要レンジ上限4800円超えに伴う反落リスクも抱えながら、昨年7月高値4856円超えを目指す流れが進行中。

プラチナ価格は0.87%の続伸。年初来高値を更新し、8月12日(4014)以来半年ぶりの高値水準に。失速状態が続くなかでの高値更新には若干の違和感も残るものの、並行状態を保ちながらゆるやかに上昇する9-21日移動平均線にサポートされる形で上昇余地は昨年7月高値圏、4040円近辺まで拡大。ただし、21日移動平均線(3880)を割り込むようだと3800円割れも見込まれる大幅下落リスクへの警戒感も残る状況。
※参考:金プラチナ国内価格2/16とチャート

2017年2月16日(木)時点の相場
国内金4,835 円 2/16(木) ▲14(0.29%)
国内プラチナ3,944 円 2/16(木) ▲34(0.87%)
NY金1,233.1 ドル 2/15(水) ▲7.7(0.63%)
NYプラチナ1,009.9 ドル 2/15(水) ▲7.7(0.77%)
ドル円114.15 円 2/15(水) ▼0.11(0.09%)

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