金プラチナ短期相場観

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製造業受注下振れでも強気のイエレンFRB議長

更新日:2017年7月6日(木)

製造業受注指数 2017年5月米5月の製造業受注は前月比-0.8%。市場予想の-0.5%を下回り、4月の-0.3%(-0.2%から下方修正)に続き2カ月連続での減少となりました。下落率では昨年11月の-2.3%以来、半年ぶりの大幅減。

3カ月平均では1月以来4カ月ぶりの0.0%。2014年10月の-4.1%を底値として下値を切り上げる傾向は続いています。しかし、最近では2016年10月の+1.3%がピークとなり、上値を切り下げつつある状態にもあり、失速感もくすぶり続けます。

先日の6月ISM製造業景況指数は2年8カ月ぶりの高水準となり、新規受注も3カ月ぶりの高水準となる63.5へと反発していたことから、製造業受注の6月も反発が見込まれるところではあります。
ただし、方向感としては年初からの低下傾向が6月まで続くマークイットの製造業PMIの結果に同調する形となっています。

今朝公表された6月FOMC議事要旨では、バランスシート縮小開始時期については数カ月(9月)か年末頃か、など意見が分かれ、インフレ動向についての見方も分かれていたようです。それでもイエレンFRB議長は物価の下落は一時的との見方で利上げは年内あと1回、来年も3回、そしてバランスシート縮小もスタート時期こそ明確にしてはいないものの、そう遠くない時期に着手しそうなスタンスを記者会見で見せていたことになります。

来年2月の退任が濃厚とも見られるイエレン議長は、金融政策正常化に向けての強気姿勢を貫き通す構えのようですが、低インフレ継続とともに、景気失速懸念も、意外とイエレン議長の足を引っ張ることにもなりかねません。

NY金・日足チャート 2017/5/31 - 7/55日のNY金相場は0.21%の小幅高で4営業日ぶりの反発。祝日明けの時間外、東京時間帯には米国の北朝鮮へのレッドライン警戒感もあり1220ドル台後半まで反発。欧州時間帯からは米10年債利回りの上昇とともにドル買いの流れが強まったことで再び1220ドル割れ、一時5月9日(1214.3)以来、ほぼ2カ月ぶりの安値となる1210ドル半ばまで下落。しかし、原油急反落や米5月製造業受注の下振れなどをきっかけに反発すると今朝の時間外には再び1220ドル後半へ。結果的に1220ドルを挟んで揉み合い、4月高値と5月高値で形成するダブルトップのネックライン(5月安値1214.3)での下値サポートを確認した状態。この水準を下回ると短期的には1200ドルがサポート、中期的には1140-50ドル近辺が下値目安に。上方向には1250ドル近辺までが抵抗水準となりやすく、1260ドルを超えると1280ドル近辺まで。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/31 - 7/5NYプラチナ相場は0.3%の反発。金に連れての反落局面では一時5月9日(900.0)以来、2カ月ぶりの安値水準となる901ドルまで下落し、短期下値目安900ドル割れにほぼ到達した形でいったん落ち着きどころ。現状水準で反発できれば今年安値となった5月の894.5ドルからの2番底をつけた形にも。目先は920ドル半ばが抵抗水準となり、超えると950ドル近辺までの反発も。安値更新となった場合には800ドル台前半が意識される展開にも。

ドル円・日足チャート 2017/6/1 - 7/5ドル円は前日からほぼ変わらずの113円20銭台でわずかに続落。東京市場で112円80銭台まで下げて欧州市場では5月16日(113.79)以来、1カ月半ぶりのドル高円安水準となる113円60銭台まで反発。低調な米製造業受注指数を受けて113円近辺まで反落後は、FOMC議事要旨に乱高下の反応を経て結果的に前日終値付近に収束。円キャリー優勢地合いも経済指標に敏感に反応する局面でもあり、ドル高方向には114円前半までが振れ幅の目安に、円高方向には112円前半がサポートの目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/5終値とチャート

6日の国内金価格は5日ぶりの反発で0.1%高。反発値幅は5円と限定的、下値トライへの流れがスタートした可能性を打ち消すほどではなく、目先は軟調推移の展開が優勢に。ただし週末の米指標結果に左右される局面で方向感も流動的に。基本線は下値目安4680円台を目指す流れへ、反転した場合には4830円が抵抗水準。これを超えるようなら高値更新トライへの流れで目標水準は昨年高値4941円へ。

プラチナ価格は0.45%の反落。3540円から3600円までのレンジ、今年ここまでの底値圏での保ち合い継続。短期的な方向感は上向き優勢の状況も反発しきれない状態も継続し、底割れ警戒感もくすぶり続ける状況に。底割れで安値更新の場合には一段安へのトレンド形成で下値目安は3380円辺りまで、保ち合いを上抜けて反発基調スタートなら上値目標は3730円程度まで。
※参考:金プラチナ国内価格7/6とチャート

2017年7月6日(木)時点の相場
国内金4,784 円 7/6(木) ▲5(0.10%)
国内プラチナ3,552 円 7/6(木) ▼16(0.45%)
NY金1,221.7 ドル 7/5(水) ▲2.5(0.21%)
NYプラチナ908.8 ドル 7/5(水) ▲2.7(0.30%)
ドル円113.26 円 7/5(水) ▼0.02(0.02%)

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