金プラチナ短期相場観

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SKEW指数急騰で忍び寄るブラック・スワン警戒感

更新日:2017年6月13日(火)

SKEW指数 2017年6月12日欧米主要株価指数の過去最高値更新が続いた流れも、ようやく先週末のNASDAQ急落をきっかけに一服感、といったところです。これに同期するように、市場の歪みを示すSKEW指数も再び急騰しています。
米S&P株価指数のボラティリティを示し、市場の恐怖感を表すVIX指数も12日には11.46へと上昇し、10ポイント割れと歴史的水準まで低下する場面もあった状態から約1カ月ぶりの水準へと上昇しています。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出するSKEW指数は、プット(売る権利)の需要の強さ、つまり将来の価格変動に備える取引の動向を示し、比較的市場が安定したなかでも将来の急落リスクを警戒する人が増加すると急上昇することになる、ブラック・スワン(想定外の事象)警戒指数とも言える指標。このSKEW指数は12日に136.86となり、5月18日の137.01以来の水準へと急騰しています。

昨年1月には中国リスクからの世界同時株安にVIX指数とともに上昇し、市場の混乱が続くなかでもSKEW指数は一足先に低下し、混乱の収束を示唆していました。6月のブレグジット、11月の米大統領選のときには想定外の出来事にVIX指数もSKEW指数も急騰していました。
その後、2017年にはVIX指数は比較的低水準での推移が続くのに対し、SKEW指数は急騰する場面が多々見られます。

トランプ大統領就任時の1月20日には146まで急騰し、オバマケア代替法案が撤回された3月17日には154まで急騰、4月末にもフランス大統領選や北朝鮮情勢などから148台まで上昇、そして5月18日の137まで急騰したときにはロシアゲート疑惑が高まりました。

ブルームバーグではヒンデンブルグ・オーメンが2年ぶりに点灯したことも伝えられ、米株急落への警戒感も高まっていることが、今回のSKEW指数急騰にもつながっているようです。
今回のNASDAQ急落局面も買われ過ぎたFANG株などの一時的な調整との見方が優勢のようですが、SKEW指数の振れ具合を見ると、トランプ政権が続く限り、ブラック・スワンへの警戒感が高まる場面は度々訪れそうな状況です。

NY金・日足チャート 2017/5/8 - 6/1212日のNY金相場は0.2%安となって4日続落。利上げ見込みのFOMC前に売り優勢の展開はやむなし、急騰後の調整局面とも重なり5月30日(1265.7)以来、半月ぶりの安値水準に。しかし下げ幅は縮小し、変動幅も縮小。1270ドルをはさんで上下6.8ドルの値幅は今年の平均13.4ドルの半分の小動き。ドットチャートの2017年末FF金利予想中央値が前回と同じ1.375%か、もしくは低下ならFOMC後に金は反発へ。万が一上昇するようなことがあれば続落の展開へ。目先1250ドルは比較的堅めのサポートライン、下抜けてしまうと下落トレンド形成で5月安値1210ドル台が意識される展開に。上方向への節目1300ドル超えにはまだ材料不足か。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/8 - 6/12NYプラチナ相場は0.45%の続伸。やはりイベント前の膠着状態で940ドル台での小動きに終始。方向感には乏しく、940ドル台をコアレンジに930ドルから960ドル台までの振れ幅で保ち合い形成の様相に。FOMCの見通し動向に伴い、金の動き出しに追随する展開へ。今回は大幅変動につながるような結果とはならないものと予想されるが、振れ幅拡大で方向感が出始めると、上方向には1000ドル超、下方向には900ドル割れが目標水準となるような展開にも。

ドル円・日足チャート 2017/5/9 - 6/12ドル円は0.31%のドル安円高となって4日ぶりの反落。6日の急落値幅をその後の3日続伸で抜け切れない下げ三法を形成し、200日移動平均(110.44)もちょうど抵抗線となっての下落で短期トレンドは下向き。ただし、米10年債利回りは2.15%付近で短期的な底値をつけて反発し始めた可能性もあり、FOMCでの今後の見通しが強気維持ならドル買いの流れが一時的には強まる可能性も。目先の抵抗水準、200日移動平均線を上抜けると111円半ばまでの上値余地。109円台半ばを割り込むようだと108円台へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/12終値とチャート

13日の国内金価格は0.48%の下落で4日続落。5月19日(4788)以来、約1カ月ぶりの安値水準となり、今年初の90日移動平均線割れ。短期トレンドは逆流の兆しとなり、下値目安は200日移動平均線(4704円)付近まで。レアケースとして、FOMC通過によるアク抜けと予想外の強気見通しなどでドル高円安急進、もしくはその正反対の展開でNY金の急騰などで下支えされる可能性も。

プラチナ価格は0.28%の小幅続伸。短期トレンドは下向き優勢の状態ながら、5月10日の3561円と6月9日の3563円とで今年のダブルボトム形成への可能性も若干高まる状況に。3560円から3640円までのレンジでの保ち合いにいったん回帰した状態となり、NYプラチナの保ち合い放れの方向へ。上抜けならダブルボトムのネックラインも上抜けて3700円台半ばも意識されるような反発局面入りも。下抜けの場合には3510円台辺りまでの下値余地。
※参考:金プラチナ国内価格6/13とチャート

2017年6月13日(火)時点の相場
国内金4,792 円 6/13(火) ▼23(0.48%)
国内プラチナ3,587 円 6/13(火) ▲10(0.28%)
NY金1,268.9 ドル 6/12(月) ▼2.5(0.20%)
NYプラチナ944.5 ドル 6/12(月) ▲4.2(0.45%)
ドル円109.94 円 6/12(月) ▼0.34(0.31%)

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