金プラチナ短期相場観

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NY連銀の期待インフレは続落で6月は2016年の底値圏へと低下

更新日:2017年7月11日(火)

NY連銀・期待インフレ 2017年6月NY連銀が発表した6月の消費者調査で1年期待インフレ中央値は2.54%。5月の2.59%から一段と低下し、昨年11月(2.54%)以来7カ月ぶりの低水準へと続落。今年1月の2.98%をピークとして低下傾向が続き、近年の底値圏となった2016年の2.5%近辺の水準へと戻ってきた状態です。

3年期待インフレ中央値は1年4カ月ぶりの低水準となった5月の2.47%から6月には2.78%へと反発し、1年期待インフレを上回りました。5月時点では3年後のインフレ率は1年後よりもさらに低下するだろうと予想する消費者のほうが多かったと推定され、6月には3年先のインフレ率は1年後のインフレ率を上回るだろうと見る消費者が増加傾向に転じた可能性を示します。
現状の低インフレは一時的であり、それほど長くは続かないとするFRBの見方に一致することにもなります。

なお、ミシガン大の1年期待インフレの6月は2.6%で横ばい推移、5年期待インフレは5月の2.4%から6月は2.5%へと上昇。しかし1年期待インフレを下回る状態が5カ月連続中。5年後のインフレ率は1年後の水準を下回るとの見方が優勢の状態が続きます。
長期的にはインフレ率はそれほど上昇しないだろう、という見方になっています。

また、原油価格は5月の月間平均48.54ドルから6月には45.20ドルへと下落。米長期金利も2.10%台の低迷が続いたことなどもNY連銀の1年期待インフレ低下に影響しているものと思われます。6月末からは原油価格も反発し、米長期金利も2.3%台へと反発の兆しとなっており、その流れが続くようなら、7月のNY連銀の1年期待インフレも反発へと転じる可能性もありそうです。

しかし、NY連銀の1年期待と3年期待インフレは低水準でもつれ合う状態が続き、3年期待インフレが1年期待インフレを上回る状態が、一時的にとどまる可能性も残されます。

NY金・日足チャート 2017/6/5 - 7/1010日のNY金相場は0.29%の小幅反発。時間外、東京市場終盤から欧州市場スタートにかけての時間帯に1210ドルから、3月15日(1196.8)以来およそ4カ月ぶりの安値となる1204ドルまで急落。しかし1200ドルの大台割れに失敗したことでNY市場にかけて買い戻しの展開に。米10年債利回りが2.4%手前、ドル円が114円30円台手前で伸び悩みとなっていることが金の下げ渋りをサポートする状況。米長期金利の上昇が続き、ドル高円安が一段と進行し、それぞれ節目を突破するようなら金も1200ドルの大台割れが予想され、ダブルトップ完成後の下値トライ進行も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/6/5 - 7/10NYプラチナ相場は0.24%の小幅続落。時間外の910ドル近辺から、金の急落局面では900ドル付近まで値を下げるとNY朝には一時今年最安値を更新し、昨年12月28日(891.6)以来半年ぶり安値となる894ドルまで下落。下値目安となっていた900ドル割れをようやく達成した形となり、今朝の時間外では900ドルを回復。5月4日安値894.5ドルと合わせてダブルボトムをつけた形となり、昨年後半以降の重要なサポート水準でもある900ドル前後の水準で短期下落トレンド一服の可能性も。ただし、金が大台割れとなった場合にはプラチナも一段安の展開が警戒され、その場合には800ドル台前半が意識されることに。

ドル円・日足チャート 2017/6/6 - 7/10ドル円は0.1%の小幅続伸となって5月10日(114.27)以来、2カ月ぶりの114円台。ただしこの日は材料不足と水準的な達成感もあり、39銭ほどの小動き。1日の値幅が今年の平均99銭に対して40銭にも満たないのは今年3度め。目先は5月高値114円30銭台が強めの抵抗水準となり、ここを突破した場合には4月安値と6月安値の108円台を底値とするダブルボトムを完成することになり、中期的には最大120円近辺を目指す展開も想定されることに。下値は113円前半が当面のサポート水準。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/10終値とチャート

11日の国内金価格は0.15%の小幅高。短期下落トレンドスタートの兆しも下げ渋り、下値目安4680円台を目指す流れはNY金が1200ドルの大台を割れない限りは本格化しない可能性も。ただし当面は4830円までが抵抗水準となって上値も重い状態が想定される。下げ渋る状態がもう少し続けば下押し圧力も徐々に緩和されて下方リスク後退も。

プラチナ価格は0.7%の反落。今年安値圏での保ち合い状態はほぼ1カ月経過。金とは逆に保ち合い長期化に伴い反発への勢いは徐々に後退、現状での確率的には反発方向へと向う可能性のほうがわずかに高く、そうなれば3700円台後半を目指すようなトレンド形成となる可能性。NYプラチナが一段安となるようなら、国内プラチナ価格も追随で下値トライの目安は3350円近辺へ。
※参考:金プラチナ国内価格7/11とチャート

2017年7月11日(火)時点の相場
国内金4,777 円 7/11(火) ▲7(0.15%)
国内プラチナ3,550 円 7/11(火) ▼25(0.70%)
NY金1,213.2 ドル 7/10(月) ▲3.5(0.29%)
NYプラチナ901.9 ドル 7/10(月) ▼2.2(0.24%)
ドル円114.03 円 7/10(月) ▲0.12(0.10%)

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