金プラチナ相場情報
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★金プラチナ短期相場観★

緩やかな利上げフェーズは落ち着き払った静かなスタートに
更新日:2015年12月17日(木)
米FRBは16日、2008年12月から7年間続いたゼロ金利政策を解除し、9年半ぶりの利上げを全会一致で決定。
市場予想どおりの利上げとはいえ、想定以上に静かな通過点となりました。警戒感も高まっていた分だけしっかりと事前の織り込みが進行し、金融市場は波乱もなくやり過ごすことに成功したようです。
NY原油が終値ベースで35ドル台へと再び安値更新となったにも関わらず、NYダウは200ドル超の大幅上昇となり、日本株も連れ高で急騰、ドル高基調もゆっくりと進行。それでいて今のところは金の下落も限定的となり、不安視されていた新興国通貨の売りもフィッチによる格下げで一時的に売られたブラジルのレアル以外はそれほど売り込まれることもなかった様子。
米国の景気回復が続くというFRBの自信がマーケットにも反映された形で、イエレン議長は就任以来の一大イベントを無事成功させた格好です。

FOMC・FF金利予想中央値 2015年12月FRBの金融政策正常化に向けてスムーズなスタートを切った利上げフェーズにおいて、2016年末FF金利予想の中央値は1.375%。2016年には3回ないし4回の利上げが見込まれていることになります。2017年以降の予想中央値の推移を見ると、ほぼ年4回ペースでの利上げが当面続くとの予想。

しかし、この予想中央値はFOMC開催毎に、徐々に下方シフトされ続けています。PCEインフレ予想中央値も2016年は1.7%から1.6%へ、コアPCEも同様に1.7から1.6%へと見通し引き下げ。2017年は両方とも1.9%、2018年には2.0%の目標到達、と9月時点の予想からは変わらずとなっていますが、見通しどおりとなるかどうかは甚だ疑問も残るところです。

緩やかな利上げフェーズ進行に伴い、FF金利予想も緩やかな下方シフトが続くことになれば、1-2年後には、長期見通しの3.50%もかなり下方シフトされていることも十分に考えられそうです。

NY金・日足チャート 2015/11/16 - 12/1616日のNY金相場は1.43%の大幅反発。FOMCでの利上げ決定と緩やかな利上げペースを織り込みロンドン時間終盤から15ドルほどの上昇で1070ドル台後半へ。引け後の利上げ決定発表時には1060ドル付近まで急落、急反発と乱高下の反応後は1070ドル台前半での小康状態。結果的にはアク抜けからの小幅高となった形で一時的な売りもかなり限定的。底堅さを確認も上値も節目の1080ドル台にも及ばず、ゆっくりとしたドル高の流れに軟調推移への警戒感も。本日欧州・NY時間にかけても大きな変化が見られないようなら、レンジ推移がしばらく続きそうな状況に。1060ドルのサポートライン割れの場合には1030ドル台辺りまで下値を試す可能性。現状からは大底をつけた可能性もかなり高まったかも。

NYプラチナ・日足チャート 2015/11/16 - 12/16NYプラチナ相場は2.36%の大幅高で3日続伸。金に追随する流れでも、これまでの売り圧力が強かった分だけ反発力も金を上回る強さ。小幅保ち合いレンジを大きく上方ブレイクし、短期上昇トレンド加速の兆しも。ただし12月4日の880ドルラインにぶつかって反落した形となり、いきなり失速の可能性も。早々に880ドル超え出来れば上値目標910ドル台へ向かう流れへ。970ドル台も維持できないようならレンジへと逆戻り、サポートラインは840ドル。

ドル円・日足チャート 2015/11/17 - 12/16ドル円相場は0.45%のドル高円安で3日続伸。FOMC後は荒い値動きで121円台後半から121円30銭台まで下落後に反発、122円台前半へと水準を切り上げると、今朝にかけても122円半ばへとジリ高推移。事実で売る流れまで先週末までに消化済となっていたかのように、落ち着いた展開。ゆっくりとしたドル高地合いが進行しそうな流れに。123円台半ばがやや強めの抵抗水準に。超えた場合には125円も通過で126円台トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/16終値とチャート

17日の国内金価格は1.23%の大幅続伸。FOMC通過で4400円割れへの警戒感はいったん払拭され、反発基調優勢へと流れが変わり始めた可能性。NY金の底堅さが24時間持続するなら、15日の4433円が当面の底値、かつ重要なサポートラインとなった可能性が高まり、4600円の直近高値超えを目指す展開へ。この水準まで上昇できれば4600円台半ばから後半も視野に。

国内プラチナ価格は2.19%の大幅高で3日続伸。年初来安値更新後に急反発するケースは今年これまで何度も見られたパターン。しかし、3日連続1%超の大幅上昇は今年初。ダブルボトム完成に向けた流れが進行し、ネックラインかつ抵抗線の3740円にもあと一息。突破成功なら3800円の大台回復トライへ。週末の黒田総裁会見が思わぬ追い風となることも。
※参考:金プラチナ国内価格12/17とチャート

2015年12月17日(木)時点の相場
国内金:4,514 円 12/17(木) ▲55(1.23%)
国内プラチナ:3,691 円 12/17(木) ▲79(2.19%)
NY金:1,076.8 ドル 12/16(水) ▲15.2(1.43%)
NYプラチナ:876.0 ドル 12/16(水) ▲20.2(2.36%)
ドル円:122.20 円 12/16(水) ▲0.55(0.45%)
→12/16(水)のその他主要マーケット指標

←利上げ開始の12月は原油安による低インフレ懸念に製造業低迷継続 12/18(金)
→コアCPI前年比2.0%上昇で利上げスタートには好材料 12/16(水)
→2016年の利上げは2回? 12/15(火)
→原油安によるリスクオフで国内プラチナ価格は6年5カ月ぶり安値 12/14(月)

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