金プラチナ短期相場観

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失業率は16年ぶり低水準でもNFPは大幅下振れ、賃金上昇率も低迷

更新日:2017年6月3日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2017年5月失業率が2001年5月以来、ちょうど16年ぶりとなる4.3%まで低下した米5月の雇用統計
しかし、非農業部門雇用者数(NFP)の前月比増減数は、今年に入ってADPとの連動性が急低下していました。これが今回の下振れの可能性も示唆していたようです。
3カ月平均でのNFPとADPの24カ月相関係数は、2012年5月から2016年12月までの4年7カ月間0.7以上と強い相関関係を示していましたが、今年1月には0.65台、3月に0.4台、4月には0.3台へ、今回の5月時点では0.29台、相関関係は極めて弱い状態に。

NFPの下振れ以上に市場の失望を誘ったのは、賃金上昇率のピークアウトととも言えそうな失速状態。
5月の平均時給は26.22ドルとなり、4月の26.18ドルからは0.15%の上昇。前年同月比では+2.46%となり、4月の+2.51%からも鈍化し、2016年3月の2.46%以来1年2カ月ぶりの低水準となっています。
前年比で見る賃金上昇率は、12月の+2.85%、2月の+2.84%をピークとして2カ月連続の鈍化となりました。
金融危機前の平均的水準+3.0%に向けて上昇傾向との見通しに反して、第2四半期には鈍化傾向が顕著になり、ピークアウトを疑うような状況のようにも見えます。

「年末付近にはインフレ率は2%のターゲットまで上昇」するだろう、とのフィラデルフィア連銀ハーカー総裁のこの日発言と同様の見方は、FOMCメンバーの間で根強く残るようですが、PCEインフレも第2四半期は失速の兆しとなり、賃金上昇率の低迷状態と合わせ、FOMCでの今後の見通しに影響を与えそうです。

なお、雇用統計での他の指標では、U6失業率も4月の8.6%から5月は8.4%まで低下し、2007年11月以来9年6カ月ぶりの低水準となり、「失業率では完全雇用」を裏付ける結果となっています。しかし、労働参加率は62.7%へと6カ月ぶりの水準に後退し、長期失業者の割合も4月の22.6%から5月は24%へと増加し、4カ月ぶりの水準へと後退。雇用は引き締まってはいるものの、依然たるみは残る状況です。

NY金・日足チャート 2017/4/28 - 6/22日のNY金相場は0.8%の反発。予想外の米5月雇用統計下振れを受けて1260ドル半ばから1280ドルまでの急騰で4月21日(1289.1)以来、6週間ぶりの高値水準に。雇用統計の内容自体は決して悲観すべきものでもなく、6月FOMCでの利上げ決定は動かし難いところ。ただし、賃金上昇率の低迷はインフレ低迷との因果関係も強く、中期見通しにも影響しそうで米長期金利も低迷状態から抜け出せない。VIX指数が1983年以来と歴史的低水準となった5月8日の9.77を更に下回る9.75となり、ダウ、NASDAQ、DAXなど欧米株も過去最高値更新が続くなかでも金の堅調推移も継続。短期上値目標となる今年最高値1297.4ドルトライも継続へ。
週間ベースでは+12.1ドル(0.95%)となり、2月以来で今年3度めの4週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2017/4/28 - 6/2NYプラチナ相場は2.63%の大幅反発となって前日の大幅下落分を帳消し、5月26日(962.9)以来1週間ぶりの水準を回復。保ち合い下方ブレイクから今度は上方ブレイクへと乱高下状態。大きく切り替えした950ドル台半ばの現状水準以上を週明けも維持できれば、上値トライへの流れが強まる可能性は高まり、当面の上値目標水準は4月高値990ドル近辺へ。ただし、950ドルを中心に上下に大きくブレながらの保ち合い形成のようにも見え、次に920ドル半ばを下回った場合には900ドル割れを試すような展開も想定される。
週間ベースでは-9.5ドル(0.99%)となって4週間ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2017/5/1 - 6/2ドル円は0.84%のドル安円高と大幅反落。ADP雇用の好結果と日経平均の2万円超えによって111円台半ばへと水準を引き上げられていた状態から、想定外の雇用統計の結果に110円30銭台まで急落。4月24日(109.76)以来、ほぼ6週間ぶりの円高水準となり、ネガティブ材料によって110円前後の下値目安再トライへ。なお、110円近辺を大きく下抜けるようだと4月安値108円近辺が意識されるような展開も想定される一方で、この日の安値では5月18日安値110円20銭台を下回っておらず、短期的には2番底をつけた可能性も残される。この場合、ネックライン112円前半を上抜けると2円程度の反発も見込まれることに。その為には目先の上値抵抗水準111円半ばを超える必要。
週間ベースでは-0.87円(0.78%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/2終値とチャート

2017年6月3日(土)時点の相場
国内金4,852 円 6/2(金) ▲15(0.31%)
国内プラチナ3,590 円 6/2(金) ▼47(1.29%)
NY金1,280.2 ドル 6/2(金) ▲10.1(0.80%)
NYプラチナ953.4 ドル 6/2(金) ▲24.4(2.63%)
ドル円110.43 円 6/2(金) ▼0.93(0.84%)

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