金プラチナ短期相場観

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ドラギ総裁「景気は一層上振れへ」消費者信頼感は歴史的高水準

更新日:2017年7月21日(金)

ユーロ圏消費者信頼感指数 2017年7月速報ECB理事会後の会見で、ドラギ総裁はテーパリングのシナリオについてはまだ議論しいないものの、秋に協議する予定であることを明言。
声明文では、大規模緩和はインフレ上昇が見られるまで継続する必要があり、少なくとも予定どおり年末までは600億ユーロのQEを継続し、見通し悪化の場合にはその規模や期間を拡大する用意もある、と従来からの基本姿勢を維持していました。
しかし、その一方で世界的な回復基調が貿易を下支えし、回復は広範囲に渡っている、との発言や、「景気は一層上振れへ」と勢いが増しているとの見方も示しました。

ドラギECB総裁の景気に対する強気見通しを好感した市場ではユーロ買いが急進し、ユーロは対ドルで2015年1月以来、2年半ぶりのユーロ高ドル安水準となる1ユーロ=1.60ドル台へと急騰しました。

この日欧州委員会が発表したユーロ圏の消費者信頼感指数の7月速報値は-1.7。2001年4月以来16年2カ月ぶりの高水準となった6月の-1.3からは小幅に低下しましたが、
長期平均の-12.2を大きく上回る水準で、世界金融危機前のピーク水準となっていた2007年の-2.0を上回る水準を維持。6カ月移動平均では-3.6となり、11カ月連続の上昇で2007年9月以来、9年10カ月ぶりの高水準となっています。

ユーロ圏の消費者マインドは、既に歴史的高水準まで上昇しています。
ドラギ総裁の見立てどおり、ユーロ圏の景気が一層上振れへと勢いが増し続けるようなら、消費者信頼感指数もさらにもう一段上昇することになります。
年後半、ユーロ圏の景気がさらに拡大し、消費者信頼感指数もさらに上昇することになると、同時にピークアウト警戒感も高まることにもなりそうです。
もしかすると、7月速報値の小幅低下が、その兆しを示唆している可能性も否定できません。

NY金・日足チャート 2017/6/15 - 7/2020日のNY金相場は0.28%高で5日続伸、6月29日(1245.8)以来3週間ぶりの水準を回復。ECB理事会では予想通りの現状維持と声明文にも変更なしでユーロ売りドル買いが進行し、金は1230ドル半ばまで下落。しかし、ドラギ総裁会見での経済見通しに対する強気発言をきっかけにユーロが急騰、反発した金も1240ドル台を回復。若干の調整後、モラー特別検察官がトランプ米大統領のビジネスに捜査範囲を拡大、との報道を受けてドル売りが急進すると金は1247ドルまで上昇。2年半ぶりのユーロ高ドル安水準まで上昇したユーロ買いの勢いとロシア疑惑が調整気味の金を押し上げた格好。目先は6月高値から7月安値の半値戻しとなる1250ドル前半が次の上値ターゲットに。

NYプラチナ・日足チャート 2017/6/15 - 7/20NYプラチナ相場は0.97%の反発。1週間ぶり安値となる915ドルまで調整後、金に追随する展開となったNY市場では20ドル弱の大幅急騰。終値では6月14日(951.9)以来、1カ月ぶりの水準を回復。7月前半からの反発基調は再加速の兆しで当面の上値目標は6月半ばの950ドル近辺まで。920ドルがサポート水準となり、割り込んだ場合には900ドル再トライへの警戒感も。

ドル円・日足チャート 2017/6/16 - 7/20ドル円は0.05%の小幅円高で3日続落。物価目標先送りの日銀金融政策維持は予定どおりながら、緩和政策継続を好感する株高円安材料となってドル円は112円40銭台まで反発。ECB理事会とドラギ総裁会見は112円台を維持してやり過ごしたものの、ロシアゲート疑惑再燃で111円40銭台へと急落。しかし3日連続で111円半ばまで下げると反発する底堅さも健在。目先、この水準がサポートとなって短期トレンド転換へと向う可能性も。ドル高円安方向には112円後半にやや抵抗感。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/20終値とチャート

21日の国内金価格は0.23%の反発。前日の下落分だけ上昇し、平行状態で水平移動する21日と90日移動平均線との間での小動きとなり、方向感も喪失気味。90日移動平均線を超えると徐々に流れは上方向へ、逆に21日移動平均線を割り込むと軟調推移気味へとトレンド形成準備へ。
週間ベースでは+40円(0.84%)となって3週間ぶりの反発。

プラチナ価格は0.53%の反発。鍋底状態が継続するなかでわずかに下値を切り上げる形となり、鍋底脱出へと向う流れへと少しづつ動き始めた可能性も。3600円の節目を超えた場合には5月高値3690円が当面の上値目標に。3560円を割れるとこれまでの鍋底保ち合い下限3540円でサポートされるかどうか、されない場合には3400円台半ばまでの大幅安へと向う可能性も。
週間ベースでは+36円(1.02%)となり、4週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格7/21とチャート

2017年7月21日(金)時点の相場
国内金4,797 円 7/21(金) ▲11(0.23%)
国内プラチナ3,581 円 7/21(金) ▲19(0.53%)
NY金1,245.5 ドル 7/20(木) ▲3.5(0.28%)
NYプラチナ933.2 ドル 7/20(木) ▲9.0(0.97%)
ドル円111.90 円 7/20(木) ▼0.05(0.05%)

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