金プラチナ短期相場観

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米2月製造業PMI速報値は予想外の失速、日本とユーロ圏は加速

更新日:2017年2月22日(水)

日米欧の製造業PMI 2017年2月速報値マークイットが発表した米2月製造業PMI速報値は54.3。市場予想の55.4を下回り、1月の55.1からも低下、5カ月ぶりの反落と予想外の失速。生産高指数も55.7で1月の56.7から低下、2カ月ぶりの水準へと失速。
それでも総合指数の54.3という水準は、1年10カ月ぶりの高水準となっていた1月から若干低下した程度で、好不況の節目50を大きく上回る水準での好調を維持し、上昇傾向が崩れた訳でもありません。

この結果を受けて、米長期金利は小幅に急落、ドル高の流れも急失速とはなりましたが、米株主要3指数は終値ベースではまたも揃って過去最高値を更新し、NYダウは8日連続の最高値更新と堅調推移は崩れません。
しかし、国内の製造業復活を目指すトランプ政権の実質スタート月となった2月は、NY連銀やフィラデルフィア連銀など地区連銀の製造業PMI急騰に反しての失速となっています。

これに対して、日本は53.5となり3カ月続伸、6カ月連続での節目50超を維持、過去2年11カ月で最大水準へと上昇しています。生産高指数も54.3となり、過去3年で最大。
ユーロ圏も55.5となり、6カ月続伸で過去5年10カ月での最大水準。生産高指数も57.2で5年10カ月で最大。サービス業も5年9カ月で最大。数値でも米国を上回る高水準での推移が続きます。

ユーロ圏のなかでは、やはりドイツが堅調で57.0。3カ月続伸となり、過去5年9カ月で最大水準。生産高指数も59.4で過去3年1カ月での最大。単独で日本や米国を遥かに上回る高水準での推移が1年近く続いています。
フランスは52.3で1月の53.6から低下。3カ月ぶりの反落となり、5カ月ぶりに日本に逆転された状態も、5カ月連続で節目50超は維持。なお、フランスのサービス業PMIは56.7で過去5年6カ月で最大と好調。

日米欧の製造業PMIは相変わらず好調を維持し、昨年後半からの加速基調も続く状況です。
ただし、政局不安を抱える国では失速感も見られる結果となりました。

NY金・日足チャート 2017/1/20 - 2/213連休明け、21日のNY金相場は0.02%の小幅続落。東京・ロンドン市場にかけてはドル高の流れが続き、1220ドル台半ばまで下落も、NY市場では米2月製造業PMIが予想外に下振れたことを受けてのドル急反落に伴い、1230ドル台へと急反発。1220ドル台では下値も固く、しかし上値も1240ドルが超えられず、保ち合いの様相に。長い下ヒゲを残し、1260ドル付近までの上値再トライへの可能性を示しながらも、失速感も強まる状況。短期ダブルトップ形成も警戒され、1220ドルを割り込むと1200ドル前後までの下落も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/1/20 - 2/21NYプラチナ相場は前週末から変わらず。NY朝にかけての下落局面では15日以来となる990ドルまでの大幅安となり、調整局面急加速への流れを米製造業PMIの結果に救われた形。結果的に2月3日以降は終値で1000ドル台以上を維持し続け、安値では長めの下ヒゲを残して990ドル付近で反発したケースが4日め。990ドルが調整局面加速への防御ラインとなってきた様子。ただし、終値で1000ドル割れの場合にはこのラインでも支えきれない可能性も高まり、960ドル台辺りまでの調整局面形成も。

ドル円・日足チャート 2017/1/23 - 2/21ドル円は0.53%のドル高円安で続伸。東京市場朝のドル買いの流れで正午頃には113円70銭台へと到達。しかし、複数のテクニカル指標なども集中する113円台半ば近辺を完全に上抜けることは出来ず、113円70銭台を何度も試して失敗すると、米製造業PMI下振れをきっかけに113円40銭台へと急反落。今朝も113円半ばでの揉み合い状態は続き、上抜け出来れば114円台前半が次の抵抗水準に。下抜けの場合は112円台後半が次の下値サポート水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/21終値とチャート

22日の国内金価格は0.19%高で小幅続伸。NY金の下落基調スタートの兆しからの反発に支えられ、高値保ち合い状態を維持。膠着感も徐々に強まりつつあり、4790円から4830円台までの高値保ち合いレンジ抜け出し後の大幅変動へのエネルギーが蓄積される状況に。下方向なら4700円近辺まで、上方向なら4900円台も意識されるような展開へ。

プラチナ価格も0.28%の小幅続伸。3870円から3940円台までの広めのレンジ中央付近に位置し、高値保ち合いも継続。調整局面拡大の兆しにも耐え続ける状態が長期化しており、上昇基調再加速へと流れが一変する可能性も残しながら、下方向へと抜け出した場合の大幅下落局面形成への警戒感も高まる状況。
※参考:金プラチナ国内価格2/22とチャート

2017年2月22日(水)時点の相場
国内金4,822 円 2/22(水) ▲9(0.19%)
国内プラチナ3,911 円 2/22(水) ▲11(0.28%)
NY金1,238.9 ドル 2/21(火) ▼0.2(0.02%)
NYプラチナ1,006.0 ドル 2/21(火) +-0.0(0.00%)
ドル円113.68 円 2/21(火) ▲0.60(0.53%)

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