金プラチナ短期相場観

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イエレン・ドル安、ドラギ・ユーロ高で金は1300ドル再トライ

更新日:2017年8月26日(土)

NY金と米10年債利回り 2017年8月25日ジャクソンホールで講演したイエレンFRB議長は金融規制に関して「いかなる将来的な変更も控えめなものに留める必要」との見解を示しました。積極姿勢のトランプ政権との違いが強調され、これで来年2月の任期切れでの退任も濃厚となったのではないかと思われます。
金融政策に関する言及がなかったこともあり、期待先行で事前に買われ過ぎていたドルはイエレン講演とともに急速に売られる展開となりました。
109円半ばからジリジリと買われ、109円80銭台まで上昇していたドル円は109円10銭台まで急落し、2.2%台に戻しつつあった米10年債利回りも2.16%へと急反落、6月26日以来2カ月ぶりの低水準となり、再び今年の下限付近を試す展開となってきました。
NY金は乱高下を経て再び1300ドルを試す水準を維持する状況です。

その後ドラギECB総裁の講演でも金融政策については触れず、しかし警戒されたユーロ高への牽制もなかったことでユーロが急騰。イエレン講演でもドル安急進に伴うユーロ高が進行しており、ユーロドルは2段階ロケットのような急騰局面を形成し、2015年1月5日以来2年7カ月ぶりのユーロ高ドル安水準へと上昇。
これに伴い、ドルインデックスも2段階急落となって92.40ポイント台まで下落。2015年以降のサポート水準93ポイント前後のほぼ下限まで水準を切り下げています。
結果的に、ドラギ総裁講演によるユーロ高もNY金の高止まりを支える形となった状況です。

NY金・日足チャート 2017/7/24 - 8/2525日のNY金相場は0.46%の反発で昨年11月4日(1304.5)以来、9カ月半ぶりの高値水準。イエレンFRB議長講演直前から思惑的な売り買い交錯で一時1300ドル超えも直後に1280ドル付近まで急落と乱高下状態となり、講演内容が伝わると買い戻しの展開で1300ドル手前まで再上昇。その後は1300ドル手前での揉み合い状態となったものの、再度1300ドルを超えることなく終了。結果的に高値では1週間ぶりの1300ドル台まで上昇も終値ベースでは7営業日連続の1290ドル台。保ち合いレンジを1290ドルから1300ドルまでに上方圧縮する形となり、抵抗感も一段と強まる1300ドル台へと水準を切り上げることができれば、引き続き1330ドル近辺まで上値を試す可能性も。しかし、反落警戒感に押されて1290ドルを割り込めば1250ドル台を目安に大幅調整局面入りも。
週間ベースでは+6.3ドル(0.49%)の反発。

NYプラチナ・日足チャート 2017/7/24 - 8/25NYプラチナ相場は0.36%の反落。990ドル手前から970ドル付近までのレンジで乱高下、のち7営業日ぶりに980ドル割れ。レンジ上限990ドルへの抵抗感は強まり、調整局面入りへの可能性を示唆するような動きに。目先960ドル半ば辺りまででサポートされれば保ち合い継続の展開へ、割り込んでしまうと940ドル台が下値目安に。990ドル超えへと反発できれば1010ドル台が上値目安にも。
週間では-3.3ドル(0.34%)の小幅続落。

ドル円・日足チャート 2017/7/24 - 8/25ドル円は0.21%のドル安円高で反落。イエレン議長講演後の急落にも109ドル手前では下げ渋ったことで、足下の109円台前半を主要レンジとする小幅保ち合いを維持する鯨幕状態を継続。終値では7日連続ほぼ109円台を維持してきたことで流れは反転しつつある状況。あらためて109円台後半から110円台トライに成功すれば反発局面形成濃厚となり、90日移動平均線が横たわる111円台前半が当面の目標水準に。ただし、109円割れへと再度売り圧力がつよまると今年安値更新へと大幅安の展開となる可能性もまだ残される状況か。
週間では+0.11円(0.1%)と小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/25終値とチャート

2017年8月26日(土)時点の相場
国内金4,848 円 8/25(金) ▲8(0.17%)
国内プラチナ3,702 円 8/25(金) ▲23(0.63%)
NY金1,297.9 ドル 8/25(金) ▲5.9(0.46%)
NYプラチナ979.1 ドル 8/25(金) ▼3.5(0.36%)
ドル円109.32 円 8/25(金) ▼0.23(0.21%)

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