金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ドルインデックスよりも今はドル円。112円で金は1240ドル割れへ

更新日:2017年6月20日(火)

NY金とドルインデックス 2017年6月19日ドル建て資産のNY金はドルとの逆相関関係となる傾向が強く、ドルインデックスとNY金相場の推移を比較すると、今年も概ね逆方向への動きが続きます。
トランプ・ラリーのピークとなった12月半ばから、その期待一巡、剥落傾向となった1月末までの期間はほぼ完全に逆行状態となり、NY金と逆目盛りにしたドルインデックスの推移は完全一致に近い状態となっていました。この間の両者の90日間相関係数は-0.95超の状態が続いていました。

しかし、2月以降は金の上昇局面でもドルインデックスも上昇(逆目盛りのチャート上は下落)するケースも見られ、逆相関関係は急速に弱まっています。5月末時点での90日相関係数は-0.35割れまで縮小し、ほぼ無関係の状態へ、6月19日時点では-0.527と弱めの逆相関を示す状態です。
地政学リスクなどが警戒される時期には、金とともに米ドルも安全通貨として比較的買われやすくなり、欧州政局リスク後退などで金が売られる局面ではユーロ買いの勢いが強まり、相対的なドル売りによってドルインデックスも低下しやすくなります。

足下では、トランプラリーが完全に巻き戻された水準での揉み合い状態が続くドルインデックスの上昇幅は限定的となり、チャート上では金の下落局面に追随できない状態です。

NY金とドル円 2017年6月19日これに対してドル円とNY金との逆相関関係は今年、非常に強い状態が続いています。90日相関係数では年初の-0.95超から、3月に一時-0.75割れまで弱まる場面もありましたが、それ以降は再び強まり、現時点では-0.91超となっています。その結果、NY金と逆目盛りにしたドル円は今年、ほぼ完全一致に近い状態での推移が続きます。

6月初旬にやや買われ過ぎの可能性もあったNY金は、足下では大幅修正局面を迎え、ドル円との逆連動状態に戻っています。
目先、ドル円が112円台へとドル高円安が進行するようなら、NY金は1240ドルを割り込む可能性が高まり、さらに114円台まで水準を切り上げた場合には、NY金は1200ドルの大台割れをかけた攻防を迎えることになりそうです。
逆にドル円が再び109円割れへとドル売り円高圧力が強まる場面が訪れた場合には、NY金は1300ドルの大台再トライのチャンスが訪れることになります。

NY金・日足チャート 2017/5/15 - 6/1919日のNY金相場は0.78%の反落で5月16日(1236.4)以来、1カ月ぶりの安値水準。欧米株高のリスク・オンで軟調推移の流れ。NY連銀ダドリー総裁の「労働市場改善に伴い賃金とインフレは加速する」などFOMC後の市場認識のズレを解消すべくタカ派発言をきっかけに、米10年債利回りが急騰、ドル高進行とともに金は1250ドル割れ。今回の下落局面での下値目安1240ドル台へとしっかり到達したことで、目先いったんは下げ止まりの展開も。ただし、サポートラインとなる200日移動平均線(1242.3)を下抜けた場合には5月安値、今年の上昇幅の50%戻しとなる1210ドル台が意識される。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/15 - 6/19NYプラチナ相場はわずかに0.01%の続伸。金に連れての軟調推移で920ドル割れを試すもNY市場では株高の流れに連れるように値を戻し、前週末水準920ドル半ばを回復。920ドルのサポートラインで足場固めの動きとなり、950ドルを上限にレンジ形成への様相。固め切れずに920ドル割れの場合には今年安値圏、900ドル近辺再トライも。

ドル円・日足チャート 2017/5/16 - 6/19ドル円は0.58%のドル高円安。5月25日(111.83)以来ほぼ1カ月ぶりのドル高円安水準となり、200日移動平均突破に伴う上値余地111円台半ばにしっかり到達。ダドリー発言を受けての金利上昇、ドル高の流れも単発的に終わり、いずれも上値の重い状況はそれほど変わらず。5月高値から6月安値までの半値戻し水準に到達し、いったん上値を押さえられやすいところ。新たなドル買い材料があれば61.8%戻しとなる112円半ば辺りまでが次の目安水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/19終値とチャート

20日の国内金価格は0.29%の反落。半年ぶりの90日移動平均線(4808)割れからの下げ渋りとともに上値も押さえれれる状態が続き、90日移動平均線(4808)が抵抗線化、4770円を下限に小幅保ち合いを形成。抵抗線を突破できれば6月高値4867円近辺への再トライへ。下限割れなら3月安値4737円前後までが目安水準に。

プラチナ価格は0.31%の続伸。金との価格差は依然1200円超の過去最大圏も、14日につけたピーク1279円から1222円まで、1週間ぶりの水準へと縮小。価格差縮小とともにプラチナ価格の反発の流れがスタートし始めた可能性も。ポイントとなる価格差1200円割れとともに、3590円の節目を上抜けできればそれなりの上昇トレンド形成で上値目標3650円へ。
※参考:金プラチナ国内価格6/20とチャート

2017年6月20日(火)時点の相場
国内金4,789 円 6/20(火) ▼14(0.29%)
国内プラチナ3,567 円 6/20(火) ▲11(0.31%)
NY金1,246.7 ドル 6/19(月) ▼9.8(0.78%)
NYプラチナ926.9 ドル 6/19(月) ▲0.1(0.01%)
ドル円111.52 円 6/19(月) ▲0.64(0.58%)

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