金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

鉱工業生産は3年ぶり高水準で第2四半期に加速、ドル円は失速

更新日:2017年5月17日(水)

米鉱工業生産と設備稼働率 2017年4月米FRBが発表した4月の鉱工業生産は前月比+1.0%の上昇となり、2014年2月(1.0%)以来、3年2カ月ぶりの高水準となりました。
1月の-0.3%、2月+0.2%、3月の+0.4%から急上昇し、第1四半期の伸び悩み状態から、第2四半期スタート月には急加速した形です。3カ月平均でも4月には+0.5%となり、2014年4月(0.7%)以来3年ぶりの伸び率となっており、2011年から2014年までの主要レンジ0.0%-0.4%から、2015年には下ブレていた状態から反発し、今度は上方向へと抜け出した状態となっています。

自動車生産の拡大が牽引し、最近のドル安基調も貢献しているようです。また、設備稼働率も3月の76.1%から4月は76.7%へと急上昇し、2015年8月(76.8)以来1年8カ月ぶりの水準となっています。こちらも75%台の推移が続いた2016年の低迷期から抜け出し、比較的好調が続いた2012年から2013年までの水準77%台に向けて上昇し始めた様子です。
4月以降の米経済指標は冴えない数値が続いていたなか、第2四半期のGDP拡大に向けての好材料もようやく見られ始めたようです。

ただし、自動車市場は既にピークに達しているとの見方もあり、販売台数では過去最大となった昨年から今年は低下予想も多く、製造業の景況感でも4月以降の失速も多々見られ、先日のNY連銀の景況指数では3カ月連続の急低下で5月は-1.0へと急ブレーキ状態ともなっていました。

そんなマイナス材料も懸念してか、というよりも政治リスクへの警戒感もくすぶり続ける状況下では、単月の好結果だけではドル高の流れが加速する材料としては不十分なようで、ドル円は失速状態が顕著となりつつあるようです。

NY金・日足チャート 2017/4/11 - 5/1616日のNY金相場は0.52%高となって5日続伸。5日続伸は1カ月ぶりで今年4回目、昨年の年間4回に並んだ。欧州政局リスク後退後のユーロ高、FBI長官解任に機密情報漏えい疑惑なども加わりトランプ政権不信と政策遅延懸念によるドル安の構図でユーロドルが昨年11月以来、半年ぶりのユーロ高ドル安水準。こレに伴いドルインデックスも半年ぶりの低水準へとドル安の流れが進行。英FTSEの9日連続最高値更新など株高の流れが続くなかでもドル安に支えられて金は堅調推移。今朝の東京市場ではドル円主導のドル安を受けて1240ドル台へと上昇。8日ぶりに90日移動平均線を上抜けてようやくトレンド改善の兆しも。目先は4月高値から5月9日安値までの38.2%戻し、1246ドル近辺では一服感も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/4/11 - 5/16NYプラチナ相場は0.89%の続伸で4月28日(948.7)以来の高値水準。前日時間外の失速の兆しも限定的となり、金に連れての堅調推移再開で短期上値目標940ドル台へとしっかり到達。今朝の時間外では一時940ドル台後半まで上値を試す場面も。流れは好転も水準的には一服感も。2月高値から5月4日安値までの38.2%戻し、953.1ドル近辺までが目先の行き過ぎの目安に。

ドル円・日足チャート 2017/4/12 - 5/16ドル円は0.6%のドル安円高へと反落。3日連速113円台後半で上値を押さえられ、米4月住宅着工件数と建設許可件数がともに下振れたことをきっかけにドル安円高圧力が強まった様子。4月鉱工業生産の好結果にも小反発と限定的、米10年債利回りも再び2.3%に向けて急落の展開となり、今朝には2.3%割れへ。ドル円の下押し圧力もやや強まる状態となり、113円前半の節目を割れて今朝の東京市場では一時112円50銭近辺まで下落する場面も。短期下値目安112円前半へともう一段の下げも想定される状況。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/16終値とチャート

17日の国内金価格は0.04%の小反落。水平状態の21日移動平均線(4817円)に上値を押さえられての反発一服、と予想された展開に。下方向には、右肩上がりの推移が続く90日移動平均線(4780)が中期上昇トレンドのサポートラインとなっており、これを割りこまないことが重要。短期トレンド好転に向けては水平状態の21日移動平均線(4817)をしっかりと上抜ける必要があり、さらに高値更新トライへと向う為には9日移動平均線(4802)も21日線を上抜ける必要。目先は4800-20円近辺を主要レンジ候補に揉み合いの展開も。

プラチナ価格は0.27%の続伸。水準的には3640-90円の4月半ば保ち合いレンジにしっかりと回帰した状態となり、多少の揉み合いもはさんで3690円の上限トライへのチャンスをうかがう展開も。突破できればそれなりの上昇トレンド形成となる可能性も高まり、当面の上値目標は3800円台へ。
※参考:金プラチナ国内価格5/17とチャート

2017年5月17日(水)時点の相場
国内金4,814 円 5/17(水) ▼2(0.04%)
国内プラチナ3,664 円 5/17(水) ▲10(0.27%)
NY金1,236.4 ドル 5/16(火) ▲6.4(0.52%)
NYプラチナ937.0 ドル 5/16(火) ▲8.3(0.89%)
ドル円113.11 円 5/16(火) ▼0.68(0.60%)

5/16(火)のその他主要マーケット指標

ロシアゲート疑惑でリスク回避、新興国通貨と金の年初来騰落率 5/18(木)

鉱工業生産は3年ぶり高水準で第2四半期に加速、ドル円は失速 5/17(水)

世界のプラチナ需給 2017年第1四半期 5/16(火)

高水準の逆相関続くNY金とドル円、国内では円と金の相関 5/15(月)

消費者物価指数(CPI)は第2四半期も失速とまらず 5/13(土)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ