金プラチナ短期相場観

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失業保険継続受給者数も28年半ぶり低水準、逼迫続く米労働市場

更新日:2017年5月12日(金)

失業保険継続受給者数 長期推移 2017年4月米労働省が11日発表した新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数はいずれも改善傾向が続いていることを示す結果となりました。
6日の週までの新規の申請件数は23.6万件。今年2月25日までの週には22.7万件と1973年3月以来、約43年ぶりの低水準となり、直近2週間も23万件台とこれに近い低水準となっています。
4月29日までの週の失業保険継続受給者数は191.8万人。前週の197.9万人からは急減少し、1988年11月以来、28年半ぶりの低水準となっています。

失業保険継続受給者数の長期推移を見ると、過去のボトムピークは、前回が2000年4月15日までの週の196.2万人、今回の数値はこれを大きく下回りました。
その前のピークは1988年11月5日の189.8万人。この時も前後の水準は200万人前後となり、やや突出した急低下となっていました。
この水準を下回った場合には、次のピークは1973年まで遡ることになり、新規失業保険申請件数と同様に43年ぶりの低水準となります。

また、200万人を下回る低水準となってボトムピークをつけた時期は、1973年の次は15年後の1988年、その次は12年後の2000年、そして今回は17年後の2017年。
今回の191.8万人がボトムピークとなるかどうかはまだわかりませんが、サイクル的には今年じゅうにボトムピークを記録する可能性も極めて高そうにも思われます。

失業率も4月に4.4%へと約10年ぶりの低水準となり、新規失業保険申請件数は今年既に43年ぶり低水準まで減少し、継続受給者数も28年半ぶり、あと2万人超の減少なら43年ぶり低水準という状態。米労働市場の逼迫状態は続き、複数の指標でボトムピークに近づきつつあるか、もしくは既に到達したか、という状態となってきました。

NY金・日足チャート 2017/4/6 - 5/1111日のNY金相場は0.43%の続伸で3日ぶりに1220ドル台を回復。前日からのゆるやかな反発基調継続でNY市場までに1220ドル台回復も米4月生産者物価指数の上振れや失業保険申請件数の好結果などを受けて1220ドル割れへと小幅に反落。しかし、メーシーズなど小売関連の低調な決算で米株市場がNY朝から急落、NYダウは一時100ドル超の下落となり、金は一時1227ドルまで急反発。ただし株安ドル売り、金利低下の流れも徐々に巻き戻されて金の上値も限定的に。3日連続安値では1210ドル台半ばでの足場固めの様相も、高値も1230ドル手前で押さえられて保ち合い形成に。上方向には1230ドルラインを超えると1240ドル台が抵抗水準となりやすく、下方向には1210ドル半ばを割れると1200ドル前後までの下落余地も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/4/6 - 5/11NYプラチナ相場は0.86%の続伸。3週間ぶりに9日移動平均線を上抜けて徐々に流れは反転方向へ、ただし920ドルが目先の抵抗水準となって900-920ドルでの保ち合い形成中。上限突破できれば反発局面形成へと向かい、当面の上値目標は940ドル台へ。ただし下限割れの場合には870ドル近辺が下値目安に。

ドル円・日足チャート 2017/4/7 - 5/11ドル円は0.37%のドル安円高となって5日ぶりの反落。NY朝の急落局面では113円40銭台までで切り返し、再び114円手前での攻防状態に。結果的に3日連続で114円30銭台の高値を更新出来ずに小反落した格好。目先は112円半ばから114円30銭台までの保ち合いの形となり、上抜けできれば115円台前半、下抜けなら111円前半へ。昨日の4月生産者物価指数(PPI)の上振れに続き、今晩の消費者物価指数(CPI)も上振れなら3月の低迷は一時的との見方が正当化され、さらに小売売上高も第2四半期の回復基調を示唆する結果となれば上値トライ再開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/11終値とチャート

12日の国内金価格は0.15%の小幅高となり3日ぶりの反発。しかし4日連続4790円台での小動きとなり、近年の主要レンジ上限4800円が抵抗水準となってきた様子も。どちらかと言えば下押し圧力優勢の状態が続く中で耐える展開、4770円台から4800円までのレンジ内推移でもう少し耐え続けることができれば徐々に流れも変わることに。レンジ上抜けでも4820円近辺が次の抵抗水準となりやすく、下抜けの場合には3月安値4737円トライへ。
週間ベースでは-40円(0.83%)で3週間ぶりの反落。

プラチナ価格は0.42%高で続伸。金との価格差は過去最大となった10日の1233円から1187円まで急縮小の兆しとなり、プラチナ価格の反発局面入りへの可能性も示す状況に。下落圧力も大きく緩和され、3530円前後を目指した流れは10日の3561円まででほぼ終息した様子。当面は3560円から3690円までの広めのレンジ内で反発力が試される展開に。ただし、3560円割れの場合の一段安リスク(下値目安3510円台)は継続。
週間ベースでは+2円(0.06%)となり、3週間ぶりの小反発。
※参考:金プラチナ国内価格5/12とチャート

2017年5月12日(金)時点の相場
国内金4,799 円 5/12(金) ▲7(0.15%)
国内プラチナ3,612 円 5/12(金) ▲15(0.42%)
NY金1,224.2 ドル 5/11(木) ▲5.3(0.43%)
NYプラチナ917.7 ドル 5/11(木) ▲7.8(0.86%)
ドル円113.86 円 5/11(木) ▼0.42(0.37%)

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