金プラチナ短期相場観

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米5月貿易赤字縮小も対中赤字拡大継続でトランプ不満も拡大へ

更新日:2017年7月7日(金)

米・貿易収支・対中国 2017年5月米商務省が発表した5月の貿易収支は465億700万ドルの赤字。463億程度の赤字予想を上回る赤字幅となったものの、4月の475億8500万ドルの赤字からは2.3%の赤字幅縮小。
輸入額が2385億3500万ドルで前月からわすかに0.1%減となったのに対し、輸出額は1920億2800万ドルとなり、前月から0.4%増加し2015年4月(1925億9300万ドル)以来2年1カ月ぶりの高水準となっています。石油の輸出が過去最高となったことが大きく貢献したようです。

国別の収支では対ドイツが前月比-8.9%と赤字幅縮小、日本は前月比+11.3の赤字幅拡大、メキシコが+15.8%の赤字拡大。対中国でも前月比+14.4%の赤字幅拡大となっています。
米国の貿易赤字全体に占める割合は、ドイツが4月の11.5%から5月は10.7%に縮小、日本は11.0%から12.5%へと拡大、メキシコは13.2%から15.7%へと拡大しています。
赤字額でも割合でもこの3カ国合計を大きく上回る中国は、4月の58.1%から5月は68.0%へと大幅拡大。
この数カ月間、中国への輸出額は100億ドル前後で横ばい推移が続くのに対し、輸入額は2月の327億ドルから5月の418億ドルまで右肩上がりの状態となり、赤字額は316億800万ドルまで拡大しています。

なお、四半期単位でも対中国赤字は2016年第3四半期から2017年第1四半期まで3期連続の赤字幅拡大となり、2015年第3四半期以来、6四半期ぶりの水準となり、過去3番目の大幅赤字となっています。

トランプ米大統領は、中国の対北朝鮮貿易が第1四半期に増加していることに不満を示しましたが、米国の対中貿易赤字の拡大がとまらないことも、これに拍車をかけることにもなりそうです。
週末のG20、米中首脳会談が気になるところです。

NY金・日足チャート 2017/6/1 - 7/66日のNY金相場は0.13%の小幅続伸。ECB理事会議事録でのテーパリング示唆を受けた欧州債利回り上昇により金利上昇の流れが加速。ドイツ10年債利回りは昨年1月以来1年半ぶり、英10年債利回りも今年2月以来5カ月ぶりの高水準となり、米10年債利回りも5月以来2カ月ぶりの2.36台へと上昇。金は上値の重い展開となったものの、ユーロ高にともなうドル安の流れに下値も限定的となり、1220ドル台での小動きに終始。米6月ADP雇用下振れもあり、雇用統計でもそれほど好結果は予想されない状況も、金利上昇地合いと居心地の良い水準にあることから反発余地も限定的か。1210ドル後半から1230ドルまでをコアレンジに下方向には1200ドルラインまで、上方向へは1250ドル近辺までが目先の振れ幅の目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2017/6/1 - 7/6NYプラチナ相場も0.17%の小幅続伸。910ドルをはさんでの揉み合いとなり、この日の変動値幅はわずか7.5ドル。今年の平均値幅17.3ドルの半分以下で2015年6月19日の7.3ドル以来、2年ぶりの小動き。今朝の時間外では一時的に901ドルまで急落する場面もあり、ボラティリティ再拡大も警戒される。雇用統計下振れで金の反発に連れる展開なら920ドル半ばまでは上昇しやすく、これを超えると反発局面形成で目標水準950ドル近辺へ。予想外の上振れで軟調推移の展開となれば900ドル割れまでは下げやすく、890ドル台の今年安値を更新すると一段安へ、800ドル前半が意識される展開も。

ドル円・日足チャート 2017/6/2 - 7/6ドル円は終値ベースでは3日連続の113円20銭台。わずかながら3日続落も十字線に近い足型を3日連続で残し、6月後半からの日足パターンでは次に大陽線が続きそうな形状に。そうなるためには雇用統計の想定外の上振れが必要に。ISM非製造業景況指数の好結果を除いて雇用、貿易収支なと低調な指標が続いたにもかかわらず113円近辺では底堅く推移する状況はそれを予想、期待する向きが多いことを示しているのかも。期待どおりなら113円後半を突破して114円半ばへ、期待ハズレなら112円前半までの急落も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/6終値とチャート

7日の国内金価格は0.29%の反落。6月安値を下回り、3月27日(4764)以来3カ月ぶりの安値水準となり、下値トライへの流れがじわりと進行。21日移動平均線が90日移動平均線をデッドクロスし、その下に9日移動平均線、価格ラインが降順に並ぶ下向きのパーフェクトオーダーを完成しており、短期的な下落圧力は強まる状況。その一方で200日移動平均線は4716円でゆるやかな上昇基調を維持し、中長期的には上昇トレンド。雇用統計で想定外の賃金上昇加速などがあれば短期下落トレンド継続へ、予想外に低調なら短期トレンド巻き戻しへ。
週間ベースでは-31円(0.65%)と反落、直近5週間で4週下落の軟調推移。

プラチナ価格は0.17%の小幅続落。3668円で軟調推移の200日移動平均線を90日移動平均線が今週デッドクロスし、長中短期ともに下落基調が強まる下向きのパーフェクトオーダーを完成。そのなかで価格ラインと9-21日移動平均線はもつれ合う展開で短期トレンド好転をかけた攻防、上抜けの兆しも見られたものの・・・続かない。3540円から3600円までのレンジ下限付近で雇用統計待ちへ。
週間ベースでは-10円(0.28%)と小幅続落。直近6週間で5週下落の軟調推移。
※参考:金プラチナ国内価格7/7とチャート

2017年7月7日(金)時点の相場
国内金4,770 円 7/7(金) ▼14(0.29%)
国内プラチナ3,546 円 7/7(金) ▼6(0.17%)
NY金1,223.3 ドル 7/6(木) ▲1.6(0.13%)
NYプラチナ910.3 ドル 7/6(木) ▲1.5(0.17%)
ドル円113.21 円 7/6(木) ▼0.04(0.04%)

7/6(木)のその他主要マーケット指標

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米5月貿易赤字縮小も対中赤字拡大継続でトランプ不満も拡大へ 7/7(金)

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