金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

NYダウとの90日相関係数が上昇する時、金価格は上昇する

更新日:2017年2月21日(火)

NYダウと金価格の相関係数の推移2万ドルを超えてさらに加速したNYダウの堅調推移がとまりません。株高局面では比較的下落しやすいイメージのあるNY金価格は、昨年末まではそのとおりNYダウの上昇に対して下落基調が続きました。しかし、年初からはNYダウとともにNY金価格も上昇基調が続いています。
足下の両者の90日相関係数は-0.65795と逆相関関係にありますが、30日相関係数は0.60491と正の相関関係が強まる状況となっています。

過去5年間の相関係数の推移を見ると、30日間相関係数は+0.8から-0.8近辺までの間を激しく上下動し、90日間相関係数も同様に+0.8から-0.8近辺の間でゆっくりと上下動し、逆相関寄り(マイナス圏)の期間のほうが若干優勢、という状況です。
30日間(1カ月半程度)のレンジで見れば、NYダウとNY金価格はしばしば同じ方向へと動き、90日間(4カ月強)のレンジでも時折り同じ方向へと動きます。

そして、30日相関係数が先行してプラス方向へと急騰し、90日相関係数も遅れて追随し、プラス方向へとゆっくりと上昇するケースが多々見られます。
現時点がまさにその状況で、12月初旬には30日相関係数が-0.95台と非常に強い逆相関関係から、+0.6台へと正相関方向へと急反発中。90日相関係数も年初の-0.90台と近年では最も強い逆相関関係から、-0.6台へと反発局面がスタートし始めたところです。

NYダウと金価格の推移 2017年2月17日30日相関係数が逆相関から正相関方向へと急騰し、これに遅れて90日相関係数が上昇する時、両者の価格推移を見ると、その多くが上昇局面を形成してきました。

リスク回避局面ではNYダウは下落して金は上昇、リスクが後退すればそれぞれ逆方向へ。この間、相関関係は逆相関となり、相関係数はマイナス圏での推移となります。
その反面、これまで数年間は米国の緩和的な金融政策が推し進められてきました。これを好感する両者は緩和政策が強化されると急上昇、緩和後退、引き締め方向への示唆などがあれば急落へ。この間は相関関係は正相関となり、相関係数はプラス圏へと上昇してきました。

今や米国の金融政策は緩和終了、引き締め方向へと動き始めてはいますが、トランプ政権という新たな要因も出現したことで、その関係性もやや複雑化した感もあります。
足下では、金融政策は引き締め方向でも、トランプ政権の驚異的な税制改革などを期待して上昇基調を強めるNYダウ。金融政策は引き締め方向でも、トランプ政権の危うさや欧州政局リスクなどへの警戒感もあって底堅く推移する金価格。

30日相関係数急騰後の90日相関係数上昇局面がスタートしている現在、従来とは異なる背景による局面とはなっているものの、その背景が大きく変わらなければ、90日相関係数の上昇局面はもうしばらく継続し、NYダウとともにNY金価格の上昇基調もしばらく継続することになりそうです。
ただし、90日相関係数は0ライン手前で失速するケースも、過去にはしばしば見られました。

ドル円・日足チャート 2017/1/20 - 2/2020日はプレジデンツデーの祝日でNY市場は休場。NY金は時間外で前週末から変わらずの1230ドル後半、プラチナも1000ドルの大台割れを回避して1000ドル台を維持。
ドル円は0.16%のドル高円安で4日ぶりの小反発。東京市場午前に113円台を回復して以降は、113円20銭台を上限に113円ちょうどまでのわずか20銭ほどのレンジで小動き。15日高値115円手前からコンスタントに上値を切り下げてきた流れの抵抗線からは抜け出し、短期下落局面はいったん小康状態入り。113円台前半での横ばい推移の状態となり、反発局面スタートか、下落局面再開か。今朝の東京市場ではフィラデルフィア連銀ハーカー総裁の「3月利上げの可能性」発言を受けて抵抗水準となりやすい113円30-50銭の攻防へ。ここを超えると一段高の展開も、113円を割れると下落局面再開へ。日足レベルでは114円前半と111円後半が上下の節目水準、抜け出した方向へ1-2円程度の動き出しも。

21日の国内金価格は3日ぶりの反発で0.4%高。サポートライン4790円割れに伴う調整局面入りを回避、高値保ち合いの様相に。年初来高値16日の4835円超えの場合には7月高値4856円超えでは済まず、更に大きく上値を伸ばす可能性もあり、当面の上値目標は4900円台へ。その一方で4790円割れなら調整局面加速で下値目安は2月初旬の4700円近辺まで。

プラチナ価格も3日ぶりの反発で0.75%高。再び3900円の重要水準を回復し、前日のサポート水準割れは一時的な行き過ぎだった可能性も。高値保ち合い状態で上下の値幅を拡大する逆三角保ち合いの様相となり、乱高下を示唆。目安としては3950円を超えると4000円台へトライへ、3870円を割り込むと3700円台前半へと大幅下落の展開も。
※参考:金プラチナ国内価格2/21とチャート

2017年2月21日(火)時点の相場
国内金4,813 円 2/21(火) ▲19(0.40%)
国内プラチナ3,900 円 2/21(火) ▲29(0.75%)
NY金1,239.1 ドル 2/20(月) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ1,006.0 ドル 2/20(月) +-0.0(0.00%)
ドル円113.08 円 2/20(月) ▲0.18(0.16%)

2/20(月)のその他主要マーケット指標

米2月製造業PMI速報値は予想外の失速、日本とユーロ圏は加速 2/22(水)

NYダウとの90日相関係数が上昇する時、金価格は上昇する 2/21(火)

2016年世界の国別プラチナ産出量とPGM埋蔵量 2/20(月)

2016年世界の金埋蔵量、2035年に地球上の金鉱山から金消滅!? 2/18(土)

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