金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

信頼感は最もコストのかからない刺激策、好調続くユーロ圏PMI

更新日:2017年6月24日(土)

日米欧の製造業PMI 2017年6月速報マークイットなどが発表した製造業PMIの6月速報値では、日米の失速とユーロ圏の加速との格差は拡大。
日米欧いずれも節目の50を上回る水準での推移は続き、景気拡大の流れは維持するものの、その勢いと傾向には大きな違いが見られます。

フランスは5月の53.8から55.0へと上昇し、過去6年間で最大となった4月の55.1に次ぐ高水準。生産指数は5月の55.7から3カ月ぶり低水準となる55.4へとやや減速。
ドイツは6年1カ月ぶり高水準となった5月の59.5からは59.3へとわずか0.2ポイントの低下、高水準での拡大傾向が継続。対称的にサービス業は53.7と1月以来の低水準となり、拡大ペースはゆるやかに。
ユーロ圏としては10カ月連続の上昇となり、6年2カ月ぶりの高水準となる57.3へと加速。生産指数も5月の58.3から58.5へと上昇し、6年2カ月ぶり高水準。第2四半期の平均伸び率はこの6年間で最大に。

日本は昨年11月(51.3)以来、7カ月ぶりの低水準となる52.0へと鈍化。生産高52.1も9カ月ぶり低水準、輸出と雇用増は継続。
米国は1年10カ月ぶり高水準となった1月(55.1)から5カ月続落となる52.1。昨年9月(51.5)以来9カ月ぶりの低水準、生産指数も5月の53.7から52.9へと低下し、9カ月ぶりの低水準。工場門のインフレ率低下も要因となり、第2四半期の平均伸び率は第1四半期を下回り、経済成長ペースの減速を示唆する形に。

ドラギECB総裁はこの日、EU首脳会議で経済状況を説明し、賃金とインフレの伸びはまだこれから、として金融緩和の当面維持を表明しながらも、昨年の英EU離脱決定以降は不透明感が払拭され、センチメントは改善傾向にあることを指摘。そして、「信頼感は最もコストのかからない刺激策」であるとの発言。
ドイツのメルケル首相は「ドラギECB総裁が欧州経済の楽観的な状況を作ってくれた」と称えています。
欧州経済における市場心理好転、加速の好循環を象徴しているようです。

一方の米国では、ハト派のセントルイス連銀ブラード総裁が「最近の想定外の弱い経済指標をみると、FRBは利上げを待つことも可能だ」と、最近タカ派に転じたかのようなイエレン議長他FOMCメンバ全般に広がるタカ派論を牽制。
政権不信に加えて一部で見られ始める市場センチメントの失速傾向に、FOMC内での見解にも相違が見られ始めそうな状況となり、最もコストのかからない刺激策の効力は失われつつあるようです。

NY金・日足チャート 2017/5/19 - 6/2323日のNY金相場は0.56%上昇し3日続伸。時間外から90日移動平均線(1251.2)を超えて堅調推移となり、ロンドン時間にはユーロ圏製造業PMIなどの好結果を受けて一時ユーロ買いドル売りが急進、この流れで金も1250ドル後半へと急騰。NY時間には低調な米製造業PMIの結果を受けて1週間ぶりに1260ドルにワンタッチ。しかし予想通り5月後半の抵抗線となっていた1260ドルラインに上値を押さえられ、この日の値幅も10ドル未満と低ボラティリティ状態も継続。目先は1250-60ドルをコアレンジに1240ドルがサポート下限、1280ドルがレジスタンス上限に。下限割れなら1220ドル前後へ、上限超えなら1300ドル台へ。
週間ベースでは-0.1ドル(0.01%)と僅かに下落し3週続落、52週移動平均(1258.2)との攻防中。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/19 - 6/23NYプラチナ相場は0.41%の反発。ロンドン時間には一時930ドル台半ばまで上昇も、連日の失速でNY朝には920ドル半ばへ。NY午後から時間外にかけて再び930ドルを試す場面もあり、このラインとの攻防状態のまま越週。しっかりと930ドル台に載せることができれば反発基調加速で950ドルが当面の目標水準に。小幅保ち合い下限の920ドル割れの場合には900ドル割れへの警戒感も継続。
週間ベースでは+2.6ドル(0.28%)とわずかに上昇、4週間ぶりの小反発で下げ止まりの兆しのようにも。

ドル円・日足チャート 2017/5/22 - 6/23ドル円はこの日も前日からほぼ変わらずの111円30銭台。わずかにドル安円高となって微妙に4日続落。しかし欧州通貨高米ドル安の流れにもドル円は111円10銭台から40銭台までの小幅レンジでの上下動に終始。この日の変動値幅はわずか27銭ほどにとどまり、30銭にも満たないのは2015年11月以来、1年7カ月ぶりの小動き。6月最終週を迎え、月末月初の米経済指標の結果を受けて動き出す可能性も。90日移動平均(111.66)と200日移動平均(110.83)が上下の節目となり、目立ち始めた低調な結果が続くようなら下限割れで109円台半ばへ、予想外に好調な結果があれば上限突破で112円半ばへ。
週間では+0.41円(0.37%)と小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/23終値とチャート

2017年6月24日(土)時点の相場
国内金4,800 円 6/23(金) ▲5(0.10%)
国内プラチナ3,558 円 6/23(金) ▼17(0.48%)
NY金1,256.4 ドル 6/23(金) ▲7.0(0.56%)
NYプラチナ929.4 ドル 6/23(金) ▲3.8(0.41%)
ドル円111.30 円 6/23(金) ▼0.03(0.03%)

6/23(金)のその他主要マーケット指標

金価格は4800円後半、プラチナは3500円前半の重要水準との攻防 6/26(月)

信頼感は最もコストのかからない刺激策、好調続くユーロ圏PMI 6/24(土)

ユーロ圏消費者信頼感指数は6月速報値で16年ぶり高水準 6/23(金)

米5月中古住宅販売件数は予想を上回り10年来高値圏を維持 6/22(木)

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